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ACT-9 ~方舟?遊覧船~

・・・三度目の正直。

なんでか次話投稿、にやってもエラー続き・・・

さて、今回はできるかな?

今回はメモにて約30Kとなっております


いまだにまだ山脈からでてません・・・


「……は?ねえ、おもいっきり馬鹿としかいいようがないんだけど……

  そもそも私、本末転倒って言葉、昔から散々つかってたとおもうんだけど……」

頭をかかえる。

とはまさにこのことなのかもしれない。

とりあえず、事情が詳しいであろうクレマティスより彼らが幽閉された経緯などを問いただした。

聞けばきっかけはとても些細なこと。

とある出来事により人質を取られ、

彼らが躊躇し身動きが取れなくなった所でさらに人質がどんどん加速的に増やされていった。

つまり結果的にいうならば、人質達の命を盾にして精霊王達を脅したらしい。

というか、本気で人質になった存在達を助けたいのならば、

その気になって力を使えば自分達のみの力で人質達を解放する…

すなわち、助けだすことなどたやすかったであろうに。

…どうやら話しを聞く限り、そんな方法をまったく考えていなかったらしく、

いわれるがままにその言葉に従ってしまったらしい。

「それに関しては我らも十分に理解してはいますが……

  しかし彼らは基本的に生命体が好きですし。

  そもそも彼らは生命の営みを身守り続ける義務がありますし」

命を慈しむように本質そのものが創られている。

それは絶対的な掟であり理。

彼らにとっての存在意義。

「というか。問題があるようならば、自然界の力をつかって生命体に対し、

  きちんとしたそれなりの対処を。というのもあったはずなんだけど?」

彼らがその気になればこざかしい小細工をする人間などどうとでもなる存在。

そのように設定し、また生みだしているはずである。

にもかかわらずに、

さくっと愚かともいえる罠にはまってしまったその心が情けない、といえば情けない。

それでなくてもかつての出来事ですこしは人を疑うこと、を学んでいる、とおもったのに。

…どうやらいまだに底抜けに疑うことをしない性格は一部のものはなおっていないらしい。

「疑心暗鬼になりすぎるな、とはいわないけど。

  …まあ、それでこざかしい小細工をした人間達が

  追い詰められようがどうしようが関係ないといえばないけど。

  このたびはそんな小細工をした存在より他にも影響がではじめてるからねぇ。

  なんで同じような歴史を繰り返そうとするかな?あの一族の血筋は。

  …さくっともう、手加減せずに消し去ったほうがいいのかな?」

何やらとてつもなく物騒なことをいっているような気がするのはおそらく気のせいではないであろう。

「…い、いや、ティンク様、さすがにそれは……」

その気になれば

さくっと【創りなおせる】ことができるのがわかっているがゆえに言葉につまるクレマティス。

そんな二人の会話の内容は、フェナスもレニエルも話しの半分も理解できない。

そもそも、二人がつかっている言葉はフェナス達も聞きなれない言葉。

それでもかろうじて多少とはいえ聞き取れることができるのは、彼らの種族の特徴といえば特徴。

元々、彼らの種族は【言葉】で会話するのではなく【心】で会話をしていた種族。

今のように人型をとれるように進化したのちは

心の会話ではなく言葉による意思疎通が主流とはなっているが。

「破滅と再生を司る存在。を何か考えてみるかな~」

「……というか、創る気満々のような気がするのは気のせいですか?」

ぽそっとつぶやいたティンの表情は冗談をいっているようではない。

とはいえクレマティスとてティンのことをよく知っているというわけではない。

ただ、クレマティス達を始めとした主要たる存在達は、

彼女に【創りだされた】経緯より絶対に彼女には逆らえない。

また、逆らう気にもならないのは、彼女の存在の意味を彼らなりに理解しているがゆえ。

「私がいつも手をだせる、というわけではないのよ。そもそも私だって暇じゃないんだし」


ここでの異変に気づいて、それで時間をさかのぼってきてみても、

異変からかるく年月は経過している。

できうれば、何か不測の事態がおこればそこそこで対処してほしい、

とおもうティンの気持ちはおそらく間違ってはいない。

