リべストコラボ編 寿奈との出会い編
リベリアスストリームの世界。
私、浅井初はセントウェスティアの酒場にいた。
近くではこの世界の勇者、リョーヘイが珈琲を飲んでいる。
先程依頼をこなしたらしく、その休憩に来ているのだ。
と、こんな感じの状況で私はプリンを食べながら見た。
少女だ。茶色の短髪に、黄色い瞳の整った顔。身長は私より一センチ上だが、彼女の方が雰囲気的に私より年下だろう。今は辺りを見回している。
しかし問題はそこではない。
彼女が纏う衣服。どっからどう見ても私が普段通っている学校の制服なのだ。
私も全校生徒の顔と名前など知らないが、あんな容姿の子は見た事がないし、何より私の通う学校の生徒特有の異常さが感じられない。
あの学校でまともな生徒を、私は見たことがない。
だがどんな理由であれ、私の高校の生徒がこの世界にいるのは不自然だ。
私の世界の人間でここに来られるのは私、姉さん、江代だけの筈なのだから。
まあ良い、声を掛けてみるか。
と、その前に。
「おい、リョーヘイ」
「なんだ、貧乳?」
殺してえんだが。
「そこに私の世界から来た人がいるんだが、一緒に話しかけに行こう」
「おう」
と、私はその少女に声をかけた。
「なあ」
「ん、私ですか?」
やっぱり私の思った通りだ。この子は安全だ。
「ああ。私の通う高校の制服を着ているしな。
少し気になった」
「あれ、私と同じ学校なのに私の事は詳しく知らないんですか?」
「いやあ、見た事ないしな。
取り敢えず名前教えてくれ」
「同じ学校の子に対して改めて自己紹介するのも変な感じだけど、名乗りますね。
私は杉谷寿奈と言います。スクールアイドル『Rhododendron』のメンバーです」
え? スクールアイドル?
てことは・・・・・・。
「お前ラブ〇イブの新キャラか何かか!?
まだサン〇ャイン二期終わって無いのにか!?
スク〇ェスで新しい奴出たのにか!?」
「いや、まあスクールアイドルをマジでやることになった時は流石に驚いたけど違いますよ?
私はそういうキャラとは一切関係ありませんし」
ま、まあ版権キャラがここに出ていたら流石にマズい。
リョーヘイ達の世界が消えてしまうしな。大人の事情で。
「ところで寿奈さんとやら、何でこの世界に?」
話を聞いていただけのリョーヘイが会話に入る。
「私も分からないんですよね。練習していたら急にこんな世界に来てしまって」
あー、転移しちゃった系か。
「一応女神に頼めば元の世界に帰れるし、まあ大丈夫だろう。
それより寿奈さん!」
「え、何ですか?」
「確かアイドルなんだよな。ちょっと歌ってみてよ!」
「わ、分かりました。
では行きますよ」
――。
寿奈の歌が終わった。
彼女の声は美しく、また聞いていて気持ちよかった。
しかし、歌が終わった後の事。
「あれ、何と言うか力が湧いてくるな。
今なら何でも出来そうな気がするぞ」
ああ、ゲームでよくあるバフか。
私も不思議と攻撃力が上がった気がする。
なるほど。寿奈の歌にはバフが付くらしいな。
「そんなわけで、元の世界に戻す代わりに、仲間になって欲しいんだが良いかな?」
「え、まあ良いですけど・・・・・・」
とまあこんな感じで、寿奈がリョーヘイの仲間になったのだ。