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はははうちうじん  作者: 葉山麻代


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5/5

ク▼ババア

 その会社に訪問すると、引き抜きにあうという噂があった。そんなに資金豊富なのか? それとも常に人が足りないのか?


 特に有益な資格もないので、そんな目にはあわないだろうとたかをくくっていたら、突然声をかけられた。


「あなた、いつも馬鹿みたいに元気いっぱいで良いわね。うちで働かない?」


 は? 喧嘩売ってんの? それが第一印象だった。なんとこのオバハnじゃなかった。50~60代のふくよかな女性がここの社長らしい。年齢にそぐわない、派手な服装をしている。


「あの、ただいまこちらには、仕事(納品)でお伺いいたしております」


 やんわり牽制してみた。


「そんなのわかってるわよ。だから、うちにぴったりだと思うのよ」


 何がどうぴったりなんだよ? 仕事なんだから、愛想よく訪問するに決まってるだろ。この時点で、脳内は暴言しか思い付かない。


「どのようなお仕事なのですか?」


 一応、社交辞令的に紳士な態度で尋ねてみた。


「卵売ったり、昆布茶売ったり、人を集めて色々するのよ」


 その説明じゃわからん。怪しさしか伝わらん。会社概要もわからん職場で働きたい人はいないと思う。


「はあ、そうなんですか。ですが、転職の予定はありませんので、」

「うちで頑張れば良いのに。頑張れば月10万くらいになるわよ!」


 穏便に断ろうと思ったら、言い終わらないうちに被せてしゃべってきた。それに今より月収下がりますが? 頑張って10万って、パートさんもいやがる数字。


(わたくし)、倍以上貰っておりますので、月10万のお仕事は致しかねます」


 これで諦めるだろうと、あえて金額の差を話題に出してみた。


「そこは、遣り甲斐でカバーよ」


 あ、こいつ、人として駄目なやつだ。後から揉めないためにも、わかりやすくはっきり断っておこう。こんな漆黒のどブラック、かかわり合いたくない。不幸しか生まない。


「大変申し訳ございません。転職の意思はないです」


 はっきりと分かりやすく断った。でも食い下がってくる。


「あなたのような馬鹿みたいに明るい人、是非うちで働くべきよ。どうにかならないの?」

「大変申し訳ございません」


 あくまでも丁寧に話し、しっかりと頭を下げた。


「勿体ないわあ。本当に勿体ない」


 ふざけんな。むしろ私が、おまえの会社には勿体ないわ。申し訳なさそうな笑顔を浮かべ、脳内だけで悪態をついておいた。


去りながらも、「勿体ないわあ。本当に勿体ない」と言いながら歩いていった。


 そして翌日、納品契約を突然切られた。事前注文分までキャンセルだ。しかも、昨日納品分も引き取りに来いと言っていたらしい。直接ではなく、私の態度が非常に悪かったと、わざわざ本社に電話してきたそうだ。


 人事と社長に呼び出され、「信用しているけど、一応説明をしてくれる?」と、説明を求められたので、全て話した。まず、人を褒める単語ではない言葉で、形容されたことから。


「あんのクソババア」


 社長が呟いた。


「あはは。本当にクソババアでした」


 今までも度重なる直前の変更などで、会社も迷惑していたらしい。


 あんなのが社長で収入も下がるところで働けとか、ホラーでしかない。何がホラーかって、ほぼ実話なこと。

 世の中には、関わってはいけない人というものが居る。関われば被害しか受けない。

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