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中華街ウォーズ  作者: oga
6/11

バトル

リーダーの睨んだ先には兄弟3人がいた。

「おい、うしろでわめいてるのを人質に取ってこい」

仲間の一人がチラッと視線をよこし、

「了解」

と言う。

「ショベルカーのじじいには悟られないようにな」

と、リーダーがささやき、矛でけん制する。

ショベルカーを挟んで、リーダーともう1人が挟み撃ちにし、同時に仕掛ける。

「そうはいかん!」

チェン爺は、前進してリーダーを押しやり、挟撃のタイミングをずらす。

「行け」

リーダーが合図し、3人の内1人が路地裏へと消えた。


遠巻きに見ていた3人は背後に忍び寄る影に全く気づかず、チェン爺を応援していた。

「あー、もっと早く動かなきゃ!」

ソウハがアームを操作するみたく手を動かす。

「スポーツ観戦じゃないんだから、黙って見てなさい」

リンユーがソウハを小突いた。

「でもラチがあかないよな……」

サモが不安げに見つめる。

膠着状態が続いていた。

矛使いにはすでにアームを見切りつつあったが、不用意に踏み込めば餌食になる。

「アタシたちで何とかフォローできないかしら?」

リンユーが言ったが、

「チェン爺の足を引っ張ることになるよ。やめておこう」

といつになく真面目な顔でサモが止めた。

「正しい判断だが、もう足手まといだ」

聞き慣れない声が背後から響き、兄弟はとっさに飛び退いた。


兄弟の背後に矛使いの1人が回りこみ、リーダーと挟まれる形となってしまった。

逃げ場はない。

(しまったわ……)

リンユーは内心、焦りを覚えたが、

「3対1じゃない、アタシたちの方が有利よ」

と言い、自分を奮い立たせる。

「ふん、お前たちとやり合って負けるとも思えないが、これならどうだ?」

と男がいい、

「こっちは抑えたぞ!」

と大声で叫んだ。

すると、

「おい!ショベルカーのじじい!後ろのガキを殺されたくないなら、出て来い!」

と今度はリーダーがチェン爺に向かって怒鳴った。


兄弟はチェン爺を人質に取られ、チェン爺は兄弟を人質に取られる形となってしまった。

「く……」

チェン爺がショベルカーから出てくる。

「俺の合図で向こうはすぐ血祭りにできるんだ。所作には注意しろよ」

とリーダーが言い、ショベルカーの裏に回っていた仲間に手で合図を送った。

グサリ……

チェン爺の背後から、矛が突き刺さった。

「うぐっ……」

チェン爺がうめき声を漏らす。

兄弟が遠くで悲鳴をあげた。


矛は急所を外し、腹の近くに刺さっている。

「仲間をやってくれた礼をしないとなぁ」

と男がニヤリと笑みを浮かべながら矛を手で回す。

「うぎゃあああっ」

チェン爺のうめき声が叫びに変わった。

「や、やめろっ」

ソウハが叫んだが、

「動くな!動いたら殺す!」

と男が怒鳴る。

矛をえぐられる度に激痛が走り、血が滴る。

その血は、矛を伝い相手の手を染めた。


意識が遠のく中で、反撃のチャンスが訪れたことに気づいた。

この伝う血に気を流し込めば、相手に攻撃できる。

しかし、気を練るには、心を静めなければならない。

(痛みごときで……シンがいない今、わしが守らねばならんのじゃ!)

チェン爺は必死に心を静めようとするも、グリグリやられ、それどころではなくなる。

「無理じゃあああギャアアアア」

あまりにも悲痛な叫びに、とうとうソウハが飛び出した。

「チェン爺っ!」

「ソウハっ!」

サモが止めようと手を伸ばしたが、届かない。

男は矛を構え、それを思い切り振りかぶり、ソウハの背後に投げつけようとした。

「く……るな!」

チェン爺が息絶え絶えに言う。

リーダーもソウハに反応し、そちらに向き直る。

絶体絶命、その時だった。


リンユーの中で、時がスローモーションになるのを感じた。

回りがゆっくり動く。

男がソウハに矛を投げつけようとしているのを目で追い、それを止めるべく1歩、2歩と近づく。

相手は間合いに入られたことに気づかない。

リンユーは気を練りこみ、限りなく完璧な所作で相手の胸に手をあてがった。

「死んどけ!」


男の心臓が一時的に止まり、それにより酸素が脳に行き渡らなくなる。

そして、意識が飛んだ。

だが、一方ではリーダーが矛を構え、ソウハにそれを繰り出す瞬間だった。

「やめろおおおおーっ」

サモ、リンユーが叫んだ。

「援軍はない、死ねっ」

リーダーが矛を繰り出した。

ソウハは目をつぶって走り抜けようとした。

しかし、矛は無情にもソウハを完璧に捕らえていた。

そして……


矛が動いたのと同時に何かがソウハとリーダーの間に割って入った。

原付に乗ったグエンであった。

「何っ!」






携帯でうったら、しの予測変換が死ね、死んどけ、心臓になったw

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