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プロ野球への天道  作者: 日下田 弘谷
第11章 夢と希望と現実と
115/150

プロローグ

「歴史は繰り返す」

 古代ローマのとある方はそう言った。

 人は長い歴史上で戦争の凄惨さを目の当たりにしながらも、昨今でも戦争は世界のどこかで行われている。と、たいそれた事など言ってもあまり実感はないだろう。

 もしもそれをより強く感じられる物があるとすれば……


 土佐野球専門学校学内リーグ(1年生)

 4位 1年4組 0勝 24敗


「今日も勝てず、と」

 1年4組監督・小牧長久は職員室へと戻って日誌に試合結果を書き入れる。

 ここまで1年生リーグにおいて1年4組は唯一の勝ち無し。それはさながら現2年生および、第1期卒業生らの4組が歩んできたものと同じシナリオである。

「さて、どうしようか」

 小牧としても悩みどころである。

 彼は去年、悩んで眠れず外出していた宮島と偶然出会い、その後の4組覚醒に少しであれ手助けを施した。そういう点では弱小クラスの復活に関与しているのだが、当事者として関わるのはこれが初めてなのである。

「おや、長久は先に戻っていましたか」

「広川さん。おつかれさまです」

 そうして過去に記した日誌に目を通していると、部屋へと試合を終えた2年4組監督・広川が入ってくる。

「今日の試合、どうでしたか?」

「この表情を見てどう思いますか?」

「なるほど。そうでしたか」

「して、広川さんの方は?」

「この表情を見てどう思いますか?」

「なかなか気持ちのいい勝ち方だったかと」

「完封リレーで小崎くんの先制満塁弾の得点を守り抜いて勝利です。まぁ、それしか得点を挙げられなかった、と言う点では課題の残る試合でしたね」

 明暗が分かれた2つの最弱クラス。もっとも2年4組は同じ最弱でも、実力を付けた最弱と言う点でハッキリ違うわけだが。

「どうも悩んでいるみたいですね」

「あいにく、こうしたクラスを扱うのは初めてで。前は最強クラスたる1組でしたし」

 だからこそここの学園長は、負担の少ないクラスを若い小牧に任せたのであろう。そしてある程度環境に慣れた状況で、今後の成長を期待して負担の大きなクラスを任せた。と言ったところか。

「相談に乗りますよ。土佐野専教員の先輩さん」

「広川さんは意地悪いですね。ですが、お願いします。4組指導の先輩さん」



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