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只今、街歩き中です。 1

今回は少し長めです。次回もう一話、ちょっと街を歩いたら、スローライフ編になります。

 

 そして、昼頃。まだ小さな家具や食器等の細かい物が揃っていない家の中。キッチンに設置されていたテーブルセット(ホントに木材を組み立てただけと言えるシンプルな四角いダイニングテーブルと、椅子が四脚のセットなんだけど、後で自分達で塗料で好きに色を塗るなり、角の形を変えたければ変えてもいいぞー、と許可を貰ってしまった。勿論そのまま使っていても良いらしい)にあった椅子に腰を下ろして。ある程度、この世界の常識的な事を教えて貰っていたところ(ちょっとしたガクブル案件もあったんだけど…異世界あるある案件とも言えるかもしれない…。まあ、それについては機会があれば語ろうかな…ウン)そろそろお腹が減ってきたなぁ…なんて思っていたら。

 ヴァシルドさんが『なあ、そろそろ腹減らねぇか?』と言い、それに俺やサイトも同意した事から、街へご飯を食べに行こうという事になった。


 更に街に向かう途中、色んな話を雑談混じりにしていたのだけど――…


 『あのー、そう言えば俺達、この国のお金持っていないんですけど昼食代って、お借りする事って出来ます? 返すのはちょっと遅くなりそうで申し訳ないのですが…』


 …――そう話したのをキッカケに。これからの生活資金の話にまでなったのだけれど、それについては、アルフレイルさんが解決策を教えてくれた。


 『ああ、トーゴくんやサイトくんの服なども買いに行っておきましょう。いつまでも異世界の服のままでは目立ちますし…ああ、そうでした。費用の話でしたね。今日の昼食代とお二人の服代は、セフィルス様より頂いて来ています。それから。これから必要になる他の生活用品や食料等に掛かるお金については、とりあえず無駄遣いをしなければ一年位は困らないだろう額をセフィルス様がご用意されていらっしゃると思いますので、そちらも心配はいりませんよ』との事だった。


 「あの、こんなに良くして頂いて良いのでしょうか?」


 行き交う人達で賑わう街の中に入る際、サイトがアルフレイルさんに尋ねる。


 「ええ。異世界からいらした方の場合、着の身着のまま、こちらの世界の者の身勝手な考えのせいで召喚されてしまっている訳ですから、異世界の方を保護した国はきちんと異世界の方の生活基盤が出来る位の期間までは生活に対し補助をする、と。国際協定でも決まっております。ただ、魔国ウチの場合は他より待遇が良いのは間違いないですね。逆に隣国チャペイン辺りは最悪ですね。協定を違反しているどころか元凶である事が多いですから」


 そうと分かってはいても。中々手を出す事は出来ないらしい。のらりくらりと逃げられてしまうのだそうだ。


 「だから、今回はヤツらの城で遊べてちょっとだけスカッとしたぜ!」


 ああ、何か撹乱の為とは言え、破壊音やら爆発音やら派手に聞こえていたもんね…。


 「ははは…。そう言えば、チャペインに残っている? 五味クン達は無事なんですかね?」


 ふと思い出したのでヴァシルドさんに聞いてみる。


 「あ? あー、お前達の他に召喚された三人か! 俺達の仲間によれば無事らしいぞ。チャペインのヤツらが警戒しまくってっから、まだ接触は出来てねぇみたいだが…まあ、二、三日中には接触出来んじゃねぇかなー」

 「そうなんですね」

 「あの人達。彼らのステータスを見て、絶対手放したくないと思ったんだろうな。ホント、俺やレナもトーゴのおかげで奴らに目を付けられなくて良かったよ。ありがとうな、トーゴ」


 ニッと笑ったサイトに『いえいえ、どういたしまして。ま、ぶっちゃけ、サイトの場合は話が聞こえていただけだったんだけどな。でも役立ったなら良かったよ』と返す。


 「ああ、確かレルカが残ったのだったな。それなら問題ないだろう。彼女は優秀な人物だからな」

 「おーい、アルルー! 俺だって優秀だろー?」


 数歩先から聞こえてくる会話に、ちょっとだけ笑ってしまいながら。


 「それにしても。王都だからなのか、街の端の方でも賑わっているんだなー」

 

 ちょっとだけ、キョロキョロと辺りを見回していると――…


 「おっと。トーゴ、危ないぞ」

 「へ?」


 …――不意にサイトに腕を引かれて『おっと、っと』と。(某お菓子じゃないよ)一、二歩下がる。


 それで、今まで俺が立っていた場所には…ちょっと草臥くたびれた感じのグレーっぽい色の飾り気の無い、肩の辺りがズレたら肩が出てしまいそうなサイズ大きめの簡素なシャツを着ており、元は白かったのか? って感じだけど、古くなり黄ばんできたのだろう半ズボン姿の七、八歳位の少年が居たので『お? ぶつかりそうになったのか? サイト、ありがとう。君も大丈夫だった?』と声を掛けた…ら。


 「…チッ」


 ええー…舌打ち? 今、舌打ちされたの俺? なんてアホな事を考えている間に、少年は走り去って行ってしまった。


 「あれ、何だったんだろう? …もしかしてアレか? スリ的なやつ? でも俺、金どころか金になるような物なんて持ってなかったけどな…あ。ぼんやりしすぎていて邪魔になっていたのか?」

 

 首を傾げ、つい口に出していた言葉に、俺達の様子に気づいたヴァシルドさんが『んー、国でも色々と生活に困らないような対策は取っているんだけどなー…今のヤツの場合は、誤解だった場合は悪ぃんだけどな、偶にスリや盗みを働くヤツが居るんだわ』何と言うか、ほん少し眉を下げた表情を浮かべて…『他国から流れて来る人達も居るので生活困窮者、皆を救うと言うのは中々に難しい問題なのですよ』と、アルフレイルさんが身に着けていた眼鏡のブリッジをクイッと押し上げ、小さな溜め息と共に呟いた。


「まっ。今のはスリだったのかも解らねぇし。考えても仕方ねぇ事は仕方ねぇ! 小難しい話は兄上とアルルに任せるぜ。俺は実働側だからな。動く時に動く! さ、気を取り直して、とりあえずメシ! メシ食おうぜ! ほら! あそこの店のメシとか美味いんだぜー!」

 

 明るく言うヴァシルドさんの言葉に頷き、それから少し歩いた先にあった“メジロ食堂”という、可愛いのかレトロ風なのかよく分からない店名が、白地で長方形の板に黒い塗料で書かれている看板を見上げて。

 次に出入口を見れば“本日の昼のメニュー”『ブブータのカクニ定食』『サババのミソ煮込み定食』『ヤキニギリメシ・スープ付き』と、勢いの良い字で(悪く言えばちょっと乱暴。走り書きかな? みたいな)そう書かれた立て看板のある店へと入った。


 んんん? ちょっと待ってくれ? 外にあった“本日の昼のメニュー”のお品書きってさ、何か――…


 「「日本食っぽくない(か)?」」


 …――とまあ、サイトとハモりつつ。俺達はヴァシルドさん達に続いて店へと入った。


ここまでお読み下さりありがとうございます!!



トーゴ的、ガクブル案件(異世界あるある)については、後に本編でもチラッと出てくると思います。ヒントはバス、トイレ辺りかな、と。(多分、これでお分かりの方や、もしや…? と思う方、結構いらっしゃるのではないかと思います/笑)





そして腰痛は大分良くなって来ました…!(こっそり、呟きます)

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