私を見て、お願い私はここにいるの。
私は中学二年生の春子。
ただいま青春真っ只中なの。
友達も沢山いるし、先週気になる健二君から告白されて、もう超絶ハッピー。幸せ過ぎる。
そんな幸せな学校生活を送っていたんだけど、ある日朝学校行くと、皆泣いてた。
私は何で泣いてるの?と聞いてもスルーされたの。そして健二君が教室に入って来たから「おはよー」って声をかけたら無視するの。もうショックで走って家に帰った。
すると玄関前に二年前に16歳で亡くなった愛犬の茶々丸がちょこんと座ってたの。
そして、私を見るとクゥンクゥンと鳴いてすり寄って来たわ。
私は最初は戸惑ったけど、懐かしくて茶々丸を抱っこして家に入ったの。
そして、一緒に家の中に入るとお父さんとお母さんがまだ居たの。
この時間、お父さんは仕事行ってるはずだし、
お母さんもパートの仕事の時間でいないはずなのに。
私は両親に仕事お休みなの?と話し掛けたけど、お父さんは暗い顔をしてお母さんは泣いてたの。
私がねぇ、としつこく話し掛けても無視するの。
何で皆私を見てくれないの?
何で無視するの?
私はここにいるのに。
そして、両親に気をとられてて気が付かなかったけど、良く見ると部屋の隅に仏壇が置いて合ったの。
そこには私の写真が黒い縁取の額縁に入れられて飾って合ったの。
そして急に私の頭の中に映像がフラッシュバックされた。
朝学校行く時に、いつも通る横断歩道を信号が青になったから渡ろうとしたら、
信号無視のスポーツカーが走って来て、
私は体に物凄い衝撃を受け、景色が暗転して、その後記憶が無くなったのだ。
そっか、私は車の事故で亡くなったんだ。
すると、抱っこしていた茶々丸が私の手を優しく舐めてくれたんだ。
茶々丸は私を迎えに来てくれたんだね。
私は両親に向かって、親不孝をお許し下さいと頭を下げた。
とても短い人生だった。まだまだやりたい事が沢山あったのに。
とても、悲しくてとても悔しくてとてもとても…。何で私が何でって思った。
でも、もう行かなくちゃ。
さようなら、お父さんお母さん、そして私の友達、そして健二君。
私は茶々丸と共に天に登って行った。
短い人生だったな。