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スローライフ、のんびり始めました。

いつもお読み下さりありがとうございます!

 

 次の日。魔王城にて朝食を済ませ、セフィルス様とアリーシャさんに少しだけ時間をもらい、挨拶とお世話になったお礼を言って城を出た後。

 俺とサイトはヴァシルドさんと共に、昨日下見に来た借家まで来ていた。今日から、この家で生活する事になる。荷物は昨日買って貰った服等があるが俺もサイトも【アイテムボックス】に入れている為、手ぶら状態だったりする。

 

 「さてと! トーゴ、サイト! まずは何するんだ? 俺はとりあえず今日と明日までは、ずっとお前達に付いていられるから何か手伝う事があるんなら言ってくれれば手伝うぞー? あ! そうだ、それと兄上とアルルからも言われてたんだが二人の暫くの間の生活費をな! 預かって来てたんだった。とりあえず渡しておくなー。【アイテムボックス】持ちなら、そこに入れときゃ盗まれたり無くしたりの心配はねぇから、ちゃんと入れとけよー」


 そう言い、ヴァシルドさんはどこからともなく、同じ大きさでズシッと重みのある、丈夫な布袋を二袋取り出すと、一袋ずつ俺とサイトに手渡した。中には銀貨と銅貨が詰まっていた。街では金貨も使われなくは無いが、お釣りに困る店もある場合があるらしく、銀貨と銅貨で用意してくれたようだ。セフィルス様、アルフレイルさん達の気遣いが有難いです。ちなみに余談だが、一番大きな額を表すのは白金貨、らしい。多分俺には縁のない通貨かな。


 「ヴァシルドさん、ありがとうございます。大切に使わせてもらいます!」

 「ありがとうございます、ヴァシルドさん。凄く助かります」

 「おう! お前達なら大丈夫だとは思うが、万が一無くしたり、盗まれたり、収入を得る前に使い切っちまったとしても、追加は出ないからな。そこは気をつけろよ」

 「「はい」」


 そう言えばヴァシルドさんは明後日から通常通りの仕事に戻るらしい。あれ? 聞いてなかったけどヴァシルドさんの職業って何なんだろう? 立派な鎧を着ているし騎士と思っていて良いのかな? 機会があったら聞いてみよう。


 「えっと、何をするかの話でしたよね。俺は早速、スキル使用の確認と農業を始めたいと思うのですが…まずは、スキルの確認、それから使ってみる…でしょうか。サイトはどうする?」


 スキル。いきなり使いこなせたら良いけど、そんな甘くないでしょ流石に。地道に頑張ろう。


 「俺は…冒険者ギルドに登録しに行きたい、かな。こちらでの身分証明書? も作れるだろうし。剣は独学になりそうだからな…まあ、基礎を調べてそこからやるとして。最初は採取依頼から始められたらな、と思っているんだ。よくあるだろ、マンガとかで薬草採取から始める冒険者の話とかさ」


 サイト、やっぱり漫画とか読んでいたんだな。今度ぜひお薦めマンガ等について語り合いたいものだ。…それが読めないのは分かっていたとしても、それはそれとして。

 って、そうか。身分証明なぁ。うーん…学生証(内ポケットに入れてあったから実は持っていたりする)じゃ、駄目だもんな。俺も、まずは農業ギルドに登録しておこうかな?

 

 「そっか…。俺も先に農業ギルドに登録した方が良いかな?」


 首を傾げ、考えてみる。


 「んじゃ、とりあえずトーゴが使う予定のスキル確認をしてみてから、街に行って冒険者ギルド、農業ギルドに登録しに行くか!」


 ヴァシルドさんに言われ、そうする事にしたのだった。そして――…


 「それじゃ、やってみます」


 …――現在。借家の前に広がる畑予定の場所に立ち、スキル【兼業農家】を発動してみる事に。


 スキルの発動については口に出して言葉にしなくても発動するものが殆どらしいので、とりあえず【兼業農家 発動】と念じてみる。


 《【兼業農家】を発動(ONに)します。 次へ/閉じる》


 「うおっ!?」


 いきなりステータス画面が出た!? いや、違う! これは…スキル画面表示、か?


 「トーゴ? …大丈夫か?」


 心配してくれたサイトに『ごめん、ちょっと驚いただけだから、大丈夫。心配してくれてありがとう』そう伝えた。この画面、他の人には見えていないようだ。


 《説明を読みますか? 次へ/閉じる》


 次へ、に意識を向けると説明を読むかどうかの選択肢が現れた。親切だな。


 勿論、次へを選び次の画面へ進むと…スキルについての説明文が書かれていて、読み終えると次へと進んだ。


 《《今日の予定を選んで下さい。【兼業農家】Lv.1》》


 ※予定通りに過ごしていない日については、スキルの効果は現れません。

 ※スキルONのまま、予定を選ばない場合は、先に設定されたものをそのまま継続します。

 ※スキルOFFにした場合【兼業農家】スキルで習得したスキルは発動しません。



 《魔法使い+農業》 《農業+魔法使い》

 〈剣士+農業〉 〈農業+剣士〉

 〈木こり+農業〉 〈農業+木こり〉

 《薬草師+農業》 《農業+薬草師》

 〈弓術士+農業〉 〈農業+弓術士〉


 えーと(…何気に見辛いな)何なに。今は選択肢は少ないんだけどレベルが上がれば、今表示されているものの他にも選択肢が増えるし、もっと細かい指定も出来るようになるらしい。

 そして、農業+○○等とあるのは、一日の半分を農業の時間として。残り半分の時間を○○(他のスキルだな)として冒険に出ても良い。

 細かいところだと一時間単位で、一時間だけ農業をするとして。その後は、例えば薬草師に時間を振って薬草師として薬草採取、薬を作っても良い…つまり表示されているものに関しては、他のスキルも兼業農家スキル使用中に限り、取得、使用が可能と言う事らしい。

(この国の労働は朝〜昼、昼〜夕方(夜の仕事や、交替制の場合等は、また別だけど)が就業時間の基本なんだとか…ふむ。どう組み合わせるか…)

 ただ、今選べるのは二重山括弧(《》これね)内に書かれているものだけで、他のものに関してはレベルアップや、二重山括弧の物を完全習得か、ある程度レベルを上げると設定可能になるらしい。


 と、言う訳で。土を耕すにも水やりをするにしても。まだ、道具が揃っていない状態なので、結果農業に繋がる魔法(【兼業農家】だけでなく、一応賢者だからなのか、最初から魔法の素質あるみたいだし)を使って色々やってみようかな、と。よし…ポチッとな!


 “《魔法使い+農業》を設定します。”


 はい/いいえ の表示に、はいを選択した。


 異世界での生活が今、ここから始まる――…!(って、打ち切りマンガにあるセリフのような事を思ってしまったのは内緒だ)

 

ここまでお読み下さりありがとうございます…!!

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