表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

歌詞集

2月の教室

作者: 朝永有

寂しい匂いがするのは

寒さのせいだけじゃないな

まだ誰もいない教室で

白いカーテンを揺らした


時間が早く進むのは

季節だけの問題だろうか

座り慣れた自分の席で

頬杖をついてさ


何を見つめていたいんだろう

それも分からなくて

きっともう少しだけこのまま

座っていたいだけなんだ


廊下の方から楽しそうな声

誰かがもうすぐ来るらしい

ドアが開けられると同時に

魔法のベルが鳴った


無意味に笑い合えば

これで良いと思えるんだ

このまま何も変わらないと

そう考えてしまうよ

さっきまでの鬱屈した気分も

魔法にかけられみたいに

夢と現実の間を

彷徨っているだろう


眠気を終える時間は

あの気分を呼び起こした

周りを見渡せば

皆帰る準備をしている


夢心地が終わる気配に

彼らは表情を変えない

気づかないだけなのか

通り抜けた後なのか


離れていく足音

ここからは一人ぼっち

それぞれが鞄を背負って

どこかへと向かっていく

鬱屈した気分が手を伸ばして

夢と現実の間を抜けた

何も見えないその場所で

魔法のベルが鳴り響いた


寂しい匂いがするのは

寒さのせいだけじゃないな

誰もいなくなった教室で

一人鞄を手に持った

読んで頂き、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 寂しい気持ちがよく伝わってくる作品でした。 これから訪れる春は暖かくて優しい季節のはずなのに、卒業など別れがあったり、切ない季節でもありますね
[一言] 冬の教室で一人じゃ寒いよね
2015/01/22 17:05 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