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プロローグ
眩しい。
痛い。
苦しい。
動かない。
何が起きた。
わからない。
痛い。
触るな。
お前は誰だ。
怖い。
やめろ。
やめてくれ。
触るな。
どこへ連れていく。
やめろ。
怖い。
苦しい。
触るな。
触るな。
触るな。
それが、中谷友樹の、再び目覚める前の最後の記憶だった。
そして彼は、自分の不運を心から呪う。
いつもと変わらぬ平凡な一日が何事もなく過ぎていくただそれだけの「当たり前」を、心から望む。
悔い改めるには少し遅かった、ただそれだけの話だ。