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いつもお読み下さりありがとうございます! 次回は土曜日の更新を予定しています。宜しくお願いします。

 

 それから間もなく、魔王陛下とお妃様が部屋に入って来た為、俺たち三人は最敬礼(深いお辞儀ってやつだな)をし、二人が玉座に着くのを待った。


 そして『面をあげよ。そう、かしこまらずとも良い。異世界から来た者達よ。これは非公式の場とする。楽にしてくれ』その声に顔を上げる。


 顔を上げて見た魔王様とお妃様は、二人共めっちゃ美形、そして美人だった。


 まず、魔王様。余裕のある大人の男って感じ。三十代半ばから後半辺りの年齢に見える。艶のある、肩よりやや長く、少し癖のある黒髪を、目の色と同じ深緑色のベルベットっぽい生地で作られている細いリボンで緩く一つに束ねていて、ジャケットは濃い黒に近いグレーから徐々にグラデーションになっていっており、スラックスの方は少し明るめのグレー。シャツは襟だけ薄い緑の暗緑色といったスーツ姿の服装(あ、黒の光沢のあるネクタイも身に着けているな)の長身。


 そして、その隣で柔らかく微笑むお妃様。白に近い、真っ直ぐ長くて腰辺りまである、サラサラとしていそうな綺麗な金色の髪に、澄んだ水色の瞳を持つ、青色のふんわりとした、シンプルだけど上品な雰囲気のあるドレスが、とても良く似合っている儚げな美人の女性だ。年は二十代後半位に見える。(お妃様、外国の人だよな? 異世界人イコール日本人だと思い込んでいたよ。多分魔法陣に何かしら書き込まれていて、この世界の人とは言葉が通じるんだろうけど、異世界人同士だと、言葉ってどうなるんだろ?)


 「既にルドから大体話は聞いている。此度の事、そなた達には真に災難であったな。私はこの魔国の王、セフィルス・ランバートだ。そして、こちらが私の妻――…」

 

 ルド? あ、ヴァシルドさんの事か! 愛称呼びって事は普段からよく接するって事だよな? ヴァシルドさん、魔王様が上司って言っては居たけど、もしかして直属の部下なのか? いかん。意識がそれた。ちゃんと聞かないと。 


 「あー、兄上? ちょい待った。話を割って悪ぃんだが、この場は非公式の場にしたんだろ? んじゃ、もっと砕けた話し方で良いんじゃねーか? 聞いていて肩が凝りそうだぜー。なぁ?」


 え? 今、兄上って言った? ヴァシルドさん、王弟殿下ってやつだったの? いや『なぁ?』って言われても! 返答に困るやつだ、コレ。


 「い、いえ、そんな事はありませんよ?」


 ねえ? と。レナやサイトを見るが二人共、薄く微笑むだけ…え! コレ二人共、もしかして俺に押し付けてるやつじゃない? ちょっとー!?


 「ふふふっ、セフィ、ルドも。三人が困っているわよ? でも、私も堅苦しいのは苦手だからフランクに行きましょ? 初めまして、皆さん。私はアリーシャ・ニコルソン。幼少期に両親の仕事の都合で日本へ移住して、大学卒業後は英語教師をしていたの。けれど四年前、貴方達と同じく異世界召喚をされてしまってね。まあ、色々とあったのだけれど…そこは機会があればお話しましょうか。それで、今の名はアリーシャ・ランバート。セフィルスの妻です、どうぞ宜しくね。よかったら貴方達の事も聞かせてくれる?」


 アリーシャさんは、にこにこ笑うと、儚げな印象から可愛らしい人だなぁ、という印象に変わった。(あ、結局。アリーシャさんは日本語が話せる人だったから、言葉についてはまだ解らないなー…まあ、追々解るかな?)


 「えっ、と。それじゃ、俺から自己紹介しますね」


 俺、サイト、レナの順に並んで居たので、俺から自己紹介する事にした。


 「俺の名前は高宮たかみやトーゴです。十八歳です、宜しくお願いします。自給自足をしつつ、安心して暮らせる場所で暮らしたくて、チャペイン国から出ようとしていた時に、ヴァシルドさんに出会いまして、こちらの国の話を聞き、ヴァシルドさんに連れてきて貰いました」


 名前やステータスを偽装している事については(バレているかもしれないけど。アリーシャさんも異世界人だし)聞かれない限りは、まだ黙っておこうと思う。


 サイトとレナも同じように自己紹介をして、魔王様やヴァシルドさんも交えて、今後こんな所で、野菜とか育てながら生計立ててのんびり暮らしたいんだ〜…みたいな希望や、他少しの雑談をしたりしてから。

 

 アリーシャさんは少し時間があるようだけど、セフィルス様(名前で呼んでも良いと雑談中に許可を貰ったよ!)には次の仕事が控えている為、本題(魔国内で王国領となり、空いている領地でどこが良いかとか、必要な物とかね)に入る事になった。


 あれ? 何か話の流れ的に、この国に落ち着く事になりそうだな…? まあ、話をしてみて。アリーシャさんは友達のように話せる信頼できる先生みたいな(そういや、元・教師だったわ)感じがあるから話しやすいし、セフィルス様も一見怖そうに見えるけど『ふふっ、セフィはね。表情には出難いけれど、優しい人なのよ』とアリーシャさんが言う言葉に、ほんの少しだけ頬を赤くして『アリー、余計な事は言わなくてよい』と照れていたので、厳しいばかりの人でもないのだろうと思った。そして、惚気ゴチソウサマデース。


ここまでお読み下さりありがとうございます…!!

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