それでなくても、ここはあるいみ実験的に創りだしてみた箇所といっても過言でない。

いつもは要望にあわせて創り上げた場所の管理にとおわれている。

もっとも、他の存在達からしてみればそんな彼女の事情を知るよしもない。

できれうれば、その場のことはその場の判断にて処置を施してほしい。

そう願い、これらをうみだした。


「それは十分に理解しております。と、そろそろ到着するようですね」

話しをしつつ歩くことしばし。

いつのまにかどうやら目的の場所にとたどり着いたらしい。

ごうごうとした水音が先刻よりもはっきりと響いており、水音で全ての音がかき消される。

ティンとクレマティスの会話に割って入ることなく、

ただただ黙ってついてきていたフェナスとレニエル。

何しろ相手が相手。

彼らにとって聖獣とは信仰する神につかえし聖なる獣。

そんな大それた存在と行動を共にしているだけでも畏れ多いのに、会話をするなどもってのほか。

だからこそ、親しげに話しているティンがいったい【誰】なのか余計に気になってしまう。

少しばかり高い位置から水があふれ落ち、ちょっとした滝のような場所となっている開けた場所。

強いて例えるとするならば地下にある滝壺、といったところであろう。

さすがに水の勢いゆえであろう。

水が流れている付近に水晶の原石が壁より飛び出している場所は垣間見えない。

普通の川などにおいては川の底には大小様々な石などが存在している。

しかし、この地下に流れている川はどうやら普通の川と少しばかり勝手が少々異なっている。

たしかに、普通の石らしきものも垣間見えはするものの、

そのほとんどの石がきらきらと光に反射しているのがみてとれる。

この川底にひしめきあっているのは普通の石にあらず。

全ては様々な水晶の欠片、というべき品々。

中には水晶だけでなく様々な鉱物といった原石などが水の力によって磨かれ、

鉱石そのものの輝きを発揮しているものも多々とある。

さすがに水の中にまでは光りゴケは群生していないらしいが、それでも、

川となり流れている両脇の【壁】にはびっちりと、光りゴケがきちんと群生しており、

その光によってさらなる幻想的な光景を周囲にもたらしている。

ここより、ざっとみたかぎり、

洞窟の道らしき場所は緩やかな斜面から急激な斜面にと切り替わっている。

それでも普通に歩けない、という斜面ではないにしろ、すこしばかりどうしても早歩き、

もしくは走りだしてしまうほどの急斜面。

さすがに垂直、とまではいかないものの、それにちかい急斜面らしき道が続いているのが見て取れる。

滝壺ともいうべきその開けた場所にはどうやら川のほうに降りる道らしきものがあり、

水面にいくつか浮かぶ足場でもある水晶石を渡りつつ、ごうごうと流れ落ちる滝の麓にとたどりつく。

対岸には狭く切り立った細い道らしき場とその背後には水晶の森、ともいえる光景が広がっている。

「召喚:『箱舟ノア』【Select1(セレクトワン)】」

ほとんど滝の真下に位置している水晶の足場。

そこはちよっとした広い足場となっており、

少々の人数がそこにたっても有り余るほどの広さを有している。

この川幅がかなり広い、というのを物語っている証拠といえば証拠ともいえる。

数メートルはあろうか、という横に連なるちょっとした流れ落ちる滝のカーテン。

その流れがティンの言葉とほぼ同時。

ザ・・・ザザザ……

ゆっくりと左右に分かれ始め、やがて完全にまるで二枚組のカーテンを開いたときのごとく、

奇麗に滝のカーテンは左右にハゼ割れる。

滝のカーテンの背後にみえるのは、薄明かりに照らし出されたぽっかりと開いている空間。

そこからゆっくりと滝のカーテンに守られているかのごとくに姿を現す【何か】の姿。

ゆっくりとでてきたそれは、薄紫と薄桃色に彩られており、その先端部分は多少彎曲し、

なめらかなる曲線を描きだしている。

強いて表現するならば、その姿は夜空に浮かぶ、三日月のごとく。

その中央部分に生えているよえにみえるそれらは、

遠くからみれば巨大なハープとしか言いようがない。

それは銀色に輝いており、不思議な音ともいえない旋律を自然に鳴り響かせている。

水音とその音色が重なり合い、それに光が追従しさらに幻想的な光景をより強めていたりする。

一瞬、何が出てきたのかと思わず唖然とするものの、しかしその姿には覚えがある。

