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今回は少し短めです。すみません…!


 「他に三人か…なるほど。それならあれだけの魔力が動いた事も納得できるな。と言うか、ここの王族、貴族の奴らは本当にどうしようもねぇなあ…って。ああ、そういや名乗っていなかったな。俺は、ヴァシルドだ。魔族ってやつな。ここへは俺の仲間が魔力の動きを感知してな。まーた奴らが懲りずに強制召喚でもやらかしたのか? なんて様子を見に来てみたらよ…」


 当たりだった、と言う訳だ。


 「んで。お前達はこの国から出るって話だったが、それが正解だな。“ハズレ”って言われたのなら、このまま残っていても魔物のエサにされちまうだけだろうからな。アイツら隣国である俺らの国もだけどよ、異世界人を何だと思っていやがるんだか、強制召喚しておいて自分達に有利なスキルを持たない異世界人は俺らの国にある“魔呪まじゅの森”っていう、俺ら魔法に秀でた魔族でも丸腰では絶対に近寄らないっていう魔物がうじゃうじゃいる厄介な場所へ捨てて行くんだよ。本当に文字通り、ゴミでも捨てるかのようにポイッとな」


 あー…この国、やりそうだよね。そういうの。


 「で、まあ、昔の事は俺も知らねぇんだけど。俺達の上司である今代の魔王様の奥方様がな、異世界人でな。もし、強制的に召喚されてしまった異世界人が助けを求めているようなら、手助けしてやって欲しいって奥方様が魔王様に頼んでいて、魔王様も問題なさそうな異世界人なら助けてやれって仰っててなー。そんな訳で、暫く他の事に目が向かないように城のあちこちを適当に破壊しまくりつつ、お前達を探していたって訳だ!」


 ついでに仕事を増やしてくれた、あの狸共も、懲らしめてやりたかったんだがな。なんて、ニヤリと笑うヴァシルドさん。


 「そんな訳で。お前達さえ、よかったら魔国まで運んでやるが、どうだ? 魔国が嫌ならそこから、どこへなりとも旅に出ても良いし、魔国に住むなら魔王様と奥方様が、どこか安心して暮らせる場所を紹介してくれる筈だ。ただし、働いて蓄えが出来るようになったら、税を魔国の住人同様に納めてもらう事になるから宜しくな。っつっても、年間の稼ぎの大体一から二割位だから住みやすいと思うぞ」


 話を聞いていると。俺達が強制召喚される前にも、強制召喚されてしまった人はやはり居たらしくて。


 「ああ、そうそう。助け出せた内の何人かは魔国に住んでるし、他の国に居るやつもいるぜ。この国に残ると決めたやつも居るが、アイツは…まあ、関係ない話だな。今回はお前達と他に三人だったな。そっちも俺の仲間が助けてやれてりゃ良いんだが、あまり長居してると狸のヤツらが調子に乗って、それなりに強い魔法使いやら剣士やらを集めて俺達を捕まえようとしてくるからウザいんだよ、ってな訳で。急かして悪いがどうする?」


 そのヴァシルドさんの問い掛けに少しだけ待って貰い、俺達は三人で話し合った。


 そして出した答えは――…


 「ヴァシルドさん、俺達を魔国まで案内して頂けますか?」


 …――とりあえず、行ってみよう。と、なったのだった。


 流れに身を委ねてる感はあるけど、隣国はユーナリーカという、この国と戦争中の国なので、しっかりとした身分も無い俺達は国境を越えられないんじゃないかな? と思うし、戦時中の国に入る勇気もあまり無い。むしろ出来れば避けたい。そして、もう片方の隣国が魔国だと聞いて。


 とりあえず近いところから行ってみようかな? なんて。ちょっと軽い考えも実はあったりした事は、前嶋さん達には秘密だ。

ここまでお読み下さりありがとうございます〜!!

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