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ファミレス・オムニバス(3)

 今回の主人公は誰でしょう? その3です。




 あー、ヒマヒマヒマ。


 ホントうちのファミレスってひま。近所のお店は随分ずいぶん入りがいいようだけど、ここに限っては365日ヒマ! よく続いてるってのが、ウチの友達の間での七不思議というか、もう都市伝説よ。『客が入らないのに続く店』。実はウラで、麻薬の密売やってるとか、宇宙人の秘密基地だとか、言われっぱなしの怪しさなんだよ。そんなのやってないけど。


 ところで、あ、客来たよ。5人連れ。家族連れにしては中途半端だし、友人関係にしては年齢幅広いねぇ。何かの会合か?


「ねぇ、とにかく自己紹介しましょう♪」


 …自己紹介ってことは、初対面同士なわけ? 何かのオフ会ですかい?


「じゃ、アタシからかしら。名前はローズ・スミス。王子さまに今、付けて頂いたの♪ よろしくね」


 お、王子さま…って、すげーHNつけてるのね。ちょっと大胆じゃ…。それってあの女がべったりくっついてる男だろきっと。すげーイケメンだけど、あの金髪の長髪…、ロッカーですかい? コスプレですかい? 


「あー、俺は地球ここでは、鈴木です。鈴木太郎」


 こっちは、平凡すぎる名前なのに(重ね重ねすみません。鈴木さん)ビジュアル的に非凡すぎないかい? スキンヘッドに真っ黒なサングラス。逆モヒカン的な、へんに手入れの行き届いたひげ。それに、遠近感がヘンになりそうなくらいバカでかいし…。ガリバーかい?アンタ。


 あ、オムライスできましたか。まだ飲み物も運んでなかった・・・、面倒だから一緒に全部運んじゃおう。ただし、お客様に接する時はあくまで丁寧に、丁寧に。


「お待たせいたしました」


 うーんと、誰が何を注文したんだっけ? あーん、忘れた。いいや、全部この女性の前に置いちゃえ。回してくれるだろう。


「へぇ、ナニこれ? うわっ苦っ…」


 あれ、配らないで次々と味見始めちゃったよ、この人。


「コーヒーでございますが」


「コーヒー!?」


 驚いてる。へぇ、面白い人。ヒマだし相手でもするか。


「はい、コーヒーですよ。コーヒーの木にる豆をローストして、粉になるまでいて、それからフィルターに入れて、お湯を掛け、出てきたものです(笑顔)」


「げっ。キモッ!」


「こっちは?」


「ココアですが」


「うん、こっちは美味しいかも」


「それは良かったです。これは、カカオ豆をローストしたものを、よく挽いて、牛の乳と合わせて練り合わせて砂糖と混ぜ、お湯を注いだものです」


 本当はお湯なんかじゃなくて、温めた牛乳でのばすんだけど、ウチの店長、超ケチだからお湯なの。これが千五百円だから…。しかも、この店、ミルクも油もトランス脂肪酸頼りだから、賞味期限長いの、常温なのに。怖い怖い…。


「げっ!」


「こ、こっちは?」


 根性あるなぁ、まだ聞いてくる。っていうか素直。どこの原人ですかい。


「ローズティーです。特別にローズ・ヒップも加えて…」


「ウェイトレスさん!」


 わっ、隣のグレーの髪の男に注意されちゃった。まぁ、それがノーマルな反応だよね。平気でオムライスパクパクしてる人よりよっぽどノーマル。


 でも、アレだよ。あたしって『カレセン』なんだけど、このグレーの男。何かイイ! どう見ても二十代なのに、何? このいい感じに枯れた雰囲気は!? 若干じゃっかん哀愁あいしゅうさえ漂わせてるじゃない。こういう人初めて会ったよ。運命!? ファミレスでバイトしてて良かった〜。

 それに比べて、そのむかいに座ってるおじさん。年はイってるんだろうけど、なんかスゴい脂の乗り良すぎない? 全身トロおやじってカンジ。こっちは×。



 それにしても、緑頭ミドリあたまの女性の方はなんだかプンプンだね。ちょっとふざけ過ぎたかね、あたし。


「もう、ヤだっ。やっぱり人間って残酷だわっ。生命の源をなんだと思ってるのっ!『実』とか『卵』は大事なのよ。それを料理するなんて、グロすぎる!」


 へぇ、見かけに反して『生命』とか訴えてるよ。もしかしてアレ? この人たち、ナントカ愛護団体の集まり? って、さっきの大男、自分の食べてた物噴出しちゃったよ。ああ、仕事増えちゃった。あたしふざけ過ぎだったね。ヒマだったもんで。すんません。


「オムライスは心配無い。たぶんそれは無精卵じゃろうし(笑顔)」


 げっ、全身トロマグロ、違った、トロおやじ! 言うことまで脂ぎってる!



 答え:カレセンのウエィトレスさんでした。

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