というかよく聞かされていた伝説上の乗り物の姿によく酷似しているのに気付き、

「…箱舟?…まさか…そんな……」

茫然と一人つぶやいているフェナスに対し、

「あの?これ…もしかして、伝説の神々の乗り物、ともいわれている箱舟…なんじゃぁ……」

どこか恐縮しつつも、問いかけてきているレニエル。

そんなレニエルに対し、

「そういえば、いつのまにか神々の乗り物、と認識されてたっけ。別にそうではないんだけど」

さらっと何でもないように言い放つティン。

実際、この乗り物は神々のために創りだしたわけでなく、だた移動に便利というのと、

あとゆっくりと遊覧するために遊び心を兼ねて創りだしてみたのだが。

いつのまにやら噂に尾びれがつき、そのような神話になっていたりする。

別に勘違いされていても問題はない、というので精霊王達もそのままほうっておいていたここ数千年。

結果、その噂はあるいみ神話の真実としてこの世界に定着していたりする。

「まあ、この【Select1(セレクトワン)】の乗り物は基本、水上を移動するためのものだし。

  さて、と。じゃ、クレマティス。あとはよろしくね。私たちはあっちにひとまずいってくるから。

  どうせあなたのことだから、

  【水晶宮クリスタルパレス】をほうっていたりするんでしょ?ここしばらく」


神獣たる竜族の聖地であり、神殿。

それはこのアロハド山脈のより一番高い位置にとある山脈の頂上に存在する聖なる地。

この【惑星上】において地上から繋がる位置において一番高い場所に位置する場所。

そこより、【天空殿セレス】にと虹雲の道が伸びている。

【セレス】とはこの世界そのものの、というよりも惑星の名であり、

また天空の神殿は文字通り、惑星そのものの名をもっている。

【タイン】、とはすなわち、見守るもの、という意味を指し示す。

ゆえに世界を見守る存在の名が【セレスタイン】という名にて落ち着いた。

その結果、【世界神セレスタイン】、という名がこれより発生したのではあるが……

しかし、世界神の名が【セレスタイン】、と信じている存在達はその事実を知はずもなく。

そういう名の神が存在している、と信じてやまないのも事実。

ちなみに、太陽等を含んだ全ての星々を含んだ銀河がある世界、その一つのまとまり。

その【世界】を【ティンクセレクタ】と呼ぶ。

一般的には、太陽やほしぼし等を含んだ全ての世界の総称、ともいえるその言葉。

その名をしっているものもごくわずか。


「…うっ」

図星を差され、しばしその場にて硬直してしまうクレマティス。

さすがにごまかしは一切合財通用しない。

わかってはいるものの、きっぱらりといわれればおもわず硬直してしまうのは仕方がない。

「まあその事情については大体察しがつくから追求はしないけど。

  とりあえず役目はきちんと果たしておいてね。さて、と。フェナスさん、レニー。

  とりあえず【コレ】でこの洞窟を抜けますけど、何か質問がありますか?」

突如として話題を振られ、その場にておもわず固まるフェナス達。

何しろ目の前に伝説、ともいえる形状の船が存在しているのである。

これだけでも唖然とする理由は十分なのに、

何かいま、この目の前の少女はこの【聖船】にのって移動する。

みたいな言い回しをしなかったか?

いくら何でも気のせいだろう。

否、そう思いたい。

心より切実に。

「…あ、あの?どういう…?」

伝説級の聖なる神々の乗り物。

きょうび小さな子供とて、この乗り物の姿形は絵物語などでしっている。

また、これらの姿は様々な場所に象徴としても描かれている。

レニエルが育った船上にとてその絵姿を描いた絵画がまつられていたほど。

だからこそ恐る恐る問いかけるレニエルの気持ちは、

おそらく誰しも同じような状況になれば同じ思いを抱くであろう。

「歩いていけばそれなりに時間がかかりますけど。かるく一日以上はかかります。

  ですけどこれを使えば一日もたたずにこの洞窟を抜けることができますし。

  もともと、ここのコレはこの洞窟の遊覧のために創っ…もとい、あるんですし」

実際、この場のこの船はこの洞窟を遊覧するためにあえて創ってみた品。

ゆえにティンの説明は間違っていない。

もっとも、他者に説明するのにそれを説明するわけにはいかないのであわてて言い直す。

さらっといいきるティンとは対照的に、

何か、今、『つくった』とかいいかけませんでした!?

