ハプニング
朝起きるとコハクはカレンのベッドにいた。しかも抱きしめられている
(え??なんで??ちょっと近すぎる…)
褐色の肌が色っぽく、汗とコハクの匂いが混じってクラクラする。
(この状況に興奮している私は変態かもしれない。)
もう少しこのままコハクの腕の中に居たい私は寝たフリを決め込んだ。
もぞもぞとコハクが起きた気配がする。
(…なんか…視線を感じる…)
視線に耐えきれず目を開ける。
「…おはよう。」
「おはよ。あ、あのさ、夜お前が凄いうなされてて。それで俺、怖くなって。」
しどろもどろに言い訳をするコハク。
「そうだったの?ありがとう」
私は頑張って平静を装うが心臓はバクバクだ。
ベッドから出ようとすると手を引っ張られて引き止められる。
コハクに押し倒されたような形になった。
顔が近い。唇と唇が近づいていく。
(あれ…?)
「コハク耳が…」
「え?耳?あれ??なんで…」
コハクの頭から白くてふわふわの耳がぴょこんと飛び出している。
よく見るとズボンのお尻も膨らんでいる
「モコモコしてるのはもしかして尻尾??」
ズボンが脱げふわふわの尻尾が飛び出す
ズボンが脱げた事でコハクのコハクが露わになり
「キャーーー!」
初めて見るソレにカレンは真っ赤になり、思わず叫んで逃げた
「おはようございまーす!大丈夫ですかー!?」
ちょうど来た警備兵の声に現実に戻される。
「だ、だ、大丈夫です!ちょっとお待ちください」
急いで別の部屋で身支度を整えて出た。
「朝早くからすみません!昨日の件なのですが調べにきました。」
「それは、どうもありがとうございます。宜しくお願いします。」
警備兵の調べは午前中いっぱいかかった。
「金品は分かりますが、本や道具を盗まれるのは珍しいですね。同業者の恨みを買ったりした覚えはありますか?」
「…とくに、心当たりは無いですけど。少し前に騎士団に頼まれて卸していたポーションの発注を突然断られていまして。」
「あぁ、知ってます。フィッシャー家が引き継いだんですよね。ここだけの話そこのポーション効きがイマイチで評判悪いんですよ。もしかしてここの作り方が知りたくて犯行に及んだ恐れもありますね。」
「そうなんですね」
「伯爵家が絡むとなると、上に握り潰される可能性が高いです。色々と黒い噂が多いのでこちらも調査をしているのですが、騎士団上層部と繋がってるから検挙するのは正直難しいですね…。」
「分かりました。あまり期待せずにいます」
「申し訳ないね!」
(悔しい…でも嘆いていてもお金は湧いて来ないのよね)
「コハク、倉庫から道具を運ぶの手伝って。今から化粧品を作るわよ」
「おう!」
朝の出来事は有耶無耶になってしまった。
(このままなし崩しになるのが一番良くないわよね。一線を超えるならちゃんと気持ちを確かめないと。
…それにしても、男性のアレ初めて見たけどあんなにグロテスクなの!?アレが入るのよね??え???絶対無理でしょ…)
初心なカレンは足りない知識でぐるぐる考えを巡らせる。