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どんな願い事も叶えてあげる。~少女の紡ぐ人々の願い~  作者: 牛
第九章 願いを叶える"魔法使い"
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そして、二人は。

 これまで私は。

 この青い空の上から、何かを見て。

 様々な世界を感じて。


 刹花やニクス達に会って。

 笑い合って……。


 何かを感じるたびに。

 気持ちが増えていって……。


 <小さな星>(リトル・スター)を見つめ続けて……。

 そして私は知った……。


 私が何者なのかを……。

 私が何者であったのかを……。


 そうだ。

 そうだったんだ……。


 私は……。

 私の本当の名前は……。


 ―――


 雨の降る中。

 羽衣は雨の降りやまぬ空を見上げている。

 そこに存在するはずの人を見つめている。


 ……羽衣は<小さな星>(リトル・スター)として願いを叶えてきた。

 ……<小さな星>(リトル・スター)として人々の願いを叶えてきた。

 ……様々な人々の願いを叶えてきた。

 ……様々な人々の<夢>達を奪ってきた。

 ……そして私は人々の<夢>を使って羽衣は願いを叶えた。

 ……羽衣の記憶を取り戻すという、願いを。


 ……羽衣の中では今も人々の<夢>が淡く輝き続けている。

 ……羽衣の中で輝く人々の<夢>達に触れあうたびに。

 ……羽衣の中で輝く人々の<夢>達を感じるたびに。

 ……気持ちが増えて……。

 ……そして羽衣は知った……。


 ……羽衣が初めに何を願ったのかを……。

 ……羽衣の初めの願いが何であったのかを……。


 ……そう……。

 ……羽衣の……。

 ……羽衣の……<小さな星>(リトル・スター)の初めの願いは……。


 ―――


 私は、雨にうたれる<小さな星>(リトル・スター)の前にゆっくりと降り立つ。

 そして<小さな星>(リトル・スター)を優しく抱え込むように抱きしめる。


 <小さな星>(リトル・スター)も私の事を抱きしめ返してくる。



「翼希……羽衣は初めの願いを思い出したよ」



 <小さな星>(リトル・スター)は私を抱きしめながらそう告げる。



「私も、私が何者だったのか。思い出したよ……<小さな星>(リトル・スター)



 <小さな星>(リトル・スター)に言葉に私は優しくそう応える。



「「戻ろう……一人の存在に」」



 私達は口を揃えてその言葉にする。


 そう……私は。

 私達は……元々一つの存在だったのだ。

 私達は……元々、一人の人間だったのだ。


 私達二人の気持ちが重なった時。

 羽衣達は一人の存在になっていた。


 私は、翼希であり、<小さな星>(リトル・スター)

 羽衣は、<小さな星>(リトル・スター)であり、翼希。


 私は、翼希は、羽衣の願いから生まれた存在。

 元々、羽衣達は一人の存在だったのだ。


 羽衣の、はじめの願い。

 それは……『私が天使だったらいいのに』。

 その願いは、翼希という形となって叶えられた。


 羽衣は一人の天使として飛び立つ。

 羽衣は、この世界の『最後の願い』を叶える為に背中の白い羽を羽ばたかせる。



 それは、この<夢>が失われてしまった世界で。

 羽衣達が叶える……『最後の願い』の物語。

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