もしも、こちらの予測通りならば、目の前の少女は魔術師などではなく、

世界神の関係者、という可能性も。

その場にてどう反応していいのかわからずに戸惑いを隠しきれないフェナスとレニエル。

二人の脳裏に浮かぶはほぼ同じこと。

どうやら二人して同じような突っ込みを心の中でしていたらしい。

そんな二人の動揺をさくっと無視し、

「まあ、とりあえず。するべきことを先に済ましたほうが楽ですし。

  時間をかけていくより、このほうがはるかに速いですしね。というわけで。

  さ、それじゃ、いきましょうか。【封式解除、スティラ】」

何が、と、いうわけ、なのかはわからない。

フェナスとレニエルの返事を聞くよりも先に、自己完結したらしく、にこやかにほほ笑みつつ、

何やらすっと左手を掲げて船のほうにむけて言い放つティン。

刹那。

ぱうっ。

手を掲げたティンの腕につけられている色とりどりの色彩をもった石によってできたブレスレット。

そのブレスレットがほのかに淡く光り輝く。

光は淡く虹色の線を紡ぎ、目の前の船の一角にとむかってゆく。

虹色の光が船に突き当たるのとほぼ同時。

シュ…フィィッン…

ごうごうといまだに流れ落ちる滝の音が周囲からしているのにも関わらず、

薄い、それでいて何か優しく響き渡るような音が周囲に満ちあふれる。

虹色の光はその音と共鳴するかのようにゆっくりと光をましてゆき、

光の線はやがてゆっくりとその姿をかえてゆく。

ただの光の線、であったはずのそれらは段差ができはじめ、

驚愕しているフェナスとレニエルの目前においてやがて目の前に光の階段が出現する。

目の前で起こっている現象が信じられない。

光の階段、など、それこそ本当に神話にでもでてくるお伽噺の中でしかありえないもの。

しかし目の前にあるのはどうみても、そのお伽噺にでてくる光の階段、そのものにしかみえない。

目の前でおこっている現象があまりにも信じがたくその場にてただただ硬直するしかないフェナス達。

そんな二人に対し、

「さ、いきましょ。…って、フェナスさんもレニーも何、固まってるの?」

まだ【転送】でないぶん、だたの階段なのだから驚く部分はどこにもないであろうに。

ティンの基準とフェナス達の認識の基準。

その差は大きく果てしない。

もっとも、ティンからしてみれば

森の民であり、輝ける王であるレニエルにはこれくらいの知識を教えているであろう。

そう判断しての問いかけなのだが。

しかし、レニエルは実質、いまだに【王】としての教育をまったくもって受けていない。

いまだ覚醒していない彼はそれゆえにフェナス達一族が彼に教えた知識しか持ち合わせていない。

覚醒すれば数多の知識がレニエルのものになるのだが、今はまだその時期ではない。

そんなティンの言葉にはっと我にと戻り、

「というか、なんなんですか!?ティンさん!?あなたはっ!!」

今までずっと心の中でおもっていた疑問。

それらがいっきに噴き出る形で思わず叫ぶフェナス。

そけはそうであろう。

水の精霊は敬意を示すわ、聖獣である彼らにとっては神の使いといっても等しい神獣。

その神獣ですらティンにはどうみても敬意を示している。

さらにいえば神々の乗り物、として伝承されている、

いたるところに伝えられている絵そのものといって過言でない【箱舟】。

その特徴的な姿を見間違えるはずもない。

だからこそ叫ばずにはいられない。

「?私は私。ティン・セレス、ですよ。名乗りましたよね?それより早くのってくださいね。

  でないと船をだせませんから」

まったくもって説明になっていないティンの返答。

たしかに名前はきいている。

しかしその名前だけではその問いかけの返事になっていない。

しかしそう思うのはフェナスとレニエルのみ。

ティン・セレスという名の意味を完全に理解していれば、

ティンが正確なことをいっている。

とすぐに理解したであろう。


【ティン】、それは【創りし存在】、もしくは【創造せし存在】といった意味を指し示す。

つまり、【ティン・セレス】という名に隠された本来の意味。

それは【世界をつくりし存在】という意味に他ならない。


ゆえにティンは嘘はいっていない。

その名をもって真実を述べているのだから……


「クレマティス。この内部に生息している魔獣達の始末はあなたにまかせるからね」

ざっと検索してみたところ、どうやらこの洞窟内部にもかなり魔獣が発生しているらしい。

それらは全て、反対側。

すなわち、エレスタド王国領土より侵入してきているらしい。

つまり、裏をかえせば王国領土内はそれほどまでに魔獣があふれているということなのだろう。

なぜかティンからしてみればいまだに動かないフェナスとレニエルを不思議におもいつつ、

今出現させた光の階段にと足をかけつつその場にいるクレマティスにとひとまず言付けるティン。

「かしこまりました。あなた様にこういうのは無意味とはおもいますが、お気をつけて」

ティンの言葉をうけ、その場にてうやうやしくお辞儀をし、

光の階段に足をかけるティンにと語りかけるクレマティス。

そんな彼の行動もまた、フェナス達の混乱ぶりを余計に加速させる結果になっていたりするのだが。

神の使い、ともいわれている神獣にすら頭をさげられる【ティン・セレス】。

どう考えても絶対に普通の魔術師などではありえない。

しかし、ティンが魔術師、といったことは一度たりとてない。

それは勝手にフェナス達が勘違いしてそうだ、と思い込んでいるだけのこと。

そもそも、ティンは一度も、自分が魔術師だとも、魔道士だともいっていない。

たしかに聞かれたときにそれにたいしての問いかけは【否】と答えている。

似たような存在ではあるけど、少し違う。

初対面のとき、たしかにフェナス達にはそのようにティンは説明している。

ティンが光の階段に足をかけてゆくと同時、

~♪

周囲に響き渡る澄み切った音色。

それはこの周囲に満ちている水音よりもはるかにすみきり辺りに響き渡る。

光の階段を一歩踏みしめるごとに様々な音色を醸し出す。

やがて、完全に階段をのぼりきり、

「二人とも、のぼってきてくださいね?動かないのならこっちから風でむりにでものせますよ?」

にこやかにさらっと見下ろす形でフェナスとレニエルに対して話しかけるティン。

そんなティンの台詞をきき、横にていまだに固まっている二人に対し、

「…あ、あの?ティンク様との御関係はよくわかりせんけど……

  とりあえず、素直に従っておいたほうがいいですよ?

