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遠山くんと不愉快な高校生活  作者: 伊集院JACK
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遠山くんと告白

~次の日~

朝、少し遅れて教室に入ると、俺の机の上に黒髪の少女が座っていた。

コイツは俺と同じクラスの森島彩だ。一年の頃も同じクラスで無駄に馴れ馴れしく、俺も最初はビッチかと思い警戒していたのだがどうやら違うらしい。おそらくコイツは俺に気があるのだろう。根拠はない

「あ!」

どうやら俺の存在を認識したらしい。

「遅い!何してたの?」

この質問からもう察していると思うがコイツはかなり頭がアレだ。

「寝坊以外に何がある?」

「あるよっ!た、たいきょくけんとか?」

「そんなことしてる高校生は全国でお前くらいだ」

「そ、そそ、そんなことより!」

「なんだ?

「き、今日放課後、こ、この教室で待ってて!」

「え?」

「じゃ、じゃあ!」

そう言うと、森島は走って自分がいつもつるんでいる輪に帰っていった。

「あ、おい」

ま、ま、まさか、こ、コレって?こ、こ、こく、告白ゥゥ!?

~放課後~

静かな教室に俺の貧乏ゆすりの音だけが響く

時刻は5時半。クラスの皆が帰ってから1時間は過ぎている

しかしあいつも俺を待たせるとはいい度胸だな。来たときには一発ビシッと言ってやらなきゃな。

「ごめん!ま、待った?」

「い、いや!お、俺も今来たところ!」

オイィ何言ってんだ俺ェェェェ!?

なんでこんなクサイ台詞吐いてんの!?

「そっか、よかった~」

「で?よ、用ってなんだよ」

「あ、そうだ、あの、あのね、へ、変なこと聞いてもいい?」

「答えられる範囲で答えてやる」

ドンとこい!なんでも答えてやるよ!彼女?彼女か?彼女ならいねえぞ

「あの、えっと、遠山って・・・ちょ、超能力とか、使える?」

は?・・超能力ってなんだ?まさか石を硬くするあの能力のことか?でもなんでこいつはそのことを知っているんだ?ダメだ、頭の中がわからないことでゴチャゴチャになっている。

「と、遠山?」

「え?ああ、な、なんでそんなことを聞いたんだ?」

「え?なんでって・・・」

森島が顔を赤く染める

「わ、笑わないで聞いてくれる?」

スッゲー上目遣いで言われた。ヤベー一瞬我を見失いそうになった。

「あ、ああ」

返事をすると、俺の耳元の凄い近くに顔を近づけてきた。シャンプーのいい匂いがする。

「あ、あのね、実は私ね、最近、ち、超能力に目覚めたんだ」

「超能力?ど、どんな力だ?」

「えっと、なんていうの?予知?」

「予知ィィ」

予知ってなんだよ!使い道ありすぎて使わないで過ごせって方が難しいじゃねーか!

「わ!?何?いきなりおっきな声出して!?」

「あ、す、すまん。でもなんでそれを俺だけに言ったんだ?」

「は?あんただけなわけないでしょ」

さいですか

「で、でもみんなに話しても笑うだけだもん」

「だろうな」

「なんであんたは笑わないの?」

「フッじつは俺も、最近、ある能力に目覚めたんだ」

「え!?なになに!?サイキック?テレパシー?」

目を輝かせて俺の顔を見つめてくる

ホントやめてくださいよ森島さん。期待してもらうのは別に悪くないですけどさぁ、限度ってものがあるでしょ。ここで俺が「石を硬くする」なんて言っちゃぁどんだけ冷めた顔されるかわかったもんじゃないよ。

「え、えっと、あれだよあれ、ぶ、物質硬化」

「えー!何それ?かっこいい!?」

嘘は言ってない。嘘は言ってないぞ。

「見せて見せてー」

「え?ちょ、ちょっと今日ちょ、調子悪いからなぁ」

「えーでも見せてよ」

「でも調子悪いからなぁ小さいものしか無理」

「じゃあ私の消しゴ・・・

「石でいいよ」

「いやでも、ここに石ないからやっぱり私の消しゴ・・・

「石でいいよ。石だったら帰りながら披露できるだろ?」

「うーん・・・いいよ!」

そう言うと森島は教室を出た。

~河川敷~

「じゃあこの石硬くして」

森島から渡されたのは綺麗な丸い石だ。

「フッ見て驚け!」

そう言った俺は石を持った右手に力を込めた。

右手がすごい輝きを放つ。いつ見ても演出だけはすごい。

光が収まり右手を開くと先程となんの変哲もない石。それを森島が奪った。

「何も変わってないじゃん」

すごい落ち込んだ顔で石を見つめる。

「ではそこの電柱に思いっきり投げてみろ」

森島は大きく振りかぶり、電柱に向かって石を投げた。

『ドゴッ』

石は電柱にめり込んだ。

「どぉーだ!これが俺の力だ」

「じゃ、じゃあ次はこの消しゴ・・・

「よし、帰るか」

そう言って俺は全力で走って帰った。


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