君の道にもし色があるのなら

「私は誰かの神様になる為に生まれたんじゃない」

神の子といわれているお祓い様に生まれた都子。
お祓い様とは霊の声を聞いて、妖怪から人々を護って、神様の姿を見て、人の願いに触れるお仕事。
でも誰も人としての自分を見てくれない。いつもあの人たちの心は遠くにあった。
それでもいつか信じられる者に出会えると、人は一人では生きていけないのだからと息をするように言われ続けてそれを馬鹿正直に信じて今日も虚像の正義感を抱えて生きている。
足を止めてしまうことの方がずっと恐ろしかった。
生き方は人それぞれだから、自分だけの道を見つけて歩き続ける為に。
それが例え人並みの生き方ではなかったとしても。
いつの日か理想の自分になれるように。