遠山くんと本
前回までのあらすじ
遠山くんが入部希望しちまった。終わり
「なんで?なんで?」
「そんなことはどうでもいいだろ。部長はどこだ?」
「ブチョーハボクデス(訳:Iam部長)」
「よし!帰るか!」
「ちょ、ちょっと待ってよ」
「なんだ?」
「この部、廃部寸前だから、あんたも入りなさいよ!」
森島さん・・・ツンデレパネェっす。あれ?コイツこんなツンツンだったっけ?「おバカでーす」ってキャラじゃなかったっけ?ま、俺得だからいいや
「えー、ヤダー」
「ナニガキニイラナインデスカ(訳:何が気に入らないんですか?)」
「お前だよ!?」
「エー!!」
「エーじゃねーよ!」
「ちょ、ちょとストーップ!」
「何?」
「それで、遠山は入ってくれるの?」
森島のユニークスキル「上目遣い」キター!これで頼まれたら暗殺の依頼でも引き受けてしまうという恐ろしい能力。
「う・・・わかった。・・入るよ」
「やったー!」
喜んでいる森島のとなりで鬼のように俺を睨むモーリス。何あれー?ちょっと~俺のこと見つめてくるんですケドー、キモーイ!
「で、他の部員は?」
今部室にいるのは森島とクズだけ。ほかには誰もいない。
「え?何言ってるの?この三人だけよ」
「え!?」
「廃部寸前って言ったじゃない」
「いや少なすぎるだろ!」
「大丈夫。三人で人集めればいいじゃない」
「えーめんどくさー」
「ソンナコトイワナイデクダサイ、デハキョウハモウコレデカイサンニシマショウ(訳:そんなこと言わないでください、では今日はもうこれで解散にしましょう)」
「わかったわ」
「へーい。じゃあ帰るか。」
~自宅~
「ただいまー」
「おう!おかえり!茶道部どうだった?」
「入ることになったよ」
「そっかー、良かったじゃん」
「全然よくねーよ」
「ほんとに~?」
怪しげな目で見つめてくる。べ、別に、森島と話す機会が増えたから嬉しいとか、思ってないんだからねっ!
部屋に戻りCQCの練習を始めた。
「そういえば明日は祝日で学校が休みだな」
買いたい本があるから本屋にでも行くか。
一夜明け、朝早くに俺は家を出た。今から行く本屋は俺の家から2キロぐらい離れているところにあり、自転車で片道30分といったところだ。普段外出しない俺にとっては遠出だ。しかしそこの本屋はこの町一番の大きさを誇る。大抵の本はそこにあるので、俺は買いたい本があればいつもここに来る。
本屋につくと、俺は急いで中へ入った。
「生き返る~」
もう夏なので外はかなり暑い。猛暑といってもいいくらいだ。それに比べこの店の中は涼しい。そして大量の新しい本があった。
俺はそれを気配を消して、眺める。別に盗みとかはしないよ。ただ同じクラスのリア充に会って「ああ、あいつ遠山じゃね?」とか言われたくないからだ。