第三羽:カニか?
助けてくれー
何が起きたって?カニに追われてんだよ。それはかれこれ遡ること1分前
外の世界に餌と安全な場所を求めて幾星霜(15分ぐらい)歩き続けて疲れてきたと思ったら。見えたのだ、くろぐろとした隠れることのできそうな隙間もある完璧で安全そうなマイハウスを!!喜びによってテンションが上っていた俺は、警戒も何もなしにかけていった。そしたら、岩の後ろからカニが出てきたのだ。
最初は餌にありつけるなんて思ったけど、おかしいのだ明らかに。遠目で見たらたしかに小さく見えたかもしれない、でもいざ近づいてみるとでかい!今の自分の体と同じぐらいのサイズなのだ。今の俺の体はペンギンのヒナだがサイズは人間の膝下ぐらいはある。それと同じサイズのカニとかどんだけでかいんだよ、しかも足が多い。どう考えても多いじっくり見たわけでわないが、確実に10本以上ある。なんなら、ハサミが4本あったことも確認できてる。
やっぱりここは異世界だと言えるだろう。地球にこんな化物存在しないし。
てか、こいつすごい足速い。カニって横移動しかできないんだよな。こいつ器用に増えた足を生かして、縦移動してやがる。
あとカニって鳴かないよな、さっきから「ぎゅあぎゅあ」って鳴いてるんですけど。
キショいとにかくキショい。リアルでこんなやついたら、余裕で気絶するわ。しかし、今現在カニさんと、逃走中してるけど逃げ切れる気配がない。こうなったら、やるしかない。
生き延びるためにも、カニくんには餌になってもらうしか。しかし、カニくんをどうやって倒そう。カニは俺の体と同じか少し小さいくらい、足はそこまで長くないから甲羅に乗ることができれば目を潰すなりすることができれば勝ち目はありそうだ。
意を決した立ち止まり俺は立ち止まりカニに体を向け、奴に立ち向かうことにした。カニもなんとなく戦いの気配を感じたのか、立ち止まっている。カニとの一騎打ち、先手を取られるわけにもいかず先に仕掛けた。
カニより先に動き始めその腕で目に向かって殴打する。しかし、カニも目を狙われていることを理解しているのかハサミで受け止める。俺はカニに受け止められてない方の腕を使って攻撃を仕掛けるが、もう片方のハサミによって防がれてしまう。
俺は両腕をカニによって防がれてしまったが、やつにはもう2本のハサミが残っている。迫りくる2本のハサミを避けるべく、俺は一度腕を離し交代する。攻撃のよってダメージはそれなりに受けているように見えるが、大きなダメージが入ったわけではなく倒せるか怪しかった。
相手の攻撃にそこまでの威力がないことをカニは察してきたのか、今度は俺ではなくカニの方から仕掛けてきた。4本のハサミを使い、2本はそれぞれ右上と右下からもう2本も同様に左側から仕掛けてくる。カニの猛攻に対して必死に避けるが、人間の体から別の生き物の体に変わっただけあってまだ馴染んでいない体では思うように動かない。
一度退こうとするが、カニも戦闘に入った以上そんなことを許すわけもなく。逃げることはできない、このままジリ貧なのは明白。このままではいけないと思い、もう一度攻勢に出ることにする。
さっきとは違い目ではなく、先に無駄に多く生えている足を狙うことにする。ハサミで防ごうとするが1つの足を守ったところで、すぐに狙いを変えられ他の足が狙われてしまう。
カニは必死に防戦する。俺も狙いを変えたりして攻め続けるが攻めきれず、どちらも簡易的な膠着状態陥ってしまう。しかし、そんな状況は唐突に終わりを告げる。
カニがころんだ。カニは背後にあっ石に気づかずに背中の甲羅をぶつけ、バランスを崩し足を上に向けるようにして転倒した。カニの視野は基本的に全面にしかなく背後が疎かになっていたようだ。さっきまでは均衡していた戦況だが、こうなれば待っているのは死のみ。
カニは抵抗を試みるが手足は届かない。ハサミは依然として危険なため先に足を破壊しに回る。ペンギンのヒナの弱々しいかもしれない攻撃は、カニの足を捕らえた。その一閃はカニの足を綺麗に1本折った。
未だに転倒から起き上がることのできないカニはなすすべなく、一閃また一閃と腕を振り上げられ足を折られていく。カニはなんとかしようと、ハサミや足を空中でもがくが如く振り回すが、それもピタリと止んだ。息絶えたことは明白だった。
激しかった戦闘も終わり、俺はなんとか勝つことができた。しかし、本当に危なかったもし背後に石がなければ負けていたのは俺自身だったかもしれない。それにいくら勝ったとはいえ、腕も流石に痛む。少し一息吐こうと思っていたら、唐突に声がした。
『レベルが1上昇しました』




