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0話 普段と違う行き先

「誰もいない…」

 疲れ切った小さな声、それは脊髄反射的に発した他愛無い一言だった。


=高卒で入った会社はブラック企業で5年目の今でもなお終電帰りは当たり前、時には会社に泊まる事すら有るそんな社畜社会人の男の姿が、寂しくたたずむ駅のホーム=


{珍しい事もあるもんだ、自分と同じ死んだ目をしたサラリーマン達の姿、

飲み歩いてきたのだろう千鳥足の酒とたばこ臭い老若男女、

いつも見るそんな物騒がしさの有るホームの景色が、

今日は切れかけた蛍光灯に集る虫くらしかない何処か変な空気だ。}

 

 心の中でふと思う


=そうこう考えてるうち、時間は過ぎ終電の電車がホームへとやってきた=


≪ピポパポンー≫

「一番線に神奈川方面行きの最終電車が到着します。危険ですので白線の内側に下がってお待ちください」

 

 駅のナレーションが入る


=いつもの癖か急ぐような気持ちで乗った車両には人がおらず他の車両にちらほらといる程度だった=


 席に座るとスッと言葉が小さく漏れた、

「今日は本当に人が少ないなまるで独りぼっちみたいだ。」

 きっと体も心も疲れていたのだろう


 スマホを取り出しぼやく

「今日も3時間寝れればいい方だな…」


「ホント…転職しようかな…」


「こんな生活続けてたらいつか死んじまうよ…」

 今の自分に不満と疑念を小声でつぶやいた


=たわいのないつまらない事を考えていたそんな時だった=


=突然に襲う眠気とはまた違う頭の痛み、瞼の重さ、心拍数の上昇、心から熱くなるような熱を自分の体で感じた=


「う…ぅう、なんだ…!?」

 苦しさをこらえた声


 {おかしい 視界が霞む音が遠くなる 睡魔?違う

 なんだ?これ?力が抜けて 瞼が落ちていく 呼吸が出来ない?

 俺は死ぬ。 生涯童貞で…? いや、だ。 誰か、俺をs…}


=頭が痛いわりに巡る思考は考えるも虚しく誰もいない車両の中で静かに止まった=


        ◇◇◇


=思考が止まり次に目を開けた時そこは、辺りを見回しても白く無くもないただただ広い白の世界だった=


「は?!」

 大きく響き通った声で起き上がった


 焦った口調に小声でブツブツと言う

「ここは、夢?どこだここ?俺は生きてる?なぜ誰もいない?」

 

=まるで、この白の世界の様に真っ白な頭の中には疑問ばかりが連発して浮かんだ=


=幾分かの時が経ち少しの落ち着きを取り戻し自分の状況を俯瞰して考えるようになった、だが声を出してでもいないとおかしくなってしまいそうだった=


 またブツブツと頬を抓りながら喋りだす

「変だ、さっきまで疲れ切っていた体が嘘のように軽く体調も良い、やっぱりここは夢?いや?違うか痛いし…」


「じゃぁなんだ?死後の世界とでもいうのか?そんなバカな事…」

 気色の悪い苦笑いをしながら徐々に小さくなっていく声


=分からないことを考える無駄な時間が終わり答えが分かるのは突然だった=


「あれ?なんで君こんな所に居るの??」

 俺の脳裏に響く不思議そうな中性的な声


 続けて少し悩んだトーンで、

「それに君みたいなの、転生者のリストに居ないんだけど。」

 

「はっ‼だれかいるんですか!?声は聞こえていますか?聞こえるのならどうか教えてください‼」

 その中世的な誰かの声に歓喜のあまり何も考えず腹から出た声


「うるさっ!元気だなこいつ…」

 まるで耳を抑えてそうな呆れた声だ


「うるさい?あ!申し訳ございません。つい歓喜余って…ところであなた様はどちら様でしょうか?」

 少し肩を落とし反省をしながらも疑問をワントーン低い声で問うた


「僕かい?てか、僕しかいないか。ハッハ」

 謎の声はふざけた声で煽りをかましてきた


「名前を聞かれたら名乗るのが神様のルールだからね教えてあげるよ。僕の名前は‘‘福ノ神‘‘のフォール。祝福を与えたり希に転生なんかをさせたりする神様さ!」

 まるで誇らしそうに自分をたたえる声


 相手の言った意味はあまり理解できないが社会人反射的に自己紹介を淡々とし言う

「神様?でしたか。これは大変失礼いたしました、わたくしは株式会社スイレン営業部所属の藤崎(フジサキ) 柊輝(シュウキ)と申します。宜しくお願い致します」

 

