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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

つぎ……は……あ、なた……?

作者: 如月瑠璃
掲載日:2026/05/21

七不思議壱番目‐美術室の首吊りヴィーナス


ひゅるるるる――


風が外を駆け回る音で目が覚める。


あなたは、暗い美術室で絵を描いている。

体は金縛りにあったように動かないのに、手だけが勝手に動いていた。


気づけば、目の前には一枚の絵が完成していた。


それは、真っ白なヴィーナス像のデッサンだった。


その時、ぱらぱらと白い石膏の欠片が落ちてきた。


見上げると――

白い人形のようなものが吊るされている。


よく見ると、それはヴィーナス像だった。


あなたが描いた絵とまったく同じ――。


血の気のない顔が、ぎこちなくこちらを向く。

血のように真っ赤な唇が、わずかに動いた。


「つぎ……は……あ、なた……?」


解説


絵が大好きだった彼女は、小学生のころから、ずっと美術室で絵を描いていたという。

放課後になると、いつも一人で――。


高校生になった彼女は、両親に美大へ進学したいと打ち明けた。

しかし、猛烈な反対に遭い、画家になりたいという夢を断たれてしまう。


その後、彼女は医学の道へ進んだが、それでも一人で絵を描き続けていた。


だが、大学生になって三年が経ったころ、彼女の体に末期の膵臓がんが見つかる。


彼女は病室でも絵を描き続けていた。

しかし、それを見つけた母親は、絵を侮辱し、破り捨てたという。


両親に否定され、絵も描けない人生を悲観した彼女は、病院を抜け出した。


そして、自由に絵を描くことのできた唯一の場所――美術室で、首を吊って亡くなった。


美術室で一人きりで絵を描く時は気をつけてください。


ヴィーナスは、一人で絵を描く生徒を、自分が描いた絵の世界へ引きずり込み、一生モデルとして描き続けるそうです。


ヴィーナスは、いつも“次のモデル”を探しています。


――生きている者の手も、目も、すべてを次の作品へ変えるために。

読了ありがとうございます。

好評でしたら弐番目以降も連載します。

感想・評価お待ちしてます!


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