3
ここまでお読み下さりありがとうございます…!
ブクマや評価もやる気に繋がっています。どうもありがとうございます…!!
冒険者ギルド(ドングリも/笑)は、今のところメインではない為、サクサク進みます。
バシバシ! バシバシ! バシバシ! バシバシ!
え? いきなり何の音かって?
「ハッハッハ! コイツら活きが良いなー!」
そう。これはドングリ…いや。首領・グリラ達がヴァシルドさんが持つ二つのカゴの中で威勢よく跳ねているんだか、体当たりしているんだかの音だよ…。
「……」
気にしたら負けだ。いや、別に勝負している訳じゃないけどな。
「…もしかして、これ脱出を試みられていませんか?」
「んー、どうだろうな? ま、このカゴは、こう見えてかなり丈夫なモンだから脱出はできねぇだろうな」
バシバシ! バシバシ!
店先では少し距離があったから気づかなかったけど…バシバシうるさいな。何とかならないものか。むむむ、と唸る俺の隣に居たサイトがヴァシルドさんに声を掛ける。
「あの、ヴァシルドさん?」
「おう、何だサイト?」
「その…ドンさん達は【アイテムボックス】には入らないんですか?」
えっ? 今、ドンさんって言った? サイトよ何故にさん付け? いや、まあ何でもいいけどな。
「あー、野生の動き回る植物は入らねんだよ。このドン・グリラもな。野生の植物は動き回らないヤツや、調理済みのモンなら入るぞ」
「「えっ? 動き回らない…?」」
驚いて思わずサイトとハモりつつ。バシバシ! 跳ねるドン・グリラ達の音をBGMに、野生種は基本動き回る物が多いのだろうか…しかも、調理出来るものも他に居るのか…と。ヴァシルドさんの話を聞きながら、俺達は目的地の一つ。冒険者ギルド(中央本部)へと着いたのだった。
「うわあ…凄いな。冒険者ギルドって感じするわ」
「だな。これこそ冒険者ギルドって感じ」
「ん? お前達、何言ってんだ?」
今。俺達は赤茶のレンガ作りの壁で、大きな三階建ての建物の前に立っている。
出入口は、年季の入っていそうな木の扉が両開き仕様になっていて、近隣の建物と見比べると広く大きな作りになっている。
「ほら、いつまでも突っ立ってると邪魔になるし入ろうぜ」
ヴァシルドさんに促された俺達は頷いて中に足を踏み入れた。
「…すげぇ。本当に冒険者っぽい人達が居る」
感激のあまり思わず当たり前の事を呟いてしまった。
「酒場も併設されているんですね。最も今の時間だと人は少ないようですが」
「ああ、情報交換の場にもなるからな。今の時間は大抵のヤツぁ依頼をこなしたりしてるからな、今居るのは遅めの朝飯食ってるヤツくらいじゃねぇか?」
サイトとヴァシルドさんの会話に『なるほど』と頷きつつ。ギルド内を見てみると、受付カウンター(と言えばいいのか?)らしき窓口が六箇所で、その内向かって一番右の一つが登録窓口。その隣から三箇所の窓口が依頼受付用の窓口で、残りの二箇所が依頼完了(依頼品を出したり、完了の報告を告げ、依頼達成料を貰う為の)窓口らしい。
壁側はと言えば、こちらも赤レンガで作られた壁に木枠で縁取られているコルクボード(見た目はね)が嵌め込まれており、そこに依頼書が張り出されている。中々受けて貰えない依頼なのか、大分前から張り出されているような少しヨレヨレになった感じの依頼書も数枚、ボードの上の方にひっそり張られていた。
「おっ、登録窓口が空いてるな。んじゃ、登録してみるか?」
冒険者登録を目的としたサイトやヴァシルドさんの後に続いて、俺も窓口へと向かう。とりあえず、俺も登録しておこうかな、と。
「冒険者ギルド、王都中央本部へようこそ。こちらはご登録窓口となっております。私、ラキアスが担当致します。本日はご登録という事で宜しいでしょうか?」
「はい、お願いします」
登録窓口ではギルドの制服だろう、首元までキチンとボタンが留められた白のシャツ(薄い水色や薄いピンクのシャツの人も居るからシャツの色は自由なのかもしれない)にブラウンのベストを身に着け、ベージュっぽい色のズボンを履いている、俺やサイトと同い年位の男性が(ラキアスさんと言うらしい)受付の担当をしていた。
ちなみに。ラキアスさんの髪色は薄い水色で、目は同じく薄い水色。黙っていると目つきが鋭い感じで、本当は冒険者じゃないの? と問いたくなるような人物…言わずもがな美形。なんだよ、顔で受付が決まるのかー、と心の中で。平凡な俺はちょっとやさぐれた…が。
おや? 何か親近感湧くかも〜…な人が一人。依頼受付窓口に居るじゃないか。そうだよね、顔で選んでる訳じゃないよね。俺、冒険者活動する時にはあの人の窓口で依頼受付して貰おう。何か雰囲気優しそうだし仲良くなれそう。…などと勝手に思っている間にサイトは登録を済ませていた。え? 登録料に銀貨二枚? お約束かもだけど…結構高いなぁ。 あ、俺? 俺も登録するよ。採取をメインに冒険者活動する事もあるだろうし。
そんな訳で。冒険者ギルドにて冒険者登録を済ませた俺達は、次に農業ギルドへと向かうのだった。(俺的にはこっちがメインだな!)
ここまでお読み下さりありがとうございます…!!
次回は農業ギルドと、トーゴ初魔法作動(?)な話になる予定です。




