まだ行ってないし。
“でも、アレね。よく見たらイケメンじゃない?”モトバラは早くもハザマを鑑定開始。
王子さまより2・3年上なカンジで理知的っていうのかしら。目も髪もグレーね、スタイルもまあまあ、スーツ姿も様になってるじゃない。王子さまが太陽なら、こっちは月かしら。・・・月もなかなかミステリアスでいいかも。
「ごちそうさまー!!」
モトバラがボーっとしている間にその他二人は食事を終えました。^^
☆☆☆☆☆
「じゃあ僕は、そろそろ地球に行かなくちゃ」
クールな笑顔の王子様。それからそっとモトバラ耳打ちして、
「君は心配しないで、ゆっくり召し上がれ」
「えっ、もう終わり? じゃ、この天蓋付きベッドってなんだったの?」
「ベッド?ああ、これはシェフのいた村ではインテリアの基本らしい」
「そんなぁ・・・」
さすが、生命維持と繁殖が第一義のモト植物! アッパレ!
「それじゃあ、アタシも連れてってくれるんでしょうね」
切り替えはやっ!
「エ、きみいくつもり?」ハザマもびっくり。
「当然よ、アタシ、太陽と自然な空気が無いと生きてるカンジしないもの」
・・・たくましい。
「あなたも行くんでしょ?」
ハザマを見るカオはちょっと怖っ。
「あ、私は、ここの管理人だから、それはちょっと・・・」
ハザマくん、完全に腰が引けてます。気の毒に。
「うん大丈夫、ハザマの分身を連れていくよ」
「えっ?」
全員が驚いて振り返ると、王子さま、なにやら大きな水槽を引きずって現れました。まるで“熱湯風呂”でも始めるんですか状態。そして、逃げ出そうとするハザマを素早くつかまえると、
「最近、腕ばっかり抜いてたからなぁ。やっぱりここに残していくオリジナル部分は脳だな」
とか結構キモい独り言をつぶやき、スポッと頭を引っこ抜いて水槽の中へ!
ジャッポン。
「きゃぁぁぁ!!!!!!!」
モトバラは気絶しそうになりながら、しかし、”そしてどうなるの?”という強い好奇心に支えられ、返って凝視してしまいました。
ホントは怖いの大嫌いなくせに…。(それなのに見ちゃうのよね。)