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7、国王様に謁見です

不定期更新すみません。

3日に一回は更新できるように頑張ります!

 暫く沈黙が流れたが、セシリアが頭を下げたことにより状況が動き出した。

「姫様!」

「何も頭を下げる必要など……」

「お黙りなさい。私たちがこの方たちに強いた行いはこのくらいでは本来許されないのです。その上で申し上げます。茜様、彩様。私が言えた立場ではありませんが、どうか玉座の間までお越し下さい」

 一国の姫が頭を下げるという事態に、非難する声を一喝して黙らせる。

 その上で懇願されて、彩はそれ以上ここでつつくのは止めた。

 どうせ王様には会わなければならないのだ。

「わかりました。案内お願いします」

「お願いします!」

 彩に続いて茜があっさり同意すると、セシリアが流石に驚いて問い掛けて来た。

「よろしいのですか」

「だって、王様が来れないことなんて想像の範疇だし。流石に権力者は威厳とか大切でしょう? 私が見たかったのはこの国の在り方だし」

「お姉ちゃんは無意味に喧嘩売ったりしないよ! ちょっと考えなしだけど」

「あんたが言うな! あんたが!」

 勇者である妹の頭をぐりぐりする彩と、痛い痛いと訴えている茜に、セシリアはぽかんとしたあとくすくすと笑い始めた。

 セシリアは漸く彩の意図に気付いたのだ。

 城の者への教育をまたし直さなければならないことを痛感しながらも、彩が目を付けたであろう者たちをピックアップしていく。

「本当に仲のいいご姉妹ですね……」

 そこには深い憧れと、少しの切なさが潜んだ声だった。

「セシリアさん?」

「うん。私たちは世界一仲がいい姉妹なんだから!」

 敏感に察知した彩とは違い、茜はえへんと胸を張った。

 その動作に合わせて男性の視線が殆どそちらに吸い寄せられたのは悲しい男の性だと言っておこう。

「こほん。それでは行きますよ」

「そうね」

「……うん?」

 さり気なく茜を視線から庇うように立った彩に、茜は不思議に思いながらも首を傾げて後に続いた。




 玉座の間は儀式の間から長い回廊を歩いた先にあった。

「スゴーイ! ここが王城?」

「茜、はしゃがないの。置いてかれるよ」

 玉座の間の前で忙しなく視線を動かして隙さえあれば飛び込んでいきそうな茜の手綱をしっかり握りながら、彩は茜を叱る。

 セシリアはそんな茜の様子に暫し困惑気味な表情をしていた。

 最初は茜も緊張していたので彩と常に共にいようとしたが、ここが安全だとわかると彩が見つけてくれるのを知っているため、色々見て回りたくなってしまったのだ。

 だが、茜はどこかにうろちょろすると、直ぐに厄介事を抱え込んできて彩まで巻き込んで大騒ぎになるのだ。

 そんな性格が愛おしいと思うが、今はじっとしていて欲しい。

「セシリアさん。王様とはお話するのですか?」

「はい。少しお願い致します」

「あうぅ」

 さっさとセシリアと話を進めると、セシリアも政治関連は彩の担当だと思ったのか彩に答えてくる。

「セシリア様。国王様がお呼びです」

「わかりました。よろしいですか?」

「はあ。大丈夫ですよ」

 彩が答えると、セシリアは頷き中へと歩き出した。

 彩も続こうと歩き出そうとした瞬間、ギュッとローブを背中から掴まれて茜に止められていた。

「お姉ちゃん、大丈夫……だよね?」

「……うん。あんたはお姉ちゃんが守るから」

 そっと重ねた手を引いて共に歩み出す。

 少し遅かったのに困った表情をしていたセシリアが、手を繋いで歩いてきた彩たちに安堵の息を吐いていた。

 手を引かれた茜は、叫びたくて、伝えたくて仕方なかった。

 そんなことが聞きたかったんじゃなくてーー。

 あと一歩が踏み出せない自分が悔しくて、瞳に涙が溜まってくる。

「よく来た。勇者殿と異世界のお方」

 立ち止まった彩に倣って足を止め涙を拭う。

 この涙だけは誰にも見られたくなかった。

「はじめまして、私はこの度の儀式で『魔術師』の称号を得た藤代彩です。こちらにいるのが私の妹で『勇者』の茜。よろしくお願いします」

「そうか。我が国のために呼び出してしまい大変申し訳ない。勇者殿とお話しても?」

「はい。ほら、茜」

 促されて前に立つと、そこには金髪碧眼の壮年の男性がいた。

 茜は真っ直ぐと王様を見定める。

「私はヤンヴェルト・ノイツ・エバンス。この国の王だ。家族を紹介しよう」

 果たして国王様の後ろには、美男美女がいたのだった。





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