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1 風子、男子校の教師になる
来た、キタキタキタキタキタキタ〜〜〜!!!
竹川風子、齢26。
男子校への赴任が決まりました!
「はあ!?男子校!?」
亜美ちゃんが悲鳴を挙げた。
「ちょ、もう一回言って!」
「だから、男子校の教師になったのだよ」
ここは私のお気に入りの漫画喫茶。私は古くからの親友に赴任の報告をした。
「いや、あんた大丈夫なの?」
彼女は親友の亜美ちゃん。高校からの付き合いでかれこれ10年になる。
「何が?」
聞き返すと、亜美ちゃんはハアっと溜息をついた。
「あんたみたいな鈍臭い子が男子校なんか行って大丈夫なの!?襲われない?」
「ぶっあははっ!」
思わず笑ってしまった。
「なに、笑ってんのよ!心配してるのよ」
「そんな事有るわけないじゃん」
「あるかもじゃん!」
亜美ちゃんは食い下がる。
「大丈夫だって。私が行くのは進学校だから。」
通っている生徒はみんな、品行方正だと聞いている。
「それに私は、BLを見守り彼らのキューピットになるという使命があるからな!」
私は亜美ちゃんにグッと親指を立てた。
「あんたって・・・」
さっきより深い溜息をつく、亜美ちゃん
「風子の病気は、一生治らないね・・」