もしも淀子が勇者になったら
めっちゃ久しぶりの投稿。
はぁ、何かこっちの方に来るの久しぶりな気がするなあ。
え? もう本番?
はいはい。分かったよ。
って、え?
私今日出番無いの? 姉さんがメイン?
私はストーリーの語りだけ?
私いなきゃ成立しないだろォォォォォォォォッ!?
◇◇◇
昔々、ある異界の地に浅井淀子という名の勇者がいた。
てか、こんな奴が勇者で大丈夫なのか?
「しばくよ初」
失礼した。
淀子は、ある日国王の命令で城へ行くことになり、現在王宮の前にいた。
彼女が城内へ入ろうとすると、門番の兵士が質問をしてきた。
「名を言え」
「私は勇者淀子」
「淀子だな。さあ、国王がお待ちだ」
門番が門の横に移動すると同時に、淀子も門をくぐって城内へと入る。
国王の部屋に到着した後、淀子は跪いて王の言葉を待っていた。
面を上げろという王の合図の後、淀子は顔を上げる。
「そなたが勇者淀子か」
「はい」
「今日来てもらったのは、そなたに使命を与える為だ。
この世界を脅かす、魔王を倒し、我が娘を魔王の下から連れ帰って欲しいのじゃ」
取り敢えず、ファンタジー世界ではテンプレの奴だ。
淀子は一句ごとに頷く。
「その仕事を、引き受けてくれるかね?」
勿論淀子は、その依頼に対し。
「やだ」
そう答えたのだ――――っておい!
おい姉さん。ここはいって言わなかったらストーリー進まねえよ!
王様困ってるじゃんッ!
「も、もう一度聞くぞ勇者淀子よ。
勇者として、この世界を脅かす魔王を倒し、そして我が娘である姫を魔王の下から連れ帰ってくれるかね?」
「へいへい」
こいつ大丈夫かな。
「しかし、勇者と言えど今のそなたでは貧弱過ぎるッ!」
「ふーん? そう思うなら勝負しようか?」
あかんあかんあかんあかんッ!
王様死ぬッ!
「ま、まあだからそんなたにはこれを授ける。
この剣はブレイブ・スパーダ。魔王を駆逐する威力を秘めた聖剣だ。
受け取れ」
「別にいらない」
ダメだこの勇者。
◇◇◇
まあそんなこんなあって、旅に出る事になった淀子。
時にブレイブ・スパーダを使い、時に自らの拳で敵を粉砕し、お金が足りない時は村人からカツアゲして稼ぎながら、魔王城にて、魔王と戦うことになった。
「よくここまで来たな、勇者淀子。
最早勇者とは思えん行動までしてここまで来たようだが、それもここで終わりだ」
もうあの行動を見てもこいつを勇者と呼べる魔王を尊敬するぜ私は。
「あ、そなの?」
「我が望みはただ一つ。勇者たる貴様を倒し、この世界を恐怖に満ちたものに変えること。
さあ、掛ってくるが良
グシャ、という音と共に淀子は魔王の口を無理矢理封じた。
「おい貴様ァァァァァッ!
喋ってる時に攻撃するなど、勇者と呼べグホァッ!」
もうどっちが勇者でどっちが魔王か分からんわ。
「え、アンタがSМプレイを楽しめる世界にしたいって?
へいへい分かったよ」
「分かったから蹴るのやめてお願い。
姫様も返すし、世界征服もやめる。だからやめてェェェェェ」
・・・・・・。
ツッコむのもめんどくせーよ。