  あの方はやる、といったら本当にやりますっ!」

最後の言葉にかなり力をこめてきっぱりといいきり、

「…あ、あと、どうもあなた方の反応をみるかぎり、

  あの御方がどなたなのかわかっておられないようですが。

  …まあ、何です。何をみてもティンク様だから、で済ましておいたほうが無難です」

彼らの反応をみるかぎり、絶対に正体を話していないのは明らか。

まあ、話していたら話していたで大騒ぎ、もしくは恐縮しまくるのがめにみえているからだろうか。

しかし、無知なるものが彼女の力を目の当たりにしたときどのような行動にでるかわからない。

心のどこかで多少なりとも覚悟がなければ心を壊す結果にもつながりかねない。

それゆえに彼らを思いやっての精いっぱいの忠告を紡ぐクレマティス。

「あ…あの?それはいったい……」

戸惑うフェナスが問いかけるよりも先に、

「…仕方ありませんね~。じゃ、こっちからいきますよ~?【舞風ディ・ウィン】!」

パチン♪

軽く右手の親指と人差し指を鳴らしたその刹那。

「「…って、んきゃぁぁぁっ!?」」

突如としてフェナスとレニエルの周囲に風が纏い、

それらはまたたくまにちょっとした竜巻にと変化する。

そのままその風の竜巻に巻かれて浮き上がるそんな二人をみつつ、

「…ですからいったのに……」

どこか悟りきった表情でぽそっとつぶやくクレマティス。

二人は竜巻に巻き込まれる形でふわり、と浮かびあがり、そのまま風とともに船の上にと運ばれる。

二人がそのままぽてっと風に呑みこまれる形で甲板に落ちて…否、乗り込んできたのを確認し、

「さて。と。あとはこの二人を【艦橋ブリッジ】のほうに移動させて…と」

この箱舟の【艦橋ブリッジ】はこの甲板の中心、

さらにいえばハープの弦のように視えているその中心に位置している。

遠目からみれば、弦楽器であるハープそのものをささえる柱というか土台のようにも見えなくはない。

実際、弦のようにみえるそれからは常に様々な音色がでており、

弦楽器、という表現もあるいみ間違ってはいない。

そのまま二人が目をまわしていることには気にもとめず、

ふわふわと二人をそのまま浮かび上がらせ、そちらのほうにまで移動させるティン。

ティンもまたそんな彼らを引っ張るようにふわっと浮かびあがりその位置にまで飛び上がる。

そこは周囲を見渡せるちょっとした空間を設けた見張り台のようになっており、

中心に小さな台座のようなものがみてとれる。

その台座に手をかざすとほぼ同時。

キィィッン…

済んだ音とともに、何もなかったはずの床からいくつかの椅子と机。

そしてまた台座を中心として別の台座が浮かび上がり、

その中心にはちょっとした大きめの水晶玉が出現する。

片手でもちきれないが両手では持てる、それくらいの大きさの水晶。

「よし。舵も万全…っと。あれ?なんで二人とも気絶してるのかしら?…ま、いっか」

ふとみれば、

ここに浮かび上がらせたフェナスもレニエルもなぜか目を回して気絶しているのが見て取れる。

まあ、面倒だし。

そう思い、そちらに近づくことなく、かるくふたたぴパチン、と指を鳴らすティン。

それと同時。

二人の体は水の膜のようなものに包まれ、そのままふわふわと浮かびあがり、

先ほど出現した椅子の上にと移動してゆく。

その間、常にティンの腕につけられているブレスレットが淡い光を放っていたりするのだが。

この場にいるのはティンのみであるがゆえにその事実に気付いたものは誰もいない。

そもそも、フェナスもレニエルも気絶しているのでそのことには気づかない。

そのまま二人を椅子の上に安全装置をかねて水のベルトにて固定した後、

「さてと。じゃ、後はまかせたからね。クレマティス」

「は!」

ひらひらと手をふるそんなティンに対し、いつのまにか浮かんでいたらしく、

そんなティンの真横にあたる空中に浮かんでいるクレマティスが方手を旨につけて敬礼する。

「じゃ、いってみますか!出発進行~♪」

いまだに二人が目覚めないものの、いいつつ、台座の上にある水晶にかるく手をかざすティン。

刹那。

水晶が淡く輝きを増し、その輝きは船全体にと及んでいき、

ふわり。

とかるく船全体が浮かび上がったとおもうとほぼ同時。

やがて船体そのものがゆっくりと浮かんでいる川もどきの上をすべりだす。

この水晶そのものがこの船全体を管理している装置であり、

ゆえに船の舵などこれ一つで操作が可能。

