闘技場
私情により投稿が随分と遅くなってしまいました。
俺は本を閉じた。
「何この桁外れな異世界・・・」
死なない種族に空飛ぶ種族とかチートにもほどがある。
それにまだこの世界のことがまったく分からない。一応先の戦いに向けてここ1週間魔法の練習をしていたおかげでテニスボール位の火玉を作れるようになった。
するとまた扉を叩く音が
「すいません。入ってもよろしいでしょうか?」
リールの声だ。扉を開けるとそこには・・・
私服の女の子が立っていた。純白の布にその四肢を包んだその姿に一瞬反応が遅れた。
そこにはいつものメイド服ではなく白い清楚なワンピースを着た少女が立っていた。
「あの、ロア様・・・」
おっと一瞬意識があらぬところに
「何かな?リールが私服なんて珍しいね。」
「はい。今から王都に行くのですがロア様も誘ってみようかなと。気分転換も必要ですし。」
心配げにこちらを見つめる
そういえば最近というよりこの世界に来てからあまり外に出ていないな・・・というよりここが世界のどこら辺にいるかも分からないからな。
「それに、王都には国立大図書館がありますし。」
そう言ってリールは俺がベットに広げていた本を見つめ呟いた。
まぁ、この世界の攻略法とやらが俺にはまだ分かってないものでね。
『黒土』に向かうにしても何かと準備が必要だ。俺にはまだこの世界の知識また、戦う力何にしても遥かに足りない。
後にリールに聞いたことだがこの世界には二つの大陸が存在している。それが『黒土』と『白土』。
そして今、俺がいるここは様々な種族が暮らす白土の中心に存在する『ルーリア』と呼ばれる国。
そして、その国を囲むようにして存在する種族の国・・・
「行くよ!」
いつか夢見るその日のために・・
◇◇◇
目の前の景色を見たとたん
俺一生ここで暮らそうかな・・・
そう思った。
いやいや、ダメだ危うく目的を忘れるところだった!!
そこはTHE異世界だった。
まず、目をひくものそれは巨大な城だった。
天空に浮かんでるのではないかと錯覚するほどの崖の上に建てられていて周囲には何か球状のものが浮かんでいた。
「何だあれ?」
俺の視線の方向に気づいたのかリールが一つずつ説明していく。
「あれは監視用魔法道具です。あの球体に写る360度の景色が城の監視室に届けられる仕組みです。」
へぇー便利なもんだな。
もしかして技術の発展もこちらの世界の方が進んでるのでは
キョロキョロと視線を動かしていると
人だかりを発見する。しかも随分と長い行列だ。
「あれは?」
「あぁ、あれはですね闘技場です。」
「闘技場?」
闘技場ってあれか人同士でお金を賭けて闘う・・・
「この時期この闘技場でやる。その名も「マクガティア」。
全世界から集まった種族が戦い競いあうお祭りです。
あと一週間で出場者の閉め切りだったかな?
毎年お祭り騒ぎですよ。ただ、このお祭りは変わっててですね。お題が出されてそれにあった闘いをしなければならないんです。」
「お題?」
「例えば魔法を使うにしても火の魔法しか使ってはダメとかそんな感じです。」
ということは魔法も使用可ということか。
おもしろそうだな。お祭りが始まったら行ってみようかな。
この時は思わなかったんだ。まさかある事件をきっかけにこの祭りに参加することになるなんて・・・




