6 東山先生はイケメン
昼
「やっぱり来ねえ」
約束の時間を20分も過ぎているのに佐倉は来なかった。
いやまあ、想定内想定内・・・
ふははははは
「竹川先生。佐倉を待っているんですか?」
「あ、東山先生。」
コーヒーを片手に話しかけて来たのは、東山維澄先生。担当は数学で2年A組の担任。
年は30くらい?かなりのイケメンで、攻めと見た。
「待ってても無駄だと思いますよ」
「ずっと、ああなんですか?」
私が聞くと、東山先生はうーんと考え込んだ。
意外と可愛い。
「入学したては、あそこまで酷くはなかったんですけよ。だんだん素行も悪くなって、親が金持ちだから、こっちも口出しできなくて」
親が金持ちって・・・。どこまでも王道だな。
「理由は分からないんですか?」
「そうなんですよ。面談しようとしても逃げ回るし」
東山先生は困り顔で言った。いちいち可愛いな!
本当に三十路か?
「あの子は?クラス委員の」
「相崎?」
「あの子、佐倉君の事心配してて」
彼なら何か知ってるのではないだろうか。
それに、彼は佐倉の事が好きなんだろうし(勝手な想像)
「うーん、俺もそう思って聞いてみたんですが、答えてくれなくて。」
あっ、やっぱり俺呼びなんだ。
「そうですか」
恐らくあの二人は誰にも言えない秘密を共有しあってるのではないだろうか。
「まあ、何かあったらすぐに言ってください。」
「あ、ありがとうございます」
うわぁ、優しいなぁ。
すごくモテるんだろうな。
男に