母の嘘が酷い
いつもニコニコと明るい母だけど、たまにとんでもない嘘をつく。
俺が子供の頃、たまたま通りがかった花屋で笹を探している親子がいた。在庫が無いことを知ると、他に売っている店が無いかまで尋ねていた。
「ママ、あの人たちはどうして笹を探しているのかなぁ?」
車に戻ってから母に聞いてみた。
「きっとパンダを飼っているのね」
「そうなのかぁ!」
パンダ良いなぁ。僕も飼いたいなぁ。そう思い、生き物担当の父に頼もうと思っていた。父は、熱帯魚をたくさん飼っていて、ウサギやハムスターも居る。
待ち合わせした父に会い、先程の話をした。
「さっきね、パンダを飼っている人が、花屋さんで笹を探していたんだよ!」
すると、父は残念そうに言った。
「パンダは個人では飼えないぞ? それに今日は七夕だ」
「え、」
「大人の言うことを丸っと信じてはいけません。明らかにおかしいときは疑いなさい」
母は笑顔で言ってのけた。
母曰く、割りと大人は嘘つきで、間違っていること自体を理解していない場合もあるらしい。
そんな母は絶対に、サンタクロースがいる とは言わなかった。
「サンタクロースはいるよね?」
「ママは会ったことがないから分からないわ」
大人になって聞いたら、子供にサンタクロースがいるといつまで言うべきか、と言う人生相談を聞いたことがあって、自分が信じていた年齢までは子供にも信じさせたら良いと言う回答が、一番支持されていたからそれに習ったと言うことらしい。
で、いつまで信じてたの?と聞けば、人生で一度たりとも信じたことがないので、いつまでと言われても回答できない。と言うことらしかった。
幼かった頃の母が幼稚園に入って、回りの子供に初めてサンタクロースの話を聞いてまず思ったことが、大人の言葉で言えば、常識的にあり得ない。で、信じる派の攻撃的な相手にのみ、5歳児にして論破する子供だったそうで、それ以外の相手には、信じている人にはサンタクロースがくるんだと思うよ。と、うまくかわしていたのだとか。
そんな母だが、クリスマスプレゼントはきちんとサンタさんから毎年くれた。ほぼ希望通りの品物だった。
ちなみに、父は中学生になって、回りに笑われるまで信じていたそうだ。
俺? 小学生の頃、希望したものを貰えなかった友人がいたことで、サンタクロースは家の人なんだろうなと、何となく思っていたけど、居ないと認めたらクリスマスプレゼントを貰えなくなるかと思って、信じているフリをしていたけど、母にはバレていたらしい。
母には弟が居るけど、弟にはサンタクロースからと言って、母がおもちゃなどの高価なプレゼンを用意していたと言っていた。
あれ?じいちゃんやばあちゃんはプレゼント用意しなかったのかな?と思って聞いてみると、親からは、お菓子の入った大きな靴しかなかったらしい。
ちなみに父に当時なにを貰ったか聞いてみたけど、一切記憶に無いそうだ。「たぶんお菓子とか?」と言っていた。ばあばによれば、当時おもちゃもお菓子も用意したと言っていた。
そんな母は、幼い頃は夢の無い子だったのかと思ったら、魔法使いや超能力者は居ると思っていたらしい。サンタクロースとの違いはどこなんだろう? 線引きが謎すぎる。




