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第一章 智の家 

気になった俺は学校帰りに智の家によってみることにした。智の家に着きインターホンを鳴らすと、元気のなさそうな智の母親が出てきた。

「こんにちは、おばさん。智は今日、風邪ですか?」

「それが、今朝の十時頃、変な男から電話があって、智を誘拐したって言ってきたのよ。」

「犯人の要求はなんだったんですか?」

「ここじゃマズイは中に入ってくれる。」

智の母親は誰にも漏らすなと言われていたのかもしれない。彼女は犯人が見張っているかもしれないと考え、俺を招き入れたのだ。中に入ると俺は、ランドセルの中から手帳を取り出し、いくつか質問をした。この手帳は遊び半分で持ち歩いていたのだが、まさか本当の事件に使う時が来るとは思わなかった。質問はだいたい下記の通りだった。

Q犯人の要求

A現金1000万円


Q1000万円は用意できたのか

A用意できた


Q智を最後に見たのはいつか

A昨夜の11時頃(寝る前)


Q智の寝た時の服装

A水色の半袖、半ズボン


Q夜中にもの音を聞かなかったか

Aいいえ


質問はこのようなことだった。

さらに犯人は挑戦的なことを言ったらしい。

「智の同級生一人にはこのことを教え、捜査しても良い、誰を選ぶかはお前(智の母親)に任せる」

母親はすぐに俺のことが頭に浮かんだらしい。おそらく俺が推理小説をたくさん読んでいるということを智から聞かされていたんだろう。俺は犯人の挑戦を受けることにした。

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