No.EX キング
これはまだ俺が自分の異能で苦悩していたそんな時の話。
俺は生まれつき不思議な力を持っていた。他人の心の声や本来、自分が居る場所からは聞こえる筈のない場所の声さえ聞こえた。更には異常な眼を持っていた。この眼は壁などの物理的障壁を越えて物を見る事が出来た。けれども親や周りの人間達からは気味悪がられた。虐待こそされなかったものの親達の心の声はいつも自分の扱いをどうするかなどの声が聞こえていた。だから13歳になった時自分から生まれ育った村を出て山に住むようにした。山は木のみや山菜などが多く川もあった為生活していくのに不便に感じることなど無かった。何時もと変わらない生活をしていたある日だった。黒と白のコートを着た男が川の近くで倒れているのを見かけた。俺は直ぐに自分が生活している小屋に男を運んだ。暫くすると男は目を覚ました。どうやら男はアヴァロンと呼ばれる龍の国の軍人で任務でこの辺りに来ていたらしいが偶然にもこの山で任務の対象と戦闘になり無事に任務は達成したものの不幸にも崖から転落して川の近くに倒れていたらしい。
「助けてくれてありがとうございます。えーとお名前は」
「ナツキ」
俺は名前を教えると薪を取りに隣の作業小屋に移った。
「いきなり本題に入るのも失礼だと思うんですがナツキさん貴方、異能力者ですよね」
「本当にいきなりだな。ああそうだよ。世間では一般的に探知の異能とか言うんだろ。で異能力者だから何かあるのか」
「ええ、自分は先程も申し上げた通りアヴァロンで軍に所属していてある部隊を率いています。そしてその部隊は皆、人間であり異能力者です」
「ふーんそれで俺にも入って欲しいとその部隊に」
「ええ、それに自分にはある目標があります。それは異能力者が差別を受けたりしない世の中を作りたいのです。実は異能力者達は差別を受けることが多くてですね。多くが虐待などで命を落とすか闇社会に身を置くかが現状なんです。そんなことになっては言い訳がないと思いましてね」
「それで今は軍の1部隊だけどもそれでも多くの人を助けたいと思ってるんだ。けど詳しい話は後かな」
「どうやら近くに敵がいるみたいですね」
俺は薪割り用の斧を持ち男は刀を抜いた。
それから5分経たないで敵は殲滅された。
男によるとこの近くに拠点を置いている外道魔術師の残党だったらしい。
「それでさっきの話の続きだけど、ちょっとだけ時間をくれ。協力はしたいが少し整理したいんだ」
「そうか、ならこの石を渡しておこう。これでいつでも僕に繋がるようになっている」
そう言って男は姿を消した。
それから暫くして俺は村にいる親に暫く山を離れることを伝えて荷物を纏めて小屋を出た。
本編に引き続きこちらも更新します。えっ本編より長いって。すいません本編よりもこちらの方が書きやすくてですね。ごめんなさい。必ず本編も長めのやつ書きますので許してください