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プロローグ

夢を見た。

丘の上だった。

冬の冷たい夜風が、静かに吹き抜けている。

遠くには街の灯りが小さく瞬き、

その上には―空が広がっていた。

けれど、それは普通の星空ではなかった。

星が、音符のように並んでいる。

丸い光と、それをつなぐ細い線。

まるで誰かが、

夜空に楽譜を描いたみたいだった。

風が吹き、草が揺れる。

その音は、静かな音楽みたいだった。

ふと隣を見ると、女の子が座っていた。

夜風に、長い髪が揺れている。

月の光を受けた瞳は、淡い茶色だった。

少し外国の人のような顔立ち。

でも、不思議だった。

初めて会うはずなのに。

ずっと前から知っている気がした。

女の子が、空を指さした。

「ねぇ、なぎちゃん」

その声は、とても静かだった。

「見て」

僕も空を見上げる。

星が並んでいる。

まるで音符のように。

思わず笑ってしまった。

「ほんとだ。」

女の子も笑う。

「でしょー?」

少しだけ、日本語の発音が違う。

でも、その声はやさしく、落ち着いていた。

風が吹き、彼女の髪が揺れる。

月の光が、頬を照らした。

「ねえ」

女の子が言う。

少しだけ、声が小さくなる。

「もしさ」

彼女は空を見上げたまま、静かに続けた。

「離れ離れになっても――」

僕は彼女を見る。

なぜか、胸が痛くなる。

理由はわからない。

でも、大切なことを言われる気がした。

「またここで会おうね」

彼女は笑った。少しだけ、寂しそうに。

僕はうなずく。

「うん」

女の子が、涙を浮かべながら嬉しそうに言った。

「約束だよ!」

僕は聞こうとした。

名前を。

「ねえ、君の名前―」

その瞬間。

夢が終わった。

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