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アウトオブあーかい部! 〜部室棟 乙女の干物 集まりて 怠惰を極め 綴るは実績 電子の海へ あゝあーかい部〜 50話 試験勉強

ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立 池図(いけず)女学院。


そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。


あーかい部に所属するうら若き乙女の干物達は、今日も活動実績(アーカイブ)を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。


『アウトオブあーかい部!』は、そんなあーかい部のみんなの活動記録外のお話……。

ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立 池図(いけず)女学院。


そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。


あーかい部に所属するうら若き乙女の干物達は、今日も活動実績(アーカイブ)を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。


『アウトオブあーかい部!』は、そんなあーかい部のみんなの活動記録外のお話……。






池図女学院部室棟、あーかい部部室。




「……試験範囲はこんなものか。」




ひいろは1人、机の上に広げられた教科書を前に、のけぞって伸びをした。




「ちゃおっすひいろちゃん。」


「おお、きはだか。」


「おやおやおやおやぁ?なんだい教科書なんか広げちゃってぇ、優等生か?おん?」


「知らなかったか?ワタシは優等生だ……ッ!」




ひいろ、渾身のドヤ顔。




「こやつ、言いきりやがった……!?」


「隠れて勉強してるのはきはだもだろう?」


「わたしはテスト勉強とか全然してないよぉ?」


「出たな、本当はめっっちゃ勉強してるヤツの常套句。」


「定期テストあるあるだよねぇ。……あれぇ?でも定期テストはまだ結構先じゃないのぉ?」


「そうだな。」


「……はっは〜ん?」


「なんだその気持ち悪いニヤケ顔は。」


「さてはひいろちゃん……ビビっておるなぁ?」


「ビビるって、何にだよ。」


「転入生ちゃんに決まっておろう。学年トップを奪われるかも……ってブルってるんだねぇよしよし。」


「ビビってないしよしよしするなっ!」


「じゃあその教科書の山はなんだい?」


「これは……ちょっとしたサプライズだ。」


「エッチな落書きでもするのぉ?」


「あさぎじゃあるまいし。」


「それもそっかぁ。」


「……ワタシも受けるんだよ。その編入試験。」


「へぇ〜。」


「……驚かないのか?」


「なんでぇ?」


「なんでって、噂になっていた転入生の存在を明かしたようなものだぞ?」


「うんうんそうだねぇ。」


「……まさか、知っていたのか?」


「うん。」


「なんだと……!?」


「驚いてて草ァ!」


「わざと隠してたのか……。」


「そうなるねぇ。……で、なんでひいろちゃんが編入試験受けるのぉ?」


「……おばさんに頼まれて、な。」


「じゃあ当日は三つ巴のバトルロワイヤルだねぇ。」


「は……?まさか、きはだも……?」


「んふふ♪本気で勝負、してみるぅ?」


「人様の編入試験そっちのけで点数勝負なんて、飛んだ冷やかしだな。……入試の時と同じと思うなよ?」




ひいろの上がった口角がきはだの冗談めいた提案を快諾していた。




「まあねぇ。……でも、冷やかしととるか、エールととるかはあの子次第さ。」


「『あの子』?随分親身なんだな。」


「かもねぇ♪……じゃあ頑張ってくれたまえ。」




そう言うときはだはひいろの目の前の席に座り、頬杖をついた。




「……それはエールか?」


「冷やかしととるか、エールととるかはひいろちゃん次第さ。」


「……言ってくれる。」




ひいろは広げていた教科書を1つ残らず鞄に片付けた。




「お勉強は終わりかい?」


「ワタシはビビってなどいないからな。」


「ヒュ〜♪いるいるぅ、テスト直前になると妙に強がって惨敗するヤツ。」


「テストあるある……流行っているのか?」


「これみよがしに話題を振って来たのはひいろちゃんであろう。」


「まあいいか……。で?きはだは普段からコツコツやっておくタイプだったか。」


「そもそも『テスト勉強』自体が学力の債務履行なんだよねぇ……。」


「債務か。溜め込むほど利息で苦しむ辺り、的をいているな。」


「うむ。」


「で、債務不履行の到達点が補修という名の地下労働な訳だな。」


「あさぎちゃんのことだねぇ。」


「あさぎは……アレでよく入試受かったな。」


「わたしたちの代は文系科目の平均点が低かったからねぇ。」


「文系特化のあさぎにとって有利に働いた訳だな。」


「平均4割のテストでほぼ満点取りよったからねぇ……。」


「そう思うとバケモノじみているな……。」


「お前ら人間じゃねえっ!」


「お?どうしたバケモノ筆頭。また新入生代表スピーチするか?」


「よしてくれ旦那、そいつぁもう昔の話ですぜ。」


「きはだも、入試以外でも本気出せばいいのに……ん?」




ひいろはきはだが早々に帰り支度をしていることに気づいた。




「きはだ、もう帰るのか……?」


「フッ。これ以上の干渉は野暮ってものさ……。ここは明日またあらためて出なおすとするよ。」


「出直すって言うか部活な?」


「きはだちゃんはクールに去るぜ。」




そう言い残すと、きはだは部室から出ていった。




「なんだ、結局ただの冷やか……




ひいろは口から出かけた『冷やかし』という言葉を飲み込んで、静かに笑った。




「きはだなりのエール……ととらせてもらうよ。」




1人きりになった部室で、ひいろはまた机に教科書を広げた。








きはだ、ひいろ(2)




ひいろ:起きてるか?


きはだ:お〜

きはだ:こんな所でなんて、珍しいねぇ?


ひいろ:編入試験の話だからな


きはだ:なになにぃ?ご飯代でも賭けるのぉ?


ひいろ:賭博はやらんッッ!

ひいろ:みどりさんが悲しむからな


きはだ:え、なに惚気られてる……?


ひいろ:すまない脱線した

ひいろ:転入生のこと、気になってな


きはだ:知ってどうするんだい?


ひいろ:ただの興味だよ


きはだ:ひいろちゃんの理想のタイプじゃないから安心して試験に励むが良い


ひいろ:そりゃみどりさんはもう生徒だからな


きはだ:惚気られてる?


ひいろ:すまんすまん


きはだ:ハーフの子


ひいろ:ハーフ?


きはだ:あとめんどくさい


ひいろ:教えてくれるんだな……


きはだ:最初の友だちのよしみってことで


ひいろ:15年間よく頑張ったな……


きはだ:『高校で』だよぉ


ひいろ:そっかぁ


きはだ:それきはだちゃんのやつ


ひいろ:ワタシの新入生代表スピーチを掻っ攫ったのはこれでチャラにしてやるよ


きはだ:やりたくなかったんだけどなぁ


ひいろ:ああいうのは主席がやらないと箔がつかないだろう


きはだ:箔いらないんだけどなぁ……


ひいろ:ワタシたち、また入学前とおんなじこと言ってるな


きはだ:だねぇ


ひいろ:転入生が来たらこのエピソードでマウントをとらせてもらうとするか


きはだ:いいけどめんどくさいよぉ?


ひいろ:さっきも言ってたなそれ


きはだ:信じるか信じないかは、あなた次第です……ッ!


ひいろ:やり過ぎないよう善処するよ

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