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ブクマや評価ありがとうございます…!励みになります!!

 

 はい! 偽装ステータスが表示されましたよ!



 高宮トーゴ(タカミヤ トーゴ)

 18歳 男性 職業:平民


 Lv.1

 HP:20

MP:25


 スキル:【物作り】Lv.1

    【俊敏】Lv.1

    【アイテムボックス】Lv.1


 

 眉を下げて、不安げな表情を作り『どうですか?』と、俺に付いていた使用人さんに声を掛ける。


 ちなみに『ハァ!? この職業ジョブってヤツ…オレ勇者と平民なんだけど! やべー、何コレ! マジでー?!』やら『アタシは黒魔導士。後は平民だって! え〜っ? コレって魔法使いってコト!?』やら『私は…白魔導士と平民。…回復系かしら?』などの声が三ツ橋サイドからは聞こえて来ている。あー。君達チャペイン側での利用価値有りまくりだね。


 こっちは、めっちゃ静かだよ。思わず、笑い出しそうになるのを堪えてるよ。


 「えっ…? 職業が平民…だけ? しかもスキルに戦闘系のものが一つも無い??」


 俺に付いた使用人さんの戸惑いながら呟く声もハッキリと聞き取れるし。


 「ええと…マエシマ様も平民で、スキルに戦闘職に携われるものは、ございませんね…」

 「トウドウ様も…平民のみ。スキルも、割とこちらでも見かけるものしかありません。一体どういう事でしょう?」


 どうやら、前嶋さんと藤堂君も上手く偽装済みだったようで何よりだね。


 二人に許可を取り、ステータス(偽装ver)を見せて貰うと――…



 

 前嶋 レナ(マエシマ レナ)

 18歳 女性 職業:平民


 Lv.1

 HP:15

  MP:30


 スキル:【菓子職人】Lv.1

    【裁縫】Lv.1

    【アイテムボックス】Lv.1




 藤堂 サイト(トウドウ サイト)

 18歳 男性 職業:平民


 Lv.1

 HP:30

 MP:20


 スキル:【料理人】Lv.1

    【俊敏】Lv.1

    【アイテムボックス】Lv.1




 …――へえー。二人共、料理やお菓子を作れるのか。俺のスキルと(まだよく解らないけど【兼業農家】ってやつと)相性良さそうだな。俺が素材を提供して、二人が料理やお菓子を作る担当で…って。何一緒に居る事を前提に考えてんだ。


 「これは…!! 何たる事だ!!」


 あ、宰相来た。


 「ええと…何か、ご期待を裏切ってしまったようですね」

 「あ、ああ…いや。その、驚きましたな…まさか、三人もハズ…いえいえ、何でもありませんぞ…ハハハハハ」


 あのー、顔に書いてあんだけど。『チッ、コイツら使えねーな!!』って。しかも『ハズレ』ってほぼ言ってるしな。


 ちなみに国王と王妃、王女は、勇者である五味クンと、黒魔導士、白魔導士である二条ツインズ(おまけに三人共、スキルは八個ずつ持っているようだ。開示されたままだから全部確認出来るな…俺や前嶋さん、藤堂君のもだけど)に、にこやかに声を掛けている。


 『選ばれし者の君達には是非とも我が国を救って欲しい』

 『貴方様方が、いらっしゃれば、この国の未来は安泰ですわ』

 『国民達も新しき勇者さまの来訪と、魔法使い上位クラスである魔導士さま二人の来訪に、喜びと心から感謝の気持ちを皆さまに捧げるでしょう』


 あ、俺達? 俺達には勿論、目もくれないよ! って、あれ? そういや王子はあの中に居ないな? 一体どこへ――…って!!


 「ねぇ、君? トーゴ?」


 はあぁ!? 王子居たよ!! いつの間に俺の近くに来ていたんだ!?


 「な、何でしょうか、第一王子サマ」

 『トーゴ。君さぁ…ああ、君だけじゃないかもしれないけど。もしかして、ステータスに細工していない?』


 キラッキラの(胡散臭い)王子サマ、スマイルを浮かべて斬り込んで来やがった!?(いや、言葉でね。物理的にではないけどな!?)

まあ、救いだったのは小声だった事だな。


 『何の事です? そもそも、このステータスって細工? できるものなのですか? 初めて見た物に細工だなんて出来ませんよ?』


 こちらも平凡ながら、作り笑いを浮かべて、横に立つ王子に小声で答える。


 綱渡りをさせられているような気分って言うのかな? 落ちる訳にはいかないってな。そんな事を頭の片隅で思う。いや、逃避しようとしちゃ駄目だろ俺! ここは何とか切り抜けないと、この後が絶対ヤバイ事になる。


 『んー、でもさぁ。例えば勇者クン。彼は【剣術】【武術】【棒術】【俊敏】【光魔法】【水魔法】【感知】【アイテムボックス】を持っている。それで、黒魔導士サンが【炎魔法】【氷魔法】【雷魔法】【闇魔法】【遠見】【攻撃薬師】【俊敏】【アイテムボックス】。白魔導士サンが【光魔法】【水魔法】【回復魔法】【攻撃力付与】【防御力付与】【短剣術】【回復薬師】【アイテムボックス】を持っている。それなのに君と、そちらの二人は三つだけ。そんな事ってあるのかな?』


 何て言えば良い…?


 『ええ? そう仰られましても。あるのでは? と、しか俺には言えません』

 『ふーん? まあ、今は良いよ。そう言う事にしておいてあげるよ…そろそろ、時間切れだし』


 とりあえずは助かったか? って、時間切れ? 一体何の事だ? と、考えを巡らせていると――…


 (ん? 何だか外が騒がしい?)


 …――バタバタ、バタバタと。複数の足音が聞こえて来た、かと思ったら。


 バタン!! と部屋のドアがノックも無しに開けられ、警備兵と思わしき人物らが部屋に駆け込んで入って来た。


 「き、緊急事態につき失礼致します!!」

 「何だね! 騒々しい!!」

 「さっ宰相様! 大変でございます!!」

 「だから何だね! さっさと言わぬか!!」

 「それが――…」


 “ドオォオオン!!”

 

 え? 何。遠くの方から聞こえて来たけど、今のって何かの爆発音じゃね?

 

ここまでお読み下さりありがとうございます…!!

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