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はははうちうじん  作者: 葉山麻代


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6/7

スマートフォン どこまで持っていく?

 ある日、学生時代からの友人に相談された。


「妻が常にスマホを持ち歩き、トイレや果ては風呂にまで持ち込むのは、一体なんだろう?」


 友人はそんなに深刻そうではなかったが、そりゃ世間的に見たら、不倫なり、出会い系なり、良からぬ事をしていて、スマートフォンが手放せない状況なのではないかと考える。


 だがしかし、その奥方はあまり洒落っ気がなく堅実的で、不倫や出会い系をするような雰囲気の人とは思えない。


「最近変わったことはなかったか?」

「特に無いと思うけど」

「奥方が、所在不明なことはないか?」

「そりゃ、買い物に出掛けたら、何時間か出掛けてるけど、特におしゃれもしてないし、いつもの通りだよ」


 おしゃれもしていない。そりゃ確かに、人に会うわけではなさそうだ。友人は商売をしているので、ご夫婦が一緒の事が多い。


「貯金に手を出したりはしていないか?」

「そもそも別口座だから、家の金というものはないな」

「そうなのか」


 簡単に思い付く質問がなくなった。


「奥さんに、聞いてもらえないかなあ?」

「うちのから、直接おまえの奥方に聞くのか?」

「うん」

「聞いてもらえるか、聞いてみるよ」

「面倒な事を頼んで悪いな。よろしく頼む」


 どう尋ねれば良いか、考えあぐねていた。知っている相手の事は、なおさら聞きにくいのだ。この件で、揉めて悪い方に向かっても後味が悪い。


 その友人から、夜になってメッセージが届いた。


「良く観察していたら、風呂には、大きめのジッパーバッグに入れた着替え一式も持ち込んでいる。あれは一体何のためだろう?」


 風呂なんだから、着替えを持ち込んでも何らおかしな事はないと思うが、良く聞くと、風呂上がりに着替える着替えの他に、もう一組持ち込んでいるのだそうで、予備のようなものらしい。


 謎が深まり、私は妻に頼むことにした。


「友人の◯◯知っているだろ?」

「勿論よ」

「奥方がスマホを手放さない理由を調べてくれないか?」

「は? どういう意味?」


 私は友人と話した内容やいきさつを詳しくのべた。すると妻は笑いだし、あろうことか、本人にメッセージを送っていた。


 ━━━━━━━━━━━━━━

        先日の話し、現実になった(爆)


 え、どういう事?


        うちの旦那に相談したみたい!


 ええー(爆)

 ━━━━━━━━━━━━━━


「ちょっと、どういう事?」


 メッセージ画面を見せてくれた妻を私は問い詰めた。


「あはは。先月お茶したときに、Aさんが自宅のトイレに閉じ込められた話を聞いたって話したでしょ?」

「あ、うん」

「電話を持っていたら救助も呼べるし、救助を待つ間の暇も潰せるし、常に持って入るべきよねって話になって、それなら、お風呂の鍵が壊れたとき用に、浴室内に着替えとか有ったらさらに良いよねって、話したんだけど、いきなり実行したら不倫を疑われたりしてって、笑ってたんだけど、本当に疑われたって、今笑ったところ」


 平和な理由で良かった。

 私の友人には、直接奥方が説明すると、妻が話していた。


 結果的に我々には平和な話だったが、最初に自宅トイレに閉じ込められたAさんは、脱水症状を起こし、当時は本当に危険だったらしい。


 自宅で1人の時は、トイレにもスマートフォンを持って入ることにしよう。

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