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生拠 〜しょうこ〜  作者: 春木瀬奈
2/2

宇宙人



恐竜も宇宙人も、結局一度も私の目の前に現れることはなかった。



その代わり、私が歳を追うごとに現れたのは、もうひとりの自分だった。


例えば、私が何かを見て、


「かわいい」


と思えば、もうひとりの私はすかさず


「かわいくない」


と言うのだ。

いつだって、もうひとりの私は全く逆の事を言う。


私は、必死で「そんなことない」と、マイナスの考えを掻き消す。


私がただ単に性格が悪いだけかと思い悩んだ時もあったが、必ずマイナスな感情を否定するプラスの感情も同時に抱いていたから、それだけではない気がした。



自分で言うのはおかしいと思うが、私は昔から正義の塊のような人間だった。


荷物が重そうなお婆さんがいたら、荷物を家まで一緒に持って行ったこともあったし、いじめられている人がいたら敵を作ってでも守った。


赤信号だって絶対渡らなかった。


クラスメイトの男の子に、「正直者は馬鹿を見るんだよ。」と馬鹿にされたこともあった。



しかし、私は何故かいきなり悪い事をしだす子供だった。


一つエピソードを話すとしたら、仲が良かったレナちゃん家に遊びに行った時のこと。突然私は2人で絵を描いてた画用紙いっぱいに「レナのばか!」と描いたのだ。


レナちゃんは大泣きしてしまい、レナちゃんのお母さんに怒鳴りつけられたのを今でも覚えている。


ここには書かないが、他にも沢山エピソードはある。


それはいつも正義の塊のような人間がとてもやるように思えない行動ばかりだった。




もしかしたら今までの悪事もこのもうひとりの私がやったことなのかもしれない。

私が気づいてなかっただけで、何年も前から私の中には二人の人間がいたのかもしれない…。


そう考えると、私は恐ろしくて急いでもうひとりの自分は誰なのかネットで調べた。





もうひとりの私が暴走する前になんとかしなくては…!




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