2月の教室
掲載日:2015/01/22
寂しい匂いがするのは
寒さのせいだけじゃないな
まだ誰もいない教室で
白いカーテンを揺らした
時間が早く進むのは
季節だけの問題だろうか
座り慣れた自分の席で
頬杖をついてさ
何を見つめていたいんだろう
それも分からなくて
きっともう少しだけこのまま
座っていたいだけなんだ
廊下の方から楽しそうな声
誰かがもうすぐ来るらしい
ドアが開けられると同時に
魔法のベルが鳴った
無意味に笑い合えば
これで良いと思えるんだ
このまま何も変わらないと
そう考えてしまうよ
さっきまでの鬱屈した気分も
魔法にかけられみたいに
夢と現実の間を
彷徨っているだろう
眠気を終える時間は
あの気分を呼び起こした
周りを見渡せば
皆帰る準備をしている
夢心地が終わる気配に
彼らは表情を変えない
気づかないだけなのか
通り抜けた後なのか
離れていく足音
ここからは一人ぼっち
それぞれが鞄を背負って
どこかへと向かっていく
鬱屈した気分が手を伸ばして
夢と現実の間を抜けた
何も見えないその場所で
魔法のベルが鳴り響いた
寂しい匂いがするのは
寒さのせいだけじゃないな
誰もいなくなった教室で
一人鞄を手に持った
読んで頂き、ありがとうございました。




