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大義無き大戦  作者: 玉城羽左右衛門
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タイギナキタイセン

俺は何で生まれてきたんだろう。

最初はそんなことばかり考えていた。

人とは生を成し、成長を経て死という普遍無き終わりを迎える。

まあ、人間とはこの様なものである。まして生物とは全て共通して言える。

これが答えかと言われたら何とも言えない。

生きるとは何か。

人間は古来よりこの問題について議論をなし、一種の哲学という分野を確立しその真理を追究に追究を重ねたが答えには至らなかった。

生というものに意味は非ず。

もしかしてだが生とは理であり、それに意味はなく万物の構成上の原点にあるかもしれないと———

俺も最初の頃はそれに辿り着きそれが答えと錯覚したがもう一つの脳内思考がそれを否定した。

いや、そうとは考えたくなかったのであろう。

それこそ、私の誕生を否定させる考えであったのだから。


私は自分の生に意味を求めていた。

まあ、前述の通りだ。

人の為に役立てられる生を。

私自身が作られた生であったが故であろう。

私は無意味な生に意味や価値はなく故に毎日毎日生きることに意味や価値を成さないナチュラリストは実にいらなきものであったと思った。

だが実際は『物』である私が一番要らなかったと思う。


人類はついに『生命』を改造することに成功した。

いや、元々人間外生物の遺伝子成功していたが多種多様な問題の元、そう簡単に扱えていなかった。

まして人である。

そう簡単に人間を生成されては人類の均衡が揺るぎかねない

故に世界各地の人権団体がこれを批判し、指導者は民衆を扇動し人工生命体を批判した。

だがこれは最初のほうだけであった。

そのような運動は徐々に薄まっていきいつの間に人工生命体は生活に浸透していった。

歴史上、人とは便利な物には目がなくもしそれが使えるものであれば貪欲に使いたがる。奴隷、蒸気機関、飛行機etc…

今や、世の中は人工生命体を支持している。

多分、裏に何かしら仕組まれたものがあるのだろう。


そうでなければ人権団体がクローンに人権なしと言う訳がない。

ナチュラリスト特有は自分の利益しか考えない奴らである。

尽くすものがなく、ただただ自分たちの欲の為に活動を続ける。

そんな豚のような糞共だ。

だが俺はそんな奴らに作られた。














陽入り込む寝床の朝。

戦火を逃れたこの建物はやや風化しながらもまだまだその役割を果たせるほどの機能を有していた。

寝起きの目に陽光を食らう。眠気も相まりそれはまさに閃光爆弾の如き眩しさであった。そうして私は遥か遠き理想郷たる夢から覚めた。

こんな地獄における唯一の安息である。

だがそれも終わりを告げ今や地獄たる現実と対峙していた。

「ただいま、糞溜まり。」

おはよう代わりに独り呟く。

直後隣のベットから物体が直角的に起きた。

睡眠明け故、少しばかり驚いたがいつもの光景であると思い返し脳内の冷静さを保つ。

その物体は腕を大きく伸ばし大きく溜息をついてこちらを見つめ言葉を放つ。

「おはよう、お兄ちゃん。」

「その呼び方辞めろ。おはよう兄弟。」

二人は数秒見つめ合うとすぐさま行動を開始した。

さあ、今日も地獄の始まりだ。

血で血を洗い、大地をいくゑの死に体で埋める現世地獄の開始だ。

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