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神聖かまってちゃん「夕暮れの鳥/光の言葉」(2017年)

●実現しないはずのタイアップ

人気アニメ『進撃の巨人』の原作者・諫山創の強い希望で実現したタイアップシングル。


諫山さんは神聖かまってちゃんの大ファン。みさこが特にそうであるが、神聖かまってちゃんも『進撃の巨人』のファンで、かねてからタイアップを希望していた。だが、相思相愛であっても、『進撃の巨人』の音楽制作会社はポニーキャニオンであり、ワーナーに所属する神聖かまってちゃんの楽曲はタイアップできないでいた。


だけど、そこをひっくり返すのが毎度事件を起こす神聖かまってちゃん。一時的なレーベル移籍という、ワーナーからポニーキャニオンへの「レンタル移籍」でタイアップを可能にしてしまう。


諫山さんと神聖かまってちゃんの二者の内面での深い結びつきが可能にしたタイアップだろう。諫山さんは「進撃の巨人は初期より神聖かまってちゃん聴きながら描いた漫画です…世代的なスタンスを含め、同じ戦い方をしている者同士、といいますか、自分のような輩がどうすれば戦えるのか、その戦い方を先に示したのが神聖かまってちゃんなんです。」とブログに綴っている。


●全曲レビュー

「夕暮れの鳥」

アニメ『進撃の巨人』二期エンディング曲。の子がボイスチェンジャーで声を変えて、意味が通じるのか通じないのかよく分からない英語で歌う。神聖かまってちゃんにとって初めての全編英語詞。異国感のようなものを出したかったとの子は言う。


ホーリーな終末感が漂う雰囲気の曲なのに、一曲全体を貫くこの希望にも似た明るさはなんだろう。


正直、『夏.インストール』(2016年)で、の子の音楽的な情熱は枯れたのかと思っていた。『夏.インストール』は、曲も曲想も良いのだけど、僕にとって何かのピースが足りなかった。どの曲も外向きに着飾った曲に聴こえて、の子の内面的な葛藤が聴こえてこなかった。むき出しの魂が露出したように聴こえる「ロマンス」でさえ、外向きに聴こえた。キッズ向けと言ってもいい。


だが、「夕暮れの鳥」はこのまま彼らのファンでいてよいという安心感を僕に与えてくれた。彼らの魂の本質から1ミリもズレない歌を歌ってくれている。これだよ、僕が神聖かまってちゃんに求めていたのは!


「光の言葉」

進撃の巨人タイアップ曲を制作中にできた曲。イントロからして感じ取れるように光のような希望に満ち満ちており、聴いていると視界が上向く。


「男はロマンだぜ!たけだ君っ」

以前のバージョンよりも演奏が巧みになったバージョンが聴ける。リズムに対する嗅覚が鋭くなっている。


「コンクリートの向こう側へ」

リマスター版。神聖かまってちゃんのシューゲイザーの音楽性を代表する名曲。

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