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蒼穹のエターナルブレイク-side イクトス-  作者: 星里有乃
第十部 異世界学園恋愛奇譚〜各ヒロイン攻略ルート〜
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ハロウィンデート編4:ルーン会長と過ごす10月31日【前編】


 いよいよハロウィン本番の10月31日がやってきた。10月に入ってからは、地球でも異世界でも至る所でかぼちゃランタンを見かけ、ハロウィン気分満載だったが。本来のハロウィンと呼ばれる日は、10月31日のことである。


 そして、そのハロウィン当日の記念すべきデートのお相手は、憧れの女賢者ルーン会長だ。

 金髪碧眼の天然系メガネ美人ルーン会長は、いついかなる状況下においても常に何かしらの会長職に就いていることから『会長』が彼女の代名詞とかしている。具体例を挙げると、異世界の魔法学校ダーツ魔法学園でも成績トップの生徒会長を務め、地球でも寄宿舎生活お嬢様学校で生徒会長だったという。


 オレがマイルームの鏡の前で前髪を整髪料で整えるなどデートの準備を行っていると、『秋のリス祭り』出席のためしばらく留守にしていたククリが帰宅した。


「ふぃー、リス型精霊ククリ!ただいま戻りました。それにしても、楽しいリス祭りでした! お土産に栗のおやつをたくさん貰って来ましたよ」


 自慢の尻尾をふわふわ回しつつ、小さな手にいっぱい栗の入った服をかかえたククリは心底満足そうだった。リス祭りがどのような内容のイベントなのかは不明だが、リス達にとっては良い祭典だったのだろう。


「おう、お帰りククリ。オレ、今日はルーン会長とハロウィンデートだからしばらく部屋を開けるけど」

「ややっ! 今日はついにルーン会長とデートでしたか……いやぁ時が経つのは早いものですね。レア展開っぽいルーン会長とついに……サ終が近い証拠なのでしょう。デートの記録はハーレム勇者認定協会のかぼちゃランタン達から、送られてきますので安心してデートを楽しんでください」


 そういえば、ククリの仕事はハーレム勇者認定協会のお目付役としてオレのデートをチェックすることなのに、リス祭りに出かけてしまって不思議だったが。実は、そこら中にいるかぼちゃランタンの中にはハーレム勇者認定協会が設置しているものも、複数あった模様。


「なんか、見張られているのを前提に楽しむっていうのもどうかと思うけど。ククリの元にもデータがきちんと送られているなら安心だよ。あっ……そういえば、そろそろルーン会長のプロフィールがオレのところへ送られてきてもいい頃合いだよな。あっ……さっそく届いたか?」



 スマホ画面を確認すると、ルーン会長のプロフィールデータ追加が確認出来る。今回登録されたルーン会長のパーソナルデータは以下の通りである。



【女賢者ルーン/通称ルーン会長】

 本名:月澤・ルーン・スターリング

 年齢19歳

 誕生日:10月31日

 身長:158センチ

 体重:42キロ

 バスト:Cカップ

 血液型:AB型

 趣味:古本屋巡り、アンティークショップ巡り、将来はお遍路巡りも視野に入れている。

 好きな食べ物:かぼちゃプリン、かき揚げうどん、カニすき

 苦手な食べ物:ウニ、ナマコなどは見た目が苦手なのだよ……漁師の皆様すまないね。

 特技:こう見えても、お裁縫は結構得意だ。

 得意料理:夏はそうめん、冬は煮込みうどんを頻繁に作るが……。


(備考)

 プロフィールというよりも、ルーン会長へのインタビューのようなデータになってしまった。お堅い話口調は、男性慣れしていないルーン会長の照れの可能性も……。


(アドバイス)

 クールな印象だが実は天然……というルーン会長も、普段は普通の女の子。シャイな面もあるため、友達の延長線上の体裁を取りながら、エスコートすると自然と良い仲になれるかも。



「こっ……これは? なんだか、いつものプロフィールより、インタビュー後に製作した感じが出てるな。おやっ……電話だ。はい……あっルーン会長」

『やあイクト君、私ルーンだ。実は、今日のデートクエストのことなんだがね、その……両親がデートの相手にぜひ会いたいと言っていて。デートといってもクエストの一環だし、いきなり両親が現れるのは重いと説得したんだが……。両親とは年に一度くらいしか会えないからね……つい了承してしまった」

「ご両親がですか? ルーン会長には、うちの姉がすごくお世話になったし。いつかお礼をしなきゃと思ってたから……オレでよければ……はい、分かりました」



 ルーン会長曰く、ご両親とルーン会長が『会える』のは年に一度のハロウィンシーズンだけ。しかも、来年以降はしばらく会えないかも知れないらしい。オレとルーン会長は、正式な恋人ではないし、今回は初デートでご両親に紹介するのは重い……と考えたようだが、ご両親曰く『一度でいいからルーンの彼氏を見て安心したい』とのこと。

 オレの双子の姉がルーン会長にはものすごく世話になったし、オレでよければ……とその役割を引き受けることになった。


(もしかすると、このスマホ異世界にログイン出来なくなると、ご両親には会えないのかも……。だってルーン会長のご両親は……)


 ルーン会長は、小学生の頃にご両親を事故で亡くしていて孤児院で育った。そのルーン会長のご両親に『会える』というのは、一体どんな魔法がかけられているのだろう?


 オレは今日……ルーン会長とのデートを通じてハロウィンの奇跡に出会う。


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