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今回6人のステータスが出る予定でしたが、話の長さを考えて区切った為、次回に続く事になりました。もし、楽しみにして下さっていらっしゃったら、お待たせしてすみません…!

 

 まあ、そんな修羅場は王サマやら宰相達やら(ついでに俺達、一之瀬高側も)には些細な事の為、王の少し後ろに控えるようにして立っている宰相が王の頷きを受けて、ようやく俺達六人、異世界に強制召喚した理由を堂々とした姿勢で語りだした。


 もうね…突っ込むのも疲れるんだけどな? アンタ達がやってる事、犯罪だからな?(まさか、この世界では誘拐は犯罪じゃないとか恐ろしい事を言わないよな…?)


 「それでは私からご説明申し上げます。皆様を異世界より、こちらチャペイン国へとお呼びしたのは、この国を救って頂く為にございます」


 へー、ふーん。そうだろーなー、だと思ったよー。


 「この国は現在戦争中でしてな。隣国ユーナリーカと数年程、戦が続いております。とは言え、ここ王都は万全の守りとなっております為、安全かつ平和であり、辺境、国境辺りでの小競り合いなるものが幾つか起きている程度でございます。

 しかし、我が偉大なる王が治めるこの国とユーナリーカの力は均衡状態にありまして。もし…何かの拍子に戦火が広がりだしてしまった場合。そして、兵達は無限に在る訳ではございません…戦が続き疲弊する辺境や国境の兵達や、民からの志願兵の上に立つ者達から物資援助や助力の訴えを聞き、チャペイン国の民がこれ以上苦しみや不安を覚える事に心優しき我が王は、その御心を大層痛めておられました。

 そして、ユーナリーカに対抗するには、力が必要だとお答えをお出しになり、異世界から力ある者を呼び、助力を願う事にしたのです。

 異世界からの客人には、この世界の人々も持つスキルと呼ばれる…特異な力と申しましょうか、魔法もそれに含まれておるのですが、それらがこの世界の者よりも沢山…そうですな、通常我々が持つスキル数が一〜二個、多い者で三個のところ、皆様の場合は少なくとも三個、多くて十個のスキルを初めからお持ちになられているのが確認されております。

 ですから、どうか皆様のお力でチャペイン国を救って頂きたい。そして悪政が強かれているであろう、ユーナリーカの地と民を解放し我が国王が治める平和な地にしたいのです!

 そんな訳で皆様には、これから晩餐の前に“ステータス”から能力を確認させて頂き、今後の助力を願いたいと思っております」


 はー、話が長いっつの! もしかしたら少し聞き飛ばした事もあるかもだけど――…


 つまり。隣国と数年、小規模ながら戦争中。王都は安全だけど、辺境や国境を領土に持つ領主達に(恐らくだが、さっき召喚時に居た数人の貴族らしき奴らが領主かそれに関係する者達だったのかもしれない)何とかしてくれと訴えられて。

 国に被害が広がっても困るし、かと言って降参する気は当然無く。隣国の領土もガッツリ欲しいから、スキル沢山の恩恵を受けて現れる(呼び出せる)異世界人に働いて貰えば良いんじゃね? って考えになったワケね。

 隣国が悪政の下に苦しんでいる風に言ってるけど、ホントの所は分からないよな。


 んで、やっぱり来たか“ステータス”確認。


 何か、強引にコトを進めようとしてるよな? 他にも後ろめたい事があるんじゃないだろうな? 元の世界に帰れるかについては一切触れてないし。やっぱりダメだ、コイツら。


 「えっ? ステータスって、あのRPGとかで出てくるやつ? そんなの見られんの? スゲー!」

 「国を救うとか、本当にゲームの世界みたいね…」

「それ見せるのって、この国ではアリなの? 何かちょっとイヤな感じするんだけど?」


 五味クン、二条姉、二条妹の順で反応は様々だ。


 「ステータス…本当に聞かれる…見られる? んですね」


 と、呟いたのは前嶋さん。


 藤堂君は黙って腕を組んでいる。眼鏡のせいで表情がよく解らないから、何を考えているかも解らない。


 「さあ! 皆様、楽しい晩餐会の前に皆様の持つ、お力をお教え下され!」


 つか一応、戦時中なんだろ。今この瞬間も家族や守りたい人達の為に、戦っている人達がいるかもしれない中。王族、貴族は“楽しい晩餐会”ね…。


 他にも疑問は残る(例えば、俺達の他にも異世界から強制召喚されたであろう人達が居る…または居たかのような話し方を宰相はしていたよな? その人達はどうしたんだよ? 何故話題に出さないのか…とかな)が、逆らうのは得策じゃないし、ある程度は想定内だからな。


 「あの…すみません。ステータスとは、どうやって見るのでしょう?」


 ボク、何も分かりませーん、てな表情で宰相に問うと、宰相は『なぁに、簡単ですぞ。お前たち皆様のお手伝いをして差し上げなさい』そう言い、控えていた執事やら使用人らが一人ずつ、俺達に付いて『“ステータスオープン”と唱えて下さい』と教えつつ、片手に手帳らしきものを持っているから、記録しておくのか? と思いつつ。


 「ご親切にありがとうございます」

 「いいえ、こちらこそ。お手伝いをさせて頂けて光栄でございます」


 だそうだ。多分、俺の“ステータス”見たら態度真逆になりそう。


 「では…“ステータスオープン”」


 さて! さっさと済ませて、このヤバそうな国は、やっぱりヤバイみたいだからな。逃げ出す事にしよう。

 

ここまでお読み下さりありがとうございます…!!


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