この構造はどの箱舟にも共通している。


静かに進んでゆく遊覧箱舟の姿を見送りつつ、

「さて…我もまた忙しくなるな……」

そもそも、ティンクこと創造神が降臨するなど数百年ぶり、といって過言でない。

以前は声だけではあったが、実際にこの地におりたったのは数千年ぶりのような気がする。

あまりに永き年月をいきているがゆえにそれがいつのころだったのかよく覚えてはいない。

しかし、彼女が降臨してきている、というのは紛れもない事実。

「…さて、他のものにもこの旨を連絡しておかないと…な」

彼女が行動することにより、様々なことが起こりうるであろう。

しかし、彼女のことを知らない下級の存在も多々といる。

それで何かしらのことで彼女の不快をかうわけにはいかない。

少なくとも、何があっても対処できるように構えておく必要性はあるであろう。

そうつぶやきつつも、その姿は瞬く間に光につつまれ、

やがて光の粒子ともいえる形式をとり、そのままその形も人のそれから竜のそれにと変化し、

光の竜、となったクレマティスの姿は洞窟の天井にむかって昇りだす。

物質形態をとっていないクレマティスのその姿はやがて壁にと吸い込まれ、

後にのこるは光の残像、のみ。


ジェットコースター♪

ふとそんな言葉が脳裏をよぎる。

「…ま、これ某テーマパークのアトラクションを元にしたし……」

脳裏を横切ったとある言葉を反復しつつ、ぽそっとつぶやくティン。

おそらくこの場にいる誰もティンの言葉の意味を理解できないであろう。

「って、何何!?何これぇぇ!?」

「って、えええええ!?」

突如として体に感じる冷たい風。

それとともに飛び散ってくる冷たい水滴。

ふと気がつくと体の自由があまりきかない。

ゆえにおもわず混乱し叫ぶフェナスとレニエル。

「あ、二人とも、きづきました?とりあえず問題ないようならベルトを取り外しますけど。

  こことりあえず甲板よりは高い位置にありますから気をつけてくださいね。

  まあ、目の前のハープに登ったりしてみてもいいですけど」

そんな二人の背後よりのんびりと話しかけているティン。

ちょうど船は急降下、といっても過言でない川の流れを下っており、

あるいみ絶叫マシン、といっても過言でないスピードをかもしだしている。

そんな中、のんびりと説明するティンの言葉は当然、二人の耳に聞こえるはずなく…

「んきゃぁぁぁ!?」

「ええええええええええ!?」

何が何だかわからない。

わかるのは体に感じる突き刺すような風と、両脇、そして前方より降りかかる水。

さらには目前に差し迫る天上部分より突起しているのであろう。

金色にみえる突起したまるでつららのような何かや、水晶の原石らしき突起物。

それらが目前に差し迫ってくる光景。

…いきなり目がさめて、そんな状況になっていれば誰しも驚きのほうが先にくる。

これですぐさま自分の置かれている状況を理解できたほうがすごいといえよう。

よくよく注意してみてみれば、自分達は先ほど出現した【箱舟】にのっており、

さらにはその船は洞窟内部を流れていたあの川を進んでいる。

というのがわかるであろうが。

さすがにこの状況で二人の思考はそこまで働かない。

「もうしばらく急降下は続きますからね~」

そんな二人とは対照的にのんびりとそんなことをいいつつ、

水晶にと手をあて、上手に船を操っているティン。

この川は常に舵をとっていなければまちがいなく対岸にと船がつきあたる。

まあこの船全体が光の粒子によるシールドに覆われているので壊れることは絶対ないが、

それでも衝撃はつたわってくる。

川もまたいくつもの奔流に別れており、目的の場所に向かう流れを確実に捉え、

上手に船尾を操るティン。

「「わきゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」


…しばし、フェナスとレニエルによる絶叫ともいえる悲鳴が洞窟内部に響き渡ってゆく……




帆の変わりともいえるものがこの船にとってはハープにあたる。

巨大な三つのハープは動くたびに奇麗な音色を奏で、その音色は洞窟内に静かに響き渡る。

大、中、小の大きさをもつ帆変わりのハープはそれぞれに繰り出す音程が異なり、

動くたびにちょっとした音楽が鳴り響く。

「…う…うわ~……」

しばし放心状態であったレニエルがようやく船の揺れが安定したのをうけて、

息を整えつつふと周囲を見渡し思わず感嘆した声をあげる。

