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蒼穹のエターナルブレイク-side イクトス-  作者: 星井ゆの花(星里有乃)
第七部 ハーレム勇者認定試験-後期編-

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第七部 第2話 今学期最初のガチャ


 所属ギルドでの早朝ミーティングを無事終えて、今学期最初の授業が行われる体育館へ。



 移動中、同級生レインとガチャの話題に……。

「今学期の最初の授業は無料のガチャがメインなんだって、どんなガチャだろう?」

「私は魔力を増幅させる魔石が欲しいな」

「おっ、もう体育館か……」



 勇者コースの生徒達が集まる席に着くと、やはりクラスメイト達もガチャの話題だ。


「なぁイクト、今回の最初の授業は無料の10連ガチャだぜ! おっと、ガチャに向けてお守りをつけないとな……これでよしっ」

 オレと同じ異世界転生者である勇者マルスの目がぎらりと光る。お守りをペンダント代わりに胸に下げて、ガチャへの祈りをつぶやき始めた。


「マルス……ガチャの話になると目がぎらつくよな……普段は穏やかで落ち着いているのに……」

「まぁ、かつてガチャ農場長マルスとして一部のまったり農場系スマホゲームで名を馳せたからな……あの頃のオレは、バイト代のほとんどを課金につぎ込んで……おっと、地球での話はここじゃ御法度だったな。あっ先生だ。そろそろか?」


 ガチャ農場長マルス? ……オレはそのまったり農場系スマホゲームをプレイしていなかったから、彼の課金ガチャ伝説ぶりは知らないけれど……。だいたい、まったり系ゲームでなぜそんな課金を? 


 先生の挨拶が終わり、今学期最初のガチャが開始される。


「今学期初めてのガチャだな……虹レア来い、虹レア来い……」

 謎の呪文をさらに唱えるマルス。

「あっさっそくガチャ台が運ばれてきたよ。並ぼう!」


 レインに促されてガチャ台へ……ガチャの音が鳴り響く。


「せっかく呪文を唱えてるし……マルスから」

「えっ? いいのかよ……ありがとなイクト」

 気合い十分のマルスを先に行かせることに。マルスがガチャ装置を廻すと音楽とともにカプセルがくるくる回転し……。


 がらがらがらがら……ポン!


『星5レア一つ、星4レア二つ、その他お楽しみアイテムです』

 サウンドが鳴り、星5レア武器風の刻印付き弓矢をゲット! 目玉である虹レアは出なかったものの、お守りが効果を発揮したのだろうか?


「これはっ? オレ、弓矢あんまり使ったことないけど、今日から弓矢使いにシフトするぜっ」


 星5装備にあわせて得意武器を変更するつもりらしい。

「マルス、弓矢の勉強頑張れよ」

「次は……えっ私でいいの?」

「ああ、レインにも星5が来そうだな」


 続いてレインがガチャに挑戦。

『星5魔法の髪飾り、他お得なセットです』

「えっ? 髪飾り? 私、ここではショートヘアなのに……でも、実は現実世界だと私の髪、長めなんだよね……もしかしてこのガチャ台にバレてるのかなぁ?」

 実は地球時代と髪型が違うらしいレイン。意外な情報だが、レインは可愛いからロングヘアも似合うだろう。


「順調に星5レアが出てるなぁ。次はイクト頑張れよっ」

「おっおう!」


 ついにオレのガチャの番が来てしまった。あまりガチャで良い思い出がないので期待していないのだが……。


 がらがらがらがら……てれれれれれれーんっ!

 オレを中心に目立つサウンドが流れる。まぶしく光り輝く虹色のカプセル……これは、まさかっ?

 会場内の注目が一斉にオレの廻しているガチャ台に集まる。


『激レア虹アイテム魅惑のスペシャル栄養ドリンク1ダース、星5レア防具精霊の腕飾り、星4レア一つ、その他お得なアイテムです』


 コトン……。

 オレの手元に、厳かに舞い降りる虹レアドリンク……気がつくとセット入りの箱も目の前にちょこんと置かれていた。

 虹色のきらきらした刻印がされており、高級そうな瓶ではある……が、装備品を期待していたらしい他の生徒達は関心が失せたのか、再び自分たちの席に戻っていった。

 列の後ろもまだ人が大勢いるし、オレ達も席に戻る。


「ドリンク? 虹レアがドリンク? どうして……いやでも星5レア防具が出てるし……」

「イクト、もしかしたらすごいパワーアップ効果が見込めるドリンクなのかも……なんせ虹レアだし。説明は? 何か載ってるだろ?」

「どんな効果なんだろうね……」


 虹レアドリンクの説明文をよく読むと……。

『どんなアレルギーでもたちどころに良くなります。女アレルギーなどにも効果的! 効果は期間限定です』


「女アレルギーに効くっ?」

「すごい……なんだかイクト君の為に作られたようなアイテムだね」

「イクト、これはお前のための虹レアアイテムだ! せっかくの虹レア……大切に使えよ」

「お……おうっ」


 本来、虹レアのような高いレアリティのアイテムを当てるとしばらくの間、生徒中から注目されるらしいが武器防具ではない地味なアイテムだったせいか、虹レアアイテムの存在は超美麗ショートムービーの上映とともに忘れ去られ、無事に今学期最初の授業は終了した。



「お兄ちゃん! 虹レア、アレルギーが治るドリンクなんでしょう? お兄ちゃんのためのドリンクだね。あっマルス先輩、レインさん、失礼しますっ。お兄ちゃんまたギルドでねっ」

 ぱたぱたぱた……オレの虹レアドリンクをちらりと確認し、立ち去る妹アイラ。


「……アイラもこの虹レアドリンクにはあまり興味なしか……けど、すごいアイテムだと注目されるし……これがちょうどいいのかも。オレ達も教室へ戻ろう」

「そうだね、イクト君」



 この時、オレは気づいていなかった。

 近い将来、虹レアドリンクがオレの勇者人生に変化をもたらすということに……。


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