コハクの変化
昨夜採ってきた月光花を機械に入れて蒸留していく。
むせかえるほどの花の香りが部屋に充満し、鼻の良いコハクはダウンした。
「しんどいなら外の草取りとポーションの材料の収穫してくれない?」
「お、おう…すまねぇな」
蒸留してできたオイルと精製水、グリセリンを混ぜて煮沸した小瓶に詰めていく。
「こんにちは、カレン。…凄い匂いだね」
「いらっしゃいリュート、今化粧水使ってるの」
「泥棒が入ったって聞いて、大丈夫?」
「大丈夫じゃ無いけど、凹んでてもお金は湧いてこないしね。貧乏暇なしよ。」
「犯人なんだけど、僕もいま調べていて。絶対尻尾を掴んでやるから。」
「ありがとう」
精製が終わり匂いも落ち着いてきた
「カレン、草取り終わったぞ。ポーションの材料も収穫してきた。……て、げっ糸目!何で居るんだよ」
「糸目じゃない、リュートだ。カレンが心配で来たんだ。お前の許可は必要ないだろ」
「なんだとー!てめぇいつもカレンにベタベタしやがって。」
「何か問題でも?お前はただの居候でカレンの彼氏でも何でもないだろ。
それに好き勝手女の子とデートを楽しんでいるお前が言うのは筋違いだ。」
「ぐぬぬぬぬぬ…。俺はもう他の女とは遊ばねぇ!」
「「え??何で???」」
「ん??何で……何でだろ?」
「……はぁ、お前は本能だけで生きてるのか?羨ましいよ。カレンもいい加減に目を覚ましたら?」
「ぶはっ!バカだな糸目。カレンはもう起きてるぞ。」
「お前と話してる事が馬鹿らしくなる。新しく住む家を見つけてやるからな。そしたら居候はやめろ!」
そう言い残しリュートは仕事に戻っていった。
「他の女の子と遊ばないの?結婚相手見つけなくていいの??」
「え…っと。俺もよくわかんねーんだけどよ、なんか最近モヤモヤしてムズムズしてて、女の子と遊ぶのも気持ちわりーし、今は保留中だ」
「??胃もたれかしらね??薬どうぞ」
「おう!ありがとな。」
「私はこれからポーション作るけど、具合悪いなら寝てて」
「いや、手伝う」
「助かるわ。これで明日から営業再開できそうよ」