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「バツ」

世界は美しい


調和に満ち溢れる


命が輝き、生きている


命は輪になり繋がっている


風のように流れて


炎のように燃え上がり


水のように穏やかで


最後には土に還り


新しい命が芽吹く


これが現し世(ウツシヨ)


神は確かに存在した


自然を


世の中を見つめる者として


もし神が、その手で、世界に奇跡などを起こせば、世界は調和を乱すことになる


だから神は何もしない


しかし、人に願われ、それを叶えた神がいるのならば、


世界の完全な調和は乱れ、ケガレる


ケガレた世界は、浄化のために生贄を求める。


たくさんの血を


命を欲した


故に、タタリ神は存在した。


たくさんの人の生を、


世界に捧げるために


存在した


***


いつもの竹やぶに向かう途中だった


横にはタタリちゃんもいた


レベル6になりましたけど、いっこうに人と会話できるスキルはありませんね


「そう、だね」


思ったんですけど


「ん」


タタリちゃんから聞けないんですかね?


「やだ」


あー嫌なら仕方無い


自分で頑張るか……


新しいスキル、夢枕に立つ、首筋を撫でる、とか覚えたけど、怖がらせることにしか使えないのばかりだし……


そう思いつつ、目的の竹やぶに着いた


ん?


何だか人がいっぱいいるぞ?


「おおーここが例の!」


「おねげえします! 縁結びの神様! 恋人が欲しいだ!」


縁結びの神……?


いったいどういう事だ?


今まではこの竹やぶ、


俺が道行く人を驚かせ続けた結果、心霊スポット扱いだったのに


タタリちゃんはなんの事か分かりますか?


「ううん、わからない」


様子を見ていると


ある男女がやってきた


見たことある


確か最初に驚かせた相手、よへえと小雪だ


「ありがとうございます神様! あのときは幽霊呼ばわりしてすまないだ!」


「あのときの事件のあと、両親が反対してた縁談が上手く行き、よへえさんと結婚することが出来ました!」


どうやら二人は結婚したようだ


その結果、俺のいたずらが何故か縁結びにいいとされ、俺が崇められてしまってるようだ


ええ……


「えんむすび、ちがうのに」


そうですよねタタリちゃん


「すけべ、すけべのカミサマなのに」


それはもっと違くない!?


……とはいえ、このままでは怖がらせることなんて出来ない。


レベル上げは諦めるか……


「わたし、やる」


え?


タタリちゃんがやるの?


「うん、すけ君を、じゃましたから」


あ、俺のこと、すけ君って呼ぶんだ


「そのバツを」


俺はタタリちゃんの様子が何だかおかしいことに気づく


「受けて、もらう」


しかし、もう


手遅れだった


「強制発狂、ケダモノの快楽」


その瞬間、男と女が、乱れ狂ったのだった



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