俺の前世はイヌだった?!
ふと思った
ああ、これは夢だ......
レンガ造りの趣のある家が広大な草原に大きな木と共に建っている。近くにはやや大きめの湖畔もあった。
綺麗だ...
そう思った。
夢の中で俺はその広大な草原を走り回っていた。後ろには -10歳くらいだろうか- 男の子がいて、俺のことを追いかけている。黒いモヤがかかっているせいで顔はよくわからないがなんとなく男の子だと思った。華奢な体つきなのに元気いっぱいに俺のを名前を叫びながら追いかけ回している。
「まてー、ネル〜!!」
どうやら"ネル"というのがこの夢の中での俺の名前らしい。
男同士仲良く追いかけっこか、微笑ましいじゃあないか。
それからややあって
男の子が
「ああ〜、やっと捕まえた〜。もう疲れたよ〜」
と言って、俺のことを抱き抱えた。
ん?!?! 抱き抱えられた?!
小学生くらいの華奢な体のあの子が俺を?!
そこで初めて気づいたのだ、彼とは視線の位置が完全に違うことを、
まさかコレって....
俺は自分が何者なのか大体検討がついてしまった。
そして抱き抱えられたと同時に湖に自分の姿が映った
嗚呼やっぱり...
..................なんということでしょう、俺は夢の中で犬になっていたのです。口をあんぐり開け、舌を出し
ハッハッハッと荒い息をしている。
なんとも可愛らしいすがたではありませんか。
って、やかましいわ!!
ちくしょう!夢の中の俺は人間ですらねぇのかよ!!
でもまぁ所詮は夢か、と俺は割り切った...
「はぁ〜。やっぱりネルと遊ぶのは楽しいなあ。
こんな時間がいつまでも続けばいいのにね」
少年のこの言葉は何故かどこか寂しさを感じさせた
「ねえ、ネル僕やっぱり........」
彼がそう言いかけた途端目の前が真っ暗になってしまった。
★
ピピピ、ピピピ、とアラーム音が聞こえる
そのタイミングで目が覚めた。俺は目をぱちぱちとさせた。
あぁ、あれはやっぱり夢だったんだ。それにしても妙にリアリティ -俺はイヌだったけど- があった。
そして、妙な懐かしさも感じた
ツッー
涙が俺の頬を伝ってきた。
「あれ、俺なんで涙なんか出てるんだろ...」
突然のことに俺は困惑する
だが、スマホの時計を見てそんなことなどどうでも良くなってしまう。
8:00
「...........やべえ、遅刻だぁーー」
そう叫ぶ声が家中に響き渡った。
俺は急いで制服に着替え家を出た。
学校に向かって全力で自転車を漕いだ、
とにかく全力で漕ぎまくった。
そしてその甲斐あってか、なんとか学校に着くことができた。 しかし、もうヘトヘトである。しかしも制服も汗でびちょびちょになってしまっていた。
教室へ着くとクラスメイトが声をかけてきた。
「よー!タカヤおっはよー。お前がギリギリなんて珍しいな...ってお前びちょびちょじゃあねぇか、川にでも落ちたのかよ」
と、笑いながら言ってくる。親友のユウキだ
「ちげぇよ!チャリ全力で漕いできたんだよ!
したらこの有様だよ、てか今日暑すぎんだろ!」
はぁー、とため息をつく
「なんだぁタカヤ〜寝坊かよ」
そう言って少し髪の長いハーフアップの女子が俺の肩に腕を回す。ヒナだ。
「ってお前びちょびちょじゃないか言えよ!
私までちょっと濡れたじゃないか!しかも汗かよ
汚ったな!」
そう言って声を荒らげる
「しらねぇよ!お前から肩組んできたんだろ!」
そう言って俺とヒナがギャイギャイ言い合っていると
「おーおーお二人さん今日も夫婦喧嘩ですかー?」
「「断じて違う!!!」」
ユウキがからかってきたので俺とヒナはすぐに否定した。
その時
ガラガラガラと、扉の開く音がした。
「さぁお前ら席つけー!朝のホームルーム始めるぞー」 そう言って担任の先生が入ってきたので俺たちはスッと席についた。
それから少ししてお昼休み
俺はいつもユウキとヒナと一緒に中庭で昼食を食べる。今日も同じ様に3人で昼食を食べた。
「それにしてもタカヤが遅刻しそうになるなんて珍しいな。何かあったの?」ユウキが訪ねてくる
それを聞かれて俺は夢のことを思い出した。
「どーせエロい夢でも見てたんだろ?」
そう言ってヒナがからかってくる
「ちげぇーよ!エロい夢なんて見てないって!!
ただ......変な夢を見たんだ。」
「「変な夢?」」
俺は今朝見た夢を2人に話した
「ぶわぁはっはっはっはー、マジかよお前夢の中でイヌって...なんだよそれ、しかもネルって。」
ヒナが大爆笑する。
するとユウキが
「それって前世の記憶だったりしてね。」
「前世って、マンガの世界じゃあるまいし...そんなことないだろ。」
するとヒナが、俺の肩をポンと叩いて
「タカヤ...もとい...ネル君、現実から目を背けちゃいけないよ、前世がwイヌだからってw気を落としちゃwダメだよ?w」
むちゃくちゃ煽ってくる
「やかましいわ!!」
★
その日の夜、俺はユウキの言葉がどうも引っかかったのだ。
(前世の記憶ねぇ...実際そんなものあったりするんだろうか、ラノベやマンガではそうゆうのよくみるけど現実世界でそんな事はないだろ...もし前世の記憶だったらあの続きも見れたりするんだろうか...もしそうならあの少年が言いかけた言葉もわかるかもしれない。何気に気になってたんだよなぁ...)
とかなんとか考えているうちに俺はいつのまにか眠ってしまっていたのだ。
こんにちは柿の木です。
今回はこの作品を読んでくださりありがとうございます!
自分は小説などこの様なサイトに投稿するのは初めてで変な文だったりがあるかも知れませんが(そもそも小説を書くのが初めてですが笑)、温かい目で見ていただけると幸いです!
うまく書いていけるかはわかりませんが出来るだけ頑張っていきたいと思います