繋がる心
コハクの怪我は予想以上に深かった。
傷の手当てはしたが、ポーションが飲めないほど衰弱している。
店にあるハイポーションをスポイトで少しずつ少しずつコハクの口に送る。
「コハク、上手よ。少しずつ飲んでね」
怪我から熱も上がり苦しそうだ。カレンは冷たいタオルでコハクの頭を冷やす。
二日間、目覚めぬコハクを必死に看病した。
三日目、看病に疲れたカレンはコハクの隣でいつの間にか眠ってしまった
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小さい頃の、夢を見た。
親が五歳の時に亡くなり身寄りのない私は遠縁の薬師の元に引き取られた
師匠はとても厳しくて毎日勉強しないと怒られた
窓の外では同じくらいの年の子達が遊んでるのが見える
(いいな。私も遊びたい)
「カレン、親のいない女の子が真っ当な仕事に就くには勉強するしかないんだよ。私はもう長くない。勉強は必ずあなたを助けてくれる」
それが師匠の口癖だった
勉強自体は嫌いではないし、植物のことを学ぶのは好きだった。
でもやっぱり自由に憧れてしまう。
だから私は自由に振る舞うコハクにどうしようもなく惹かれてしまうのだ。
窓の外では同じくらいの年の子達が遊んでるのが見える
(いいな。私も遊びたい)
「おいお前!抜け出して俺と遊ぼうぜ!鬼ごっこやろうよ」
「勉強があるから遊べないの」
男の子は窓を開けて入ってきた。
「いいから来いよ!」
私の手を取り窓の外の世界へ行く。外の世界はとても広くて涙が出た。
髪の白い男の子と外でいっぱい遊ぶ夢を見た。
それはそれは楽しい夢だった。
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俺はどのくらい寝ていただろう。
見慣れた天井が見える
ふと横を見るとカレンが隣で寝ていた。
悲しい夢を見ているのか涙を流している。
俺はまたむず痒い気持ちになり、そっと涙を舌で掬った。
唇にも触れたくなり、唇を重ねる。
カレンの唇は柔らかく気持ちがいい。
(カレンを食べたい)
そんな衝動に駆られる。
唇を食べるように激しいキスをする。舌を入れてカレンの舌を絡め取る。ちゅぱちゅぱと水音が響いた。
(…おいしい)
服の中に手を入れて直に肌を触る。カレンの肌はすべすべして柔らかくて手が吸い付く。
(あぁ、なんでこんなに気持ちいいんだ?)
気持ちが昂り耳も尻尾も出てしまう。
でもそんな事に構っている余裕はない。手も口も止まらずカレンの肢体を撫で回しながら激しいキスし、腰を擦り付ける。
さすがにカレンの目が開いた。
「………コ、コハク!?なにをしてるの??耳が出てる…」
コハクはトロンとした顔でカレンを見る
「俺…カレンが欲しいんだ」
「え?」
「欲しくて欲しくて堪らない。」
色っぽい琥珀色の目に射抜かれる
「それって…他の女の子と同じようにただ体が欲しいってこと…?」
「全然違う!カレンの心も体も全部が欲しい!
俺のも全部あげるから!!」
「私、コハクが好きなの。コハクも私のこと好きって事?」
「好き……?もしかしてこの気持ちが好きって事なのか!?」
「まさか知らなかったの??」
「そうだったのか!それなら俺はカレンが大好きだ!」
コハクはニカっと無邪気に笑う。
「ねぇ、カレン。」
さっきの笑顔から急に妖艶な顔つきに変わる
「もっと…喰べたい」
貪るようにキスをする
それからコハクに着ていた服を剥ぎ取られ、私は全部喰べられてしまった。