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プロ野球への天道  作者: 日下田 弘谷
第7章 分かつ絆 つながる絆
70/150

プロローグ

ややスポーツ医学回です

〈土佐野球専門学校 移籍情報〉

 3組 神部友美 ⇔ 4組 長曽我部輝義


 学校曰く、部屋の引っ越しを始め、諸手続きを円滑に行わせるため。との理由で関係者以外にかん口令が敷かれていたため、報告が遅くなったとのことである。

 だからどうしたと言うのが宮島の主張である。別に報告が早かろうが、遅かろうが、そんなことはどうだっていいのである。そんなことで彼の懸案事項はまったく解決に向かわないからである。

「宮島さ~ん。このクラスに来たばかりで知り合いいないんで、ストレッチやキャッチボール、一緒にしてくださ~い」

 神部友美と言う名のストーカーが4組に移籍してしまったことである。

 なおこれにより1年4組男子勢(信頼厚き投手陣・元投手陣除く)から嫉妬を招くことになったことも問題だ。

 彼の右肩に静かに手が置かれる。

「宮島も大変じゃのぉ」

「だろ?」

「分かるで。ここはまかせぇや」

 神城は振り返って神部の方を向く。

「ごめんな。先約じゃけぇ。諦めて新本とやってくれぇや」

「そう、ですか……分かりました」

 わざわざ小牧に直訴し、クラス間移籍のトレード立候補制度を設立。そこまでして宮島を追って4組に移籍しながら、最初の練習は神城が先約との事。神部は残念そうに肩を落としながらも、それほど押しは強くないようで諦めてしまう。

「すまん。恩に着る」

「気にする必要もないで?」

 ひとまず一件落着。かと思われたが、

「しろろ~ん。キャッチボ~ル」

「すまん。今日は宮島と……」

「えぇぇぇぇ、今朝、一緒にやろうって約束した(・・・・)ぁ~」

 新本が余計な事を言い出した。その瞬間に神部の目が輝く。

「神城さん。約束を破るのはよくないかと」

「……え~っと、宮島殿」

「な、何か?」

「健闘をお祈りいたします。どうか御無事で」

「なんでだぁぁぁぁぁぁ」

 敬礼しながら広島弁完全撤廃で神城に言われた裏切りの言葉に、宮島は頭を抱えてしゃがみこんだ。


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