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クトゥルフ系

局地的に成長する若葉

作者: 蛇月夜

すごく短いです。

夕日に照らされた町を進む茜色の電車があった。


車内は人だったもので溢れかえり、その中でただ一人だけ寝息を立てる少女が生きていた。


床は血で赤く染まり、歩くたびにニチャニチャと気持ちの悪い音を立てる。


座席には苦悶の顔を浮かべ、断末魔の叫びをあげた口のままに死に絶えた人が座っている。


運転手とて例外ではなく、いつもの体勢で何事もなかったかのように死んでいる。


少女、イリスがこの電車に乗り込んだのは全くの偶然であった。


数ヶ月前に吸収した人間の知識から電車の乗り方を学んだイリスは無人駅から乗り込み、満員になったところを見計らい、触手を解放し人間を食べていった。


運転手が死んだことにより電車は制御されず、みるみる加速しているのだが、イリスはそんなことなど露知らずに、すやすやと安らかに眠り続けていた。


終点まで数十分となり鉄橋の上を通過しているとき、グングン加速していく電車のガラスの一つが粉砕され、一つの小さな影が線路の下の川へと飛び降りた。


その二十三分一八秒後。


限界まで加速した電車は終点の駅へ突っ込んだ。





「本日午後六時四十五分。K鉄N線の急行がN駅のホームに突っ込む事故が発生しました。


 この事故により電車の乗客と駅のホームに居た約百名を含むおよそ百二十名が死亡し、約八十名が重軽傷を負いました。


 A県警の調べによりますと、電車には止めようとした痕跡はなく、遺体の損傷も激しかったため、運転手を含む乗客は何者かによって殺害されたあとだったのではないかとの見方を強め、事故ではなく事件として捜査を進めるとのことです」

実はこれ、先日見た夢を再構築して書きました。


夢では、血ではなく吐瀉物が床に広がっていて、人を殺したのはイリスではなく屍食鬼でした。


……HELLSINGを読んだ影響かな?

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