「へーそうーなんだー(棒)全然興味ないけど。ありがとねっ、探す手間が省けたよ」

無性に腹の立つ話を聞き流すような声


 {どこにいるんだ姿はないのに声だけは聞こえる。それになんか態度の悪い神様?だな。ここに来たのはこの神様の力なのか?それとも別の理由なのだろうか?}


「そのー、私ってどうなってしまったんでしょうか?やっぱり死んでしまったんですかね?それで私はどうしてここに?」

 下手に出たラフな声で話して少しでも情報を得る為にも質問を続けた


 そんな俺にまるで悪びれる様子もなく淡々と呑気に神は言う

「ん?あーっと、君は死んで転生の準備段階のここ(白の世界)に居るんだと思う、どうしてって言ったけどそれは僕のミス‼必要もないのに早死にさせてなんか連れてきちゃった見たい」


「え?ミスですか?ミスで私は殺されて、この白の世界に連れてこられたんですか?私は、帰れるんですよね…?」

 怒りがこみ上げる物だと思ったが意外にも冷静だ


「さっきから質問ばっかりしつこいなぁ~帰れるわけないじゃん死んでんだよ?考えればわかるよね?」

 関心のない時のようなつぶやく声


「まっ!面倒くさいし長話してるのも時間の無駄だからさぁ~適当に転生させちゃうね?」

 早く終わらせようと少しやる気の出た声



=静かに足元が虹色の魔法陣で輝き少しずつ体が薄れ透明になっていく=



「え?転生?そんな急に言われましてもご説明とか?そういうのってないのでしょうか?何に転生するとか?」

 あまりの無責任さに呆れすら有る焦り交じな疑問の念だった


「最後まで質問ばっかだね?」

 軽蔑するような声はつぶやくように言う


「まぁ時間も少しあるし最後くらいは答えてあげるよ、」

 

 =そう言うと間も明けす神は少し早い口調でへらへらと語りだした=


「何に転生かはまだ決めてないけど…転生者って魔力量めっちゃ多かったりかなりポテンシャル高いの!」


「それってこっちとしてはかなり危険だからぁ~。」


「なんかそうゆうの諸々関係なさそうなのに転生させとくね!」


「普通転生者はここで特別なスキルとか渡すんだけどミスで送る子だし…」


「まぁ?変に世界に干渉されても嫌だからさぁ~、僕は色々考えるのめんどいし要らないよねっ」


「でも転生先に魂が向かう時、君が持つポテンシャルが新しい体に合わせるために能力を少しばかり与えてくれるから辛うじて生きていけるかもねぇ」


「は?へ?」

 さも当然のように話す為か理不尽さを感じるのが遅れ奇妙な裏がえった声だけが出た


「以上‼あとは転生後のお楽しみって事で‼バイバイ柊輝くんっ!」

 仕事を終えた時の様な嬉しそうな声


「どういうことですか~!?!?!?」

 嵐が去った後の様な静けさの白の世界に柊輝の声だけがこだました


=またも、突然。タイミングを謀ったのか疑問を問う前には体は光に包まれ完全に透明になり消えていた=


=そして俺は…普段と違う場所へ‘‘逝き‘‘着く事になるのだった=


読んで頂き有難うございます‼



いや~ムカつく神様ですよね(笑)


主人公くんは考えないらしいのですが私だったら絶対復讐とか考えますね!(笑)



これからも不定期ではありますがコツコツ投稿をしていこうと思いますので

是非ともよろしくお願いします(o*。_。)oペコッ

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