夜を駆ける
俺は夜の街でカレンを探しまわる
「おい、コハク。久しぶり。」
「デューク…」
「この間は嫌な態度取って本当にごめん。薬のせいでおかしくなったたわ。
カレンちゃんに言われてから怖くなって、俺もエミリアも変な薬は辞めたよ。…今日はカレンちゃんと一緒じゃないのか?」
「カレンが消えた。お前何か知らねーか?」
「えっっ!!そうなのか!?悪いけど何も知らねーんだ。俺もちょっと聞き込みしてみるよ」
「助かるぜ」
街のどこにもカレンは居ない。俺は途方に暮れ座り込んだ。
「おいコハク!」
「デューク…何か分かったか?」
「街での噂なんだけどよ、フィッシャー伯爵家ってのにカレンちゃんの店が目をつけられてるらしい。」
「ふぃ?ややこしい名前だな。よし!俺そこにいってみる。」
俺はすぐに走り出す。
「早っ!行っちまったけど…あいつ場所分かるのかよ…」
しばらく走って気づく。
(ふぃ…なんとかの家はどこだ??)
「おい、コハク。何やってるんだ?お前の髪は夜でもすぐ分かるな。」
「細目!!おい!ふぃ…なんとかって家はどこだ??」
「リュートだ。ちょっと落ち着け。何言ってるかさっぱり分からない。」
「…カレンが消えた。ふぃなんとかって家が怪しいらしい」
「カレンが!?お前は一緒にいながら何やってたんだよ!」
「今日は用事があって。俺は居なかった。」
「またフラフラ遊び歩いてたのか??」
「ちげーよ!どうしても、カレンに花をあげたくて…なぁ!教えてくれよ!ふぃの家はどこだ??」
「フィッシャー家な。俺は応援を呼んでくる。お前は家で待ってろ」
「嫌だ!!応援呼んでる間にカレンに何かあったらどうすんだよ!」
「相手は貴族だ。ただ行っても追い返される。用意していかないと助けにも入れない。」
「…なぁ、俺はお尋ね者の白い魔物だ。俺が騒ぎを起こせば助けに入りやすくなるか?」
「な……お前が??」
コハクは耳だけ狼になる
「俺が先に行って騒ぎを起こす。だから場所を教えてくれ!」
「場所はここをまっすぐ行くと左に大きな門が見える。そこがフィッシャー家だ。
いいか、応援が来るまで無茶だけはするな…ってもう居ないし。あの馬鹿」
俺は魔石のネックレスを付けて巨大な白狼に変身する。
(なんだ、何度も行った家じゃねーか。)
軽々と門を飛び越え敷地に入る。
「また出たぞ!白い魔物だ!!」
(カレンの匂いは?何処にいる?)
「騎士団に連絡しろ!応援を呼べ」
(とりあえず中行ってみるか)
しかし無数の矢が降り注ぐ
精一杯避けるが一本刺さった。
(くそっ近寄れねぇ)
魔石に力を込め魔法を撃つ
鋭い岩をいくつも作り屋敷の護衛兵に向けて放つ
怯んだ隙に窓ガラスを破り屋敷へと侵入できた。