きらきらと色とりどり、ともいえる水晶の原石が天上、そして地面より突起しており、

さらには様々な形をした鍾乳石がところせまし、とそれらと重なるようにみてとれる。

さらにこのあたり一帯の洞窟全体において光りゴケが常に光輝いており、

その輝きが淡く光を放ち、水晶と鍾乳石。

それらが呼応するかのごとくに洞窟全体が柔らかな幻想的な空間に包まれている。

その光景をみて思わず声をあげ先ほどまで座っていた椅子から腰をあげるレニエルに対し、

「こ…これは……」

フェナスもまたゆっくりと口を唖然、とあけつつも椅子から立ち上がる。

彼らの体を固定していた水のベルトは彼らが立ち上がると同時に解除され、

そのまま椅子の中に吸い込まれるようにと消えてゆく。

先ほどまでの揺れは今は感じない。

むしろゆったりした流れに沿い進んでいるのがわかる。

よくよく目をこらせば船が進んでいる洞窟内の地下水脈であるこの場以外。

すなわち、様々な水晶や鍾乳石が垣間見えているその場に黒い何かがうごめいているのが見て取れる。

それらは王国側より入り込んできている魔獣なれど、この場に彼らが主食とするものはまずおらず、

ゆえにそれらはこのあたりに数多と生えている水晶をがりがりと削っては喰らっているのがみてとれる。

しかし、船から発せられる音楽が鳴り響くとともに、ぴくり、とそれらの体が反応し、

まるで何かにおびえるかのごとくに川の傍より離れてゆく。

「あ、あの?ティンさん?これは……」

ようやくここにきてはっと我にと戻り、

水晶らしきものに手をおいているティンに気づきといかけるフェナス。

いきなり竜巻のように呑みこまれ、船に乗せられたかとおもうと、

さらには滝のような急斜面を下っていった。

それはどうにか覚えている。

どうやら多少なりとも意識が飛んでいたらしい。

ふと気付けばいつのまにか船は穏やかな進み方をしており、

周囲にみえる光景もはっきりいってこの世のものとはおもえないほどに幻想的なもの。

「あ。ようやく気がつきました?ここはもう、例の洞窟の中、ですよ。

  この地下水脈をたどっていけば山脈の向こう側につきます。

  普通にあっちを通ってもたどり着けますけど、距離が距離ですからね」

いいつつも、洞窟の床らしき方向を視線で指し示すティン。

よくよくみればどうやら地下水脈は今進んでいる場所だけではないらしく、

少し離れた場所にも同じような水脈が流れているのがみてとれる。

今フェナス達がいるのは、船の中でもちょっとした高い位置。

ゆえに、いくら水脈が大地より低い位置にながれている、とはいえ彼女達がいる位置は、

基本、その足場となる地面より高い場所。

つまり、高い位置より洞窟全体を見下ろせる位置にいる、といっても過言でない。

高い、といっても完全に高い、というわけでなく。

天上より伸びているつらら型の鍾乳石などが時折あたりそうになるていど。

建物でいうなれば、ちょうど二階と三階の中間地点より大地を見降ろしている感覚。

アロハド山脈はその高さもさることながらその幅も果てしない。

幾重にも重なった山脈の連なりであることから、いくら地下をぬけるとはいえ距離もまた半端ない。

馬車などといったこの世界の一般的な乗り物で移動するにしても軽く三日以上はかかる。

しかし、こういった洞窟内部においてそういう乗り物は使用できない。

使用するとするならば、小さな翼竜、くらいであろう。

その翼竜も戦闘能力、というものはほぼ皆無であることから、

今この洞窟に入り込んできている水晶を喰らうような魔獣に太刀打ちできる術はない。

空を飛ぶ魔獣もいる。

それでもそういった魔獣がこの船によってこないのは、

船が魔よけの音楽を奏でているからに他ならない。

「…こんな場所があの山脈の下にあったんですね……」

聖なる山。

もしくは死の山、としてあがめ畏れられているアロハド山脈。

その地下にこのような幻想的、ともよべる空間が広がっているなど一体だれが想像したであろうか。

先ほどまでのティンに対する疑念も全て忘れ去ってしまうほどの神秘的な空間。

幻想的でかつ神秘的な空間が今現在、フェナス達の前にと広がっている。

「ゆったりとした流れはあと数十分続きますし。

  それまで景色を堪能してくださいね。私は舵とりなどがありますから」

「その水晶で舵をとっているのですか?」

いわれてふときづく。

ティンが手をおいている水晶は淡い光を放っており、呼応するかのように、

ティンの左腕につけられているブレスレットらしきものもまた淡く光っているのがみてとれる。

「そうですよ。まあ自動操縦にしてもいいんですけど。それだとちょっと心もとないですしね」

一応、自動操縦機能、というものももたせてはいる。

しかし、魔獣などによる破壊活動により地下水脈の川の流れも多少異なっている。

やはりここは確実に舵をとったほうが危険も少ない。

「…水晶の舵……」

それだけでこの【船】が普通と異なる、というのがわかる。

聞きたいことは山とある。

しかし、舵をとっている今のティンにいろいろ質問するわけにはいかないであろう。

先ほどから視界にうつるのは、川の中よりも突起物が多々とでており、

それらを上手にティンがよけて操縦しているのが見て取れる。

「とりあえず、こんな機会はあまりないでしょうから。

  しっかりと景色を楽しんでくださいね」

元々、ここはいずれは観光の目玉にしよう、とおもっている場所でもある。

ゆえに第三者の意見は多ければ多いほどよい。

二人の反応次第によっては多少手を加えることも必要であろう。

そんなことを思いつつも、にこやかにフェナスに対しいいきるティン。

確かにティンの言うとおり。

詮索などはいつでもできる。

今は何よりもこの景色を堪能するより自分達にできることはどう考えてもない。

景色と船の構造。

船の構造を少しばかり視るだけでも自分達の海賊船の性質が向上するかもしれない。

頭上より響いてくる音色はまちがいなく魔よけのそれに違いない。

ここちよい、それでいてかつてはよく聞こえていた『自然界』からの音色。

精霊王達が幽閉されて以後、まったく聞かれなくなっていた音色。

とりあえず、今はただ、この風景を堪能しつつ、

またこの船の構造をより目にやきつけよう。

そう心にきめ、ティンの邪魔にならないようにしばしその場を離れるフェナス。

一方。

「うわ~。すごいっ!」

甲板の端まで出向き、身を乗り出すようにして周囲を見渡しているレニエル。

彼にとって自分が育った船上以外の光景をみるのはこれがほぼ初めて、といっても過言でない

三者三様。

様々思うことは様々なれど、船は静かに地下水脈をゆっくりと進んでゆく――


ドドド……

どれくらいの時間が経過したのか。

ゆっくりとであった船のスピードがだんだん上がってきているのが感じられる。

それと同時に何やら不安がよぎるような大きな水の音すら聞こえてくるのは気のせいか。

「…ねえ。フェナス?この水音…何だとおもう?」

「き、きっと別の水脈の音、ですよ」

レニエルの問いに答えるものの、一瞬フェナスの脳裏に浮かぶのはこの水脈の出口のこと。

まさか、まさかとはおもうが、山脈の最中より湧き出る滝…とはいわないわよね?

山脈の遥か上空から水が流れ落ちてきている、というのはこの世界の存在にとっては常識中の常識。

しかし、この水脈がそこに続いている、とは断じて違う、といいたい。

切実に。

そんな二人の思いを知ってか知らずか、

「あ。そうそう。いい忘れてましたけど。

  この水脈からでるとき、数百メートル上空から滝にのって降りることになりますので♪」

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』


ドドドドドド……


にこやかにさらっというティンの言葉を肯定するかのごとく、どんどん水音が大きくなってくる。

一瞬、ティンの言葉の意味を計りかね、そして。


『ええええええええええええええええええええええええ!?』


…本日、何度目かわからないフェナスとレニエルの叫びが再び響き渡ってゆくのであった……



最近、仕事からもどったら異様に眠い状態がつづいてます・・・

打ち込みはじめても10Kのあたりで眠気にまけ状態・・・

とりあえずあと二日いけば五月にはいってようやくのお休み(一日のみ)です

・・・・お休みの日にいくつか打ち込みできたらいいなぁ・・・

とりあえず、まだまだこちらのお話はつづきます。

というかまだ敵地へ乗り込んでもいませんし(汗

20もしかしたら超えるかも・・・

でもたぶん30まではいかない・・はず(長さ的に

ともあれ、こちらはまったりのんびり更新です

楔さんは・・・あちらもこの10日すぎてからは毎日更新にもどれるように頑張ります・・・

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