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第十話

 シャワーをあび、克己と美里の二人は細心の注意をはらいながら登校した。

 克己の神経質な護衛が功をそうしたのか、その登校中にはなんら危険な目にあわずにすんだ。二人は無事に学校にたどり着き、克己と美里は今、教室でなにやら熱心に話しこんでいる。


「お前の将棋の戦法は、なにがなんでも穴熊にもちこもうとするのがダメなんじゃないか? 将棋を指していて、とくにそう感じたぞ」


「というと?」


「ほら、当然だが、穴熊は組むのに時間がかかるだろ? ということは急戦には不向きだ。その点、私はちょちょいとばかりに美濃囲いで守ったら、急転直下で攻め込むからな。なにがなんでも穴熊というお前の戦法は、私としてはやりやすい面があったよ」


「ふむ。やはり私も素人だからね? 守りの型として、王将の周りをガチガチに固めるというのはロマンを感じてね。穴熊を組むことに生きがいを感じるのだが、やはりそれではダメか」


 朝の教室。

 そこで克己と美里は、将棋(しょうぎ)談義(だんぎ)に花をさかせている。

 すでに登校している生徒もいるが、克己たちの言葉の意味を理解できるものはマレで、周りのクラスメート達は、「こいつらは何を怪しげな言語を話しているのだろう」と怪訝(けげん)そうな表情を浮かべていた。

 と、そんな将棋談義にはなをさかせている克己に対して、今まさに教室へと入ってきた女性が、


「……新城くん。なんだかとっても盛りあがっているようですが、ちょっといいですか? 大事な話があるんですけど」


「おお、紫苑くんか。おはよう。ホームルーム直前まで会議とは、生徒会長も大変だね」


「いえ、これくらいなんともありません。それよりも、2人で話せませんか? 大事な話なんですけど」


 教室に入ってくるなりの、紫苑の有無をいわさない口調。チラっと美里を一瞥(いちべつ)し、克己に対して「はやくこの邪魔(じゃま)ものをどこかへやってくれ」という意思表示。

 いつもと同じように無表情で清廉(せいれん)な雰囲気を保ちつつも、その無感情の奥には薄ら寒いほどの迫力があった。

 睨みつけられるよりも、こうして無表情に見つめられるほうが精神的にくるものがある。克己は是非もないとばかりに、美里に対して自分の教室に戻るようにと声をかけようとするのだが、


「おいおい、勝手なことを言うな。だいたい、いきなり現れたこいつは何者なんだ? 私のカツミに、随分となれなれしい口をきいてくれるじゃないか」


「……君は自分の高校の生徒会長も知らないのかね。彼女は白取紫苑くんだよ。一年のころから生徒会長として君臨している、幽斐高校稀代の生徒会長だ」


「ほ〜、噂には聞いていたが、実物を見るのはこれが始めてだな。まあしかし、そんなことはどうでもいい。重要なのは、こいつがなんのつもりで、カツミと2人っきりになりたいなどと戯言を吐いているかということだ。おい、どういうつもりなんだ?」


 美里の容赦ない物言い。しかし、それに対する紫苑の返答も容赦なかった。


「……貴方には関係ありませんよ、鵜飼美里さん。私は、新城くんに話しかけているんです。部外者はひっこんでいてください」


「……部外者だと?」


「ええそうです。というか、部外者以外のなんだというんですか? 新城くんの彼女でもない貴方が、ここにいることじたいおかしなことだと思いますが」


「…………」


 カチン、という音が聞こえるほどに、頭にきている美里。

 頭のネジが緩んでいるのではないかという満面の笑みが唐突になくなり、人を萎縮(いしゅく)させるような強面(こわもて)の表情になる。そして美里は、紫苑のことを睨みつけ始めた。恐ろしいまでの緊張感が、教室にはりつめた。


 ―――いかん。このままでは全面戦争に突入してしまう。


 いつかくるのではないかと思いながらも、今日まで奇跡的な確率で回避してきた戦いが、今切っておとされようとしている。

 なんとかやめさせないと血をみるのは明らかで、克己はとにかく2人を引き離そうと、美里と紫苑の間に強引に入った。


「し、紫苑くん。とりあえず今は勘弁してくれないかね。美里くんも、もうホームルームが始まるのだから、早く教室に……」


「おい、こらカツミ! 私の話は終わってないぞ!」


「ああ分かってるよ。話はあとで聞くから、とにかく今は自分の教室に戻ってくれ。ほら」


「お、押すなよカツミ……というか、さりげなく胸を触ってないかお前。そりゃあ触らせてやらんこともないが、私の胸など昨日のお泊り会で、一緒に風呂にはいったとき、さんざんと生乳を、ムグウ!」


「み、美里くん! こ、この……だ、黙れこの……この、この……」


 美里の口を右手でさえぎって、物理的に言葉を発せないようにする。突然の爆弾発言に心臓はばくつき、克己は今までにない以上に我をなくして狼狽していた。

 しかし、その克己の努力は無駄だったらしく。


「……高校生の男女がお泊り会ですか……不純ですね。それに、『美里くん』なんて、いつのまに新城くんは、鵜飼さんを名前で呼んでいるんでしょうね」


「あ、いやこれはだね……」


「…………どうやら、術式が想像以上に落ちこんでいるようですね。そこまでベッタリ体を寄せ合っていながら、なんともないとなると、早急に措置が必要です」


「は? 何を言って……」


「…………」


 克己の問いかけを無視。


 そのまま紫苑は、克己に抱きついた。


「―――な!?」


 ぎゅうう、とばかりに克己と紫苑の体が密着する。それは、力いっぱいの抱擁(ほうよう)だった。伝わってくる紫苑の体温。感触(かんしょく)。その小さな体。

 ぺったんこの胸でもそれなりに柔らかい。というか、紫苑の体を感じるに、恍惚(こうこつ)とした快感が全身に流れたような気がする。

 普段、このような行為とは無縁の真面目な人物からの抱きつき。鼻腔(びこう)をくすぐるのは紫苑の甘い芳香(ほうこう)であり、なんだかそれを()ぐと意識を手放してしまいそうになった。


 ――-な、なんだこれは……紫苑くんはいきなり何を……


 ガクっと、ヒザが笑いそうになる。まるで、体の中にある精気を奪われしまったかのような虚脱感(きょだつかん)を感じ、必死になって体に力をいれる。

 全身をゆっくりと愛撫されているような感触。抱擁(ほうよう)だけでこんなにも感じてしまっている自分の体を非難するが、どうにもならない。母親の胎内に包まれているような安心感に、克己はそれ以上抵抗しようという考えをなくしてしまった。


「――――」


 耳元で、紫苑が何か聞きなれない単語を(しゃべ)っている。しかし、そんなことを意識できるはずもなく、克己は紫苑の柔らかい身体と、甘い芳香(ほうこう)に意識を奪われているだけ。操り人形のような感じに、克己はその紫苑からの抱擁(ほうよう)を甘受するしかなかった。


「―――はい、終わりです」


 始まりと同じような唐突さで、紫苑が離れていった。

 それとともに、全身を包み込んでいた恍惚(こうこつ)とした快感もなくなり、克己は我にかえる。何が起こったのか分からずに、克己は目の前の少女を見つめることしかできなかった。隣で美里が、わなわなと肩を震わしていることにすら気付かずに、紫苑に心を奪われたままである。


「これは応急措置です。ですので、本格的な措置は明日行います……すぐにでも行いたいところですが、準備もありますし……明日の放課後ということで」


「な、何をいって……」


「絶対に、一人で、来てください。明日の放課後、夜になって月がでるころに、一人で……そのときには、私が渡しておいた本も持ってきてくださいね」


「ほ、本?」


 紫苑は、何がなんだか分かっていない克己からバックを奪うと、無断でその中身を物色(ぶっしょく)。そして、その中から一冊の皮で装丁(そうてい)された本を取り出した。


「これのことです。いいですか。何度も言いますが、必ず、一人できてください。この本をもって、一人で……いいですね」


「あ、ああ」


「たいへん結構です。では、私は準備があるのでこれで失礼します。先生には、白取紫苑は気分が悪くなったから早退するとでも言っておいてください」


 それでは、と言い残し、そのまま紫苑は教室から出て行った。

 いきなりの出来事が続き、克己はどう反応したらいいのか分からないように、呆然とするだけである。そんな克己に対して、


「……おい、カツミ。歯を食いしばれ」


「は? なにを言って、ぶぎゃああ!」


 美里は、そのまま克己のテンプルをブン殴る。悲鳴がとどろいて、克己の体が飛ばされて、激突音がして、また悲鳴が聞こえた。

 怒髪天(どはつてん)をついている美里は、そのまま克己を見殺しにする。「フン」とばかりに毒ついてから、紫苑と同じように教室からでていった。

 残ったのは、頭をグラングランさせる克己と、その哀れな男を無視するクラスメイト。そして、露骨なまでに殺意の視線を浮かべる、一人の女子生徒だけだった。


●●●


 帰宅を急ぐ二つの影。

 隣りを歩く美里の護衛をこなしながら、克己は黙々と歩を進めていく。

 学校も終わり、晴れて放課後。自由の身となった2人は、学校に残ることなく帰宅を急いでいた。クラスメイトの中には、創立祭に向けた準備で居残っている者もいる。しかし、克己は自分の分の仕事をすでに終えており、なんの憂いもなく学校をあとにすることができていた。


 ―――しかし、紫苑くんは一体どういうつもりで、いきなり抱きついてきたんだろうか……。


 克己は歩きながら思う。紫苑とは小学生の頃から付き合いがあるが、今日のようなことは一度もなかった。

 真面目で、浮いた話一つ聞かない紫苑。まるでクリスチャンのような清廉(せいれん)さと敬虔(けいけん)な雰囲気を兼ねそなえた大和撫子。

 そんな、自分が抱いている紫苑の印象を思うに、今日の彼女はいったいどうしたのだろうと、克己は納得がいかないように眉をひそめるのであるが、


「おい、カツミ」


「……なんだね美里くん。またかね?」


「またも何もない。何度も聞くようだが、本当にお前は、あの女と付き合っているわけではないんだな? 本当だな?」


「……何度も聞かれるたびに何度も答えるが、私と紫苑くんとはただの幼馴染(おさななじみ)で、そういう色恋(いろこい)沙汰(ざた)とは無縁の関係だよ」


「本当か?」


「本当だよ」


 それならいいのだが……と、何度目になるか分からないやり取りをする美里。

 休み時間ごとに克己の教室におしかけ、紫苑との関係を問いただし続けても、まだ満足してないらしい。

 危機感に顔をゆがませながら、美里は「ムスー」とばかりに眉間(みけん)にシワをよせていた。それは放課後になっても変わらないらしく、美里は尋問(じんもん)口調(くちょう)で克己に言葉を向ける。


「しかし、お前があんな怪しげな本を始終持ち歩いていたとは、今まで気付かなかったぞ。いったいアレはなんなのだ?」


「本とは、これのことかね」


 自分のバックの中から問題の本を取り出す。怪しげで、まるで何かの魔道書といっても通用しそうな、禍々(まがまが)しい装丁(そうてい)。古ぼけていて、年季の入っているその本を美里に見せながら、克己はその先を言った。


「不思議なことなのだがね。私も、このような本を自分が持っているとは、今まで……その、知らなかったのだよ。毎日、バックの中身は確認しているはずで、このような本が入っていることに、気付かないはずがないのだが……」


「……どういうことだ?」


「さあ、私にもよく分からない。紫苑くんがいつのまにか、私のバックの中にこの本をいれていたとか……いや、しかしそんなヒマはなかったはずだし、彼女は確かに、私のバックの中からこの本を取り出していたのだが……」


「…………」


「しかも、この本はどういうわけか、まったく開くことができなくてね。さきほどから何度も開こうと努力しているのだが、まるでビクともしないのだよ……まったく、何故こんな奇怪な本をバックに入れていたのか、自分ながら訳が分からない」


 手に持った本を見つめる。しかし、何度見ても、このような本を自分が何故持っていたのか、見当がつかなかった。まるっきし、見覚えのないものである。

 紫苑に言われるまでは、こんな本がバックの中に入っているなどと、気付きもしなかったのだ。これはいったいどういうことなのか。気付かないなんてことが、ありえるのか。克己は、アレコレと仮説をたてるのであるが、


「―――と、」


 隣を歩く美里が、いきなり転びそうになった。

 足元にある石ころにつまずいて、体のバランスを崩している。克己はそれを、とっさの条件反射で抱きとめた。体全体で美里が転びそうになるのを避けるに、自然と美里と抱擁(ほうよう)する形になる。柔らかい2つの双丘が、克己の体で潰れた。グニュっという感じで。


「美里くん、君はいったい何をやっているのかね。私が君の体をつかんでいなかったら、いまごろ車道へ真っ逆さまで、下手をしたら車と正面衝突だったぞ」


「ああ、すまない。しかし変だな。石ころごときで、私が転びそうになるとは……何か柔道の足払いの技のような、私が転ぶであろう絶妙なタイミングで、石ころにつまずいたんだが……」


「何を言っているのかよく分からんが、とにかくもう大丈夫そうだね。体を離すが、いいかね?」


「―――ダメだ」


 抱き合っているような形から離れようとすると、美里が背中に両腕をまわしてきて、そのまま、ぎゅううう、とばかりに抱きついてくる。

 その光景は、一瞬の隙をついて敵の胴体をサバ折りせんとするプロレス選手……ではもちろんなくて、少々きつめの熱い抱擁(ほうよう)なのだろう。息は苦しいが、しかしまだ我慢できる程度の力の入れ具合だった。


「……君、いきなり抱きしめてくるなどと、どういった了見かね? はやく離れてほしいのだが?」


「フフフ、そんな口が聞けるのも今のうちだぞカツミ。それに、紫苑に遅れをとるというのもなんだしな。このまま少しばかり、ぎゅううう、と」


「何を言っているのか理解できないが……おい、さすがに、下校途中でこのようなことしていたら、人に……」


「う〜む、しかし、抱きつくだけというのは、なんだか紫苑に負けている気がするな」


 克己の言葉を無視して、独り言のようにまくしたてる美里。

 さらには、ウフフフ、という怪しい笑み。妖艶(ようえん)な色気を一瞬にしてつくった美里は、そのまま克己の耳元(みみもと)ギリギリのところに顔をもっていく。そして、「二度ネタなんだが、まあいいだろう」という前置きとともに、


「―――ふふふ、いただきます」


「な、何を……ふにゃあ!」


 奇声。その奇声を導いたのは当然に美里の行為だ。美里が選択した行動は、克己の頬を下から上へ舐め取るという動きだった。

 まるでアイスクリームでも舐めるかのように、舌をいっぱいにだして克己の(ほお)を舐めあげる。ヘビが獲物を絡め獲るようにして、美里の長い舌が克己の頬を蹂躙(じゅうりん)した。


「なな、な、ななななな何をすす、す、すすするんだねね、ね、ねねね君ぃぃぃ!!」


 それを受けた克己は、当然のように腰から力が抜けるのを感じていた。何か不思議な力が働いているかのように、快感が脳をスパークさせ、全身の毛穴という毛穴が開いた。

 自分の頬に駆け抜けた粘着物の感触に、一瞬にして腰砕けになる。

 ふにゃあ、という具合に体から力が抜け、立っていられない。ゾクゾクと背中を駆け抜ける快感が脳を麻痺させ、頭の中は真っ白。なんとか耐えようとするのだが、やはり我慢などできずに、ガクッとヒザが笑って、そのまま地面へと倒れこんでしまった。


「くくくくくくくそ。ままま毎回毎回、ひひひひ人の体を舐めままままわしおって…………いいいい加減、こういうことはやめてくれないかね!」


「ほえるな、カツミよ。もう少し自分に正直になるのだ」


「そ、それにだ。こんなことくらいで意識を手放そうになるなどと、私はいったいどれほどまでに軟弱なのだ!? 恥をしれ、クソ!!」


「おいおいカツミ、地べたに座り込みながら言っても説得力がないぞ。気持ちよかったんだろう? あまりの快感に脳が壊れそうになったのだろう。正直になれカツミ。というかだな……」


 美里は妖艶な雰囲気をもって克己に近づく。

 今だに地面に座り込んだまま、快感に酔ったように目を潤ませている克己。美里はその哀れな子羊に対して一つの事実を突きつけた。


「ふふふ、動けないのだろう? 腰砕けにしてやったぞ。今だったらやりたい放題だ。カツミの体を舐めまわそうとも、唇を奪おうとも、何をしてもお前は抵抗できない。さてと、どうするか」


「ひ、ひいぃぃ!」


「ん? どうしたのだ悲鳴などあげて。大丈夫、安心しろ。私が優しく、お前を夢の世界へと導いてやるから」


「こ、こんな町中で何をする気なのかね!?」


「ふむ、そうだな……私はこのまま野外で青函トンネルでも構わないのだが……カツミがそこまで言うのであれば場所を変えるか。誰にも邪魔されない場所に……ふふふ」


「誰か! 誰か! 助けてくれ誰か! この痴女は本気だ。このままでは非常にまずいよ!」


「ふふふ、泣き叫んでも無駄だ。誰も助けにはきてくれないさ。ではまず唇を頂いて、お前を完全に骨抜きにしてから場所を移すとするかな」



「―――――な!?」



 克己は言葉を呑んだ。

 それとともに彼の顔に浮かべられた表情は、驚愕以外の何物でもなかった。

 目は見開かれ、瞳孔が猫のように細まり、ドクンと脈動する心臓音が体外にまで響いた気がする。さらには、背筋に冷や汗が浮き上がり、サアーと波が引いていくかのように、克己の脳内から興奮が消え去った。

 しかしそれは、目の前の美里から得られた驚愕ではなかった。克己が驚きに動きを止める原因―――それは、背中に突き刺さってくる殺気を内包した視線だった。


 ――――誰かに見られている!?



 後方。

 背中に突き刺さってくる殺意。

 諸悪の根源。

 犯罪者。

 尾行。

 監視。

 美里の命を狙う犯人。

 それらの単語が、突如として克己の中で繋がった。



「――――」


 克己は美里の目を見つめる。それは覚悟に満ちた、何かを訴えるような視線だった。美里に対してアイコンタクトを送りながら、克己は覚悟を決めていた。だからもう、あとは行動に移すだけだった。

 ガクガクと、今だに快感で震える脚を叱咤(しった)し、立ち上がる。そして克己は美里に対して、真剣な目つきで言った。



「――――ホテルに